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恐れ多くもモンストの改善提案を超速で書いてみた話

 こんにちは。花倉みだれです。
 今回は、恐れ多くもモンストの改善提案を超スピードで書いた時の話をしたいと思います。
 結果的に何の成果も得られていないので、反面教師としていただければと思い投稿させていただいています。

■なぜそんなものを書くことになったのか

 mixi、ないしX-FLAG様のモンスタータイトルモンスターストライク
言わずとも知れていそうなセールスランキング超上位の超常連です。
 自身がゲームの運営側にいた時の担当タイトルの年間の売上を月間で余裕で追い抜いていくような規模感の超超大先輩です。
 趣味で買うようなゲーム関係の本でも、大抵は優等生、見本として提示されるタイトルです。
 法的に危ない橋を渡りそうな施策でも、先行してモンストがやっているのを見ると「あ、これは安全なんだな」と変な安心感があったりするので、結果的に確認することは多かったです。
 何か企画書を書くにしても、改善提案を書くにしても「モンストでも実装されてるコレがないとユーザーは満足しない」というようなことを書くことはあるだろうと想像しても、逆の機会があるなど思いもしませんでした。

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手元にある「売れるゲームのUI/UX」という本の一部(読みにくいと思うので無加工で許してもらえるかな……と。怒られたら編集します)。
モンストはまさにお手本にするべきとても良いタイトルだと思います。

 発端はシンプルで、色々な事情が重なり職を探しに探していた時に縁があったエージェント様からX-FLAG様を受けてみないか、と提案があったことからです。

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原文ママのメールでのご依頼。そのあとTELで「クオリティはどうでもいいからスピード感重視で寄越してほしい(意訳)」と補足されます。

 正直私の経歴では望み薄の超大企業なので、まぁ応募してくれるならして結果だけ教えてくださいくらいの気持ちだったのですが、履歴書・職歴書等のお預けしている書類以外に「モンストの改善案」を要求されました。
 実際、望み薄の超大企業に対して食い込むのに何か営業材料が一つでもほしい、というエージェント様のお気持ちはお察しします。
 ならばまぁ、作らねばならない、と。午前中にご連絡を頂いていたので、エージェントの営業時間内に余裕で読み終わるくらいの時間(=15時くらい)に提出することを目指して資料作成を始めます。

■そもそもモンストに改善要素があるのか?

 エージェント様はゲーム業界、IT関係以外をメインフィールドとしている会社であったこと、「現段階でセールスランキングが低迷」という前提でお話されたその日のセールスランキングが超有名IPコラボの影響もありセールスランキング1位(そもそもその前からずっと好調)だったこと、若干誤字が目立つことなどから、本当に大丈夫か……? と不安にもなりつつ、まぁそれはお互い様と一旦忘れ改善要素を探します。

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現時点の私のモンストのトップページ。アクティブユーザーだとはさすがに言い張れません。

 とは言っても、私はモンストのヘビーユーザーではありません。それこそベンチマークや施策の参考に、あるいは共通言語になりかねないしとざっくり触れてはいましたが、トッププレイヤーの不満感を温度感まで含めて完全にトレースする時間は絶対に足りないと考えました。
 「セールスの改善」というテーマであるのだから、彼らトッププレイヤーの繋ぎ止めと、既存ユーザーの廃課金ユーザー化施策を提案するのが最も筋が通ると思うのですが、締切が最も大事なのでやむを得ません。
 また、論拠に関して正確に収集している時間も正直ありません。
 そこで立てた戦略は、以下のようなものになります。
①ざっくりモンストをもう一度プレイして不満感をメモする。
②その不満をカバーしている他タイトルを思い出す。
③同じ不満を抱えているユーザーを探す。
④KPI分析に用いる指標を用いた形にまとめる。

 ①は何より、自分の言葉・感覚でないと短時間で何かを書くのは難しいからです。セールスに繋がるかという点はこの際一度無視しました。
 ②は他タイトルで何かを書く際に「モンストではやっていて好評」としていることの逆をやるためです完全新規の提案と比べて弱いのはわかるものの、そんなものを数時間で考えられたら就活する立場には多分いません。下心として、スマホゲーに対する造詣も多少アピールする意図もありました。
 ③ロジカルな根拠を示す時間はありません。何より外から見える指標には限界があります。「私がこう思った」だけではなく「こう思っている人が実際にいる」とすることで少しでも説得力を持たせたい意図でした。抜粋することにより、それが少数意見であっても大多数そう思っているかのように錯覚しがちなところも活きればと思っていました。
 ④一応、運営プランナーで業界経験者という触れ込みで就活していたので、嘘じゃないよアピールです。個人的には横文字は基本的に嫌い(ペイユーザーじゃなくて課金ユーザーでいいじゃないか、と常々思っていました)でコミュニケーションにも使わないよう意識していますが、閉じた世界で使われがちな言葉であればむしろ仲間なのだとアピールできるのではという下心です。売上=客数×客単価というようなお話は外食などでもよく聞く公式で、だからこそ客数と単価を上げようと苦心しているというところは基本無料ゲームでも同様だと認識しています。本当のただの一般ユーザーではなく、そこを意識しているということを伝えたい意識でした。


■捻り出した改善点

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実際に提出した資料の目次。

 ざっくりプレイして感じた個人的な不満点は以下のものがありました。

・月額課金ならやりたいのに特典がいらなすぎる
・「初級」「中級」などの難易度分けだけで今自分がクリアできるクエストなのか、どの程度育成すればいいかの目安がわからない。
・4体目以降のキャラの使いみちがあまり見えなくて収集意欲が沸かない。
・その時IPコラボ中だったのにログボでガチャができなくてギャンブル的な脳汁を出す機会がない。(=当たったから続けよう的なノーコストのサンクコストみたいなのが発生しえない)
・エンドコンテンツが見えてこない。

 これを元に「その不満をカバーしているタイトル」「その不満をこぼしているユーザー」を探したり思い出したりしました。
 不満をカバーしているタイトルに関しては、それなりにすぐ思い出せます。私が不満に思うということは、それができるタイトルを知っているということなので当然といえば当然です。
 意外と自信をなくしたというか苦戦したのが「同じ不満をこぼしているユーザー」の存在の数が思ったほどいなかったことです。特に、私が月額課金コンテンツの「モンパス」に対し、前提として「月額課金なら抵抗感がない」と考えていることが結構異端なのだということを改めて知れたのは驚きでした。10連ガチャで3,000円持っていかれるより、月額1,500円で遊べるほうが快適だろう、というのは完全に昔のネットゲームをプレイしていた弊害、老害的な思考のようです。もっと時間があったり、仕事としてやる場合には自身の直感と市場の声を分けて考える必要があると戒められました。
 とはいえ「月額課金なら抵抗感なく課金できる」としているユーザーもいないわけではなかったので、それを殊更ピックアップしてそういうこととしてこの時は押し通しました


■反省点

 この後全ページを公開しますが、今見ると色々と思う所はあります。もっと文字を少なくするべきだった、そもそもデザイン的に見にくい。要点はもっと少なく出来たのではないか……等々。
 そりゃ、受からないなぁ……ということを改めて思い直せる点でやってよかったのかなとは思います。
 一度受けて落ちたらしばらく受けることは出来ない。ないしマイナスイメージが引きずられるという点で、もっと慎重に受けるべきだったのかもしれない。エージェント様に関しても慎重にやりとりするべきだったかもしれない。といった就活的な反省点もないわけではありません。
 そもそも、セールス一位のゲームに対して低迷しているというていで改善案を出すという課題がおかしかったのではないかともやはり今でも思う部分がないわけではありません。

■全頁掲載

 ぼちぼち時効かと思いますし、特段社外秘的な情報があるわけでもないので供養したいと思います。自分より下はいるのだ、という安心材料にでもなれば幸いです。

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お気持ちを形にして頂けることは大変光栄で、勿体ないながら大いに感謝いたします。いつもよりちょっとおいしい飲み物や食べ物を頂きますね。