見出し画像

大好きだから語らせて~「虎に翼」の主人公、の、父君~

今現在放送中の、「虎に翼」という番組をご存知だろうか。

日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリー。困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を描く。

虎に翼 - NHK
より

このドラマに出てくるキャラクターには、私の大嫌いな「嫌なヤツ」がいない。
観ていて心地よい。
(女性進出をバカにする同じ大学の男子生徒や、女性卑下丸出しの記者は嫌だけれど)
ということで、毎回欠かさず見ているわけである。

その中でも私が大好きなキャラクターなのが、
主人公「寅子」の、父君である。

かわいい弟でもなく、
頼りなさそうな兄でもなく、
頼もしい母君でもなく、
父君である。

面白い居候の書生さんでもなく、
仲良さそうなご学友さん方でもなく、
あくまでも、父君なので、ある。

彼は、娘の寅子のお見合いの席では、誰よりも懸命に寅子の良いところを熱弁する。
あまり、成果は出ていなかったようではあるが。

寅子がお見合いは嫌だ、学業に進みたい、と言えば、
「見合いの無理強いは、本当は嫌だった。
 (寅子に結婚してほしい)母さんのことは全部、俺が何とかする!」
と、背中を押してくれる。

全く、役に立っていなかったが。

けれど、あの父君の、娘に甘いところが、私の理想の父親像そのものなのである。

それが顕著だったのが、学校行事の劇で騒動を起こし、その醜聞が載った新聞の記事をノートにコラージュした後の一言。

「あ、この寅子良く写ってる」

である。
ほんの一シーンではあったが、親バカ(言っちゃったっ)なところがしっかりと出ていた。

男性記者に、いいように女性卑下の記事を書かれていたであろうその記事の中心に載る娘をも、「かわいい」と言いのけてしまう父親。

最高の中の最高。



私は、父親に可愛がられる妹を見て、ことあるごとに小言を言われ、ことあるごとに怒られて育ってきた。
妹とは違い、いろいろとかわいくなかった行動もあってのことだろう。

その分、やはりこんな娘ラブの甘々な父親象に、とてつもないあこがれを抱いている。
怒らない夫を選んだ理由も、そこにあるのだと思う。


男性は外で働き、女性は家を守る、それが当たり前の時代。
女性の社会進出が難しかった戦前の時代に、法律家を目指す女性を描く今回の朝ドラ。
弱い女性を守り、女性の立場を守ろうとする女性を描く、女性のための朝ドラ。

そんなジャンヌダルクのような主人公の、よき理解者であり娘ラブな甘々な父君。

もしかしたら、その時代にはあまり現実的ではない父親像なのかもしれない。
それでも、そんな娘に甘い父親もいたんだと、願わずにはいられない。

そんな非現実を実現してくれた、寅子の父君。

是非とも、今後も彼の面白くも暖かな活躍を、拝見したいものである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?