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日本が好きだから、日本にちゃんと絶望したい

※本記事は2023年9月に母子留学を目指している家族の備忘録です。

日本がとても好きです。

安全でご飯もおいしくて車がなくても生活できて病院も安い。

もし、いまこの瞬間だけを切り取るのであれば、間違い無く日本にいたい!!日本大好き!!電車大好き!!徒歩移動大好き!!教育水準も高い!!

ですが、私達家族は日本を出るという決断をしました。正直、本当にこれでいいのかな〜とか、こわいな〜とか、気持ちが揺れる時もあります(私は)。

なのでここは一つ、自分の行動が私にとっては正しいものであると刷り込むために日本にしっかりと絶望したいと思います。

あんまり堅苦しい話は苦手なので、私の日本に対する認識を日本=1つの企業(架空)に例えて頭を整理しました。

※書籍・ネットニュースなどを拝見して独自の解釈としてまとめたものです。
※私は専門家でもないし、政治に明るいわけでもありません。あくまで個人の意思を固めるための備忘録ですのでご了承くださいませ。
※言葉は選んで書きましたが、気分を害される方がいたら大変申し訳ございません

では、スタートです。

①J社(架空)という老舗メーカーがありました。

バブル時代を一世風靡した老舗メーカー。立派な一等地に立派な自社ビルを持っていました。業界への影響力もそこそこあり、24時間休まない品質のいい魔法のような企業として尊敬され、真似をする企業もあった程でした。

しかし今は三人に一人が65歳以上。かつて程の勢いはありません。新入社員が入らず若手比率が増えないのが悩みですが、上層部の人々は「まぁ、あと十数年は大丈夫だろう」と楽観的です。

②もりもり働ける人の割合が減り、労働力が足りなくなります。

勿論65歳以上の人も働いてはくれますが、20代や30代に比べると残念ながら生産性は劣ります。しかし仕事の量は急激には変わらないので、働き手が足りなくなってしまいました。

すると、会社にこんな変化が。24時間注文を受け付けていたのに、9時-18時までしか対応出来なくなりました。また、検品体制が弱くなったために、不良品の割合も上がります。(利便性の低下)

すると、お客さんからの評価も徐々に落ち始めてしまいます。

③他社から中途を採用しよう!

このままではまずい!と思ったら若手たちは言いました。
「人材不足解消に中途社員を雇おう!」

しかし、会社の決定はこうでした。
「他の会社の人はカラーが違うから、雇うのは怖いな」(国民性均一化の優先)
「他社の人材は、うちの水準には達していないよ」(外国人労働者の軽視)
「受け入れたとしても他社の言語は分からないなぁ…」(日本語マイナー問題)

「「「うん、中途採用は消極的にやろう」」」(消極的な移民受け入れ)

④若手とITに投資して戦闘力をあげよう!

このままではまずい!と思ったら若手たちは更に言いました。
「能力向上を図って生産性をあげるべきだ。これからの会社を担う若手に投資しよう!」
「生産性をあげるためにITや研究開発に投資しよう。今すぐ結果が見えなくても5年後には何かが変わるはずだ!」

しかし、会社の決定はこうでした。
「それも分かるけど、65歳以上の人間だって多いんだ」(人口比率問題)
「本当に成果が出るかわからないし、現状維持がいいのでは?」(リスク思考)
「今すぐ成果が出ないのでは、稟議にOKは出せないな」(非イノベーティブ思考)

「「「うん、投資は多少するけど、他社程は出来ないよ」」」(投資後進国)

⑤人が増えないので、空いてるフロアが増えてきます

J社には相変わらず人が増えず、徐々に使用しないフロアが出てきました。しかし自社ビルなので潰れることはありません。

が、相変わらずの労働力不足で、空いているフロアのメンテナンスは出来ません。夜な夜な知らない人が出入りしているという噂も…(空き家増加による治安の悪化)

⑥インフラのメンテナンスをお願いします!

労働力不足は日に日に深刻化しています。会社のインフラ部分にも更に影響が出始めました。エレベーターが古くなったり、インターネット回線が極端に遅くなったりしています。(インフラの悪化)

しかし、営業や生産も疎かにできないので、インフラに100%人を割くことも出来ません。優先順位があると分かりつつも、100年続く体制を大きく変える決断が出来ぬまま日は過ぎていきます。(強い現状維持バイアス)

⑦こんな会社やってられるか!!

そしてついに、優秀な20代・30代の社員が言いました。

「「「もう、こんな会社にいられるか!!!」」」

年配の社員は大慌て。しかし時すでに遅し。優秀でクリエイティブな社員は他社へとドンドン流出していきます。(人材の海外流出)

「この大手企業なら大丈夫だろう」

そう思ってのんびりとルーチン的に仕事をしていた一部の若手や中堅社員もとばっちりを喰らいます。優秀な人材が抜けた穴を補うのは20-40代の仕事。高齢人材も協力はしてくれますが、やはり体力面からそこまで大きな仕事は出来ないからです。(若手の労働負荷増加)

⑧企業の価値が落ちる

働き手が減り、サービスが悪化し、生産性も落ちたJ社。かつては「J社が言えば無理もきく」というような状況でしたが、今はもうJ社を重要視する企業はどこにもありません。

それどころか
「J社には多少ふっかけても大丈夫。」
「サービスは多少悪化したが、品質は悪くない。安値で買い叩こう。」
「何かあったら部品の供給を止めると言おう。」
「J社は給与が安いし環境も特殊だから務めたくないなぁ…」
など、下に見られるようになってしまうのでした。(国力の低下)

⑨旅立った若者たち

転職をした若者たちは口々に言います。

「あの会社には未来を信じる人がいなかった。未来を自分の手で作り出そうとしている人がいなかった。」
何も変えなくても、明日・明後日と同じことが続くと考えている人が多かった。」
「なんとなく不安があっても、自分で学んで変化をする人がいなかった。」

そして最後に口を揃えて言うのでした。

「「「僕たちは違うと思った。誰かが未来を作ってくれるんじゃない。僕たちが自分の足で歩いていかないといけないんだ。」」」
「「「他でもない、自分自身と家族のために。」」」

〜Fin〜

※個人の解釈です(しつこい)

やっぱり人間は「今」を見てしまいがち。だって未来は分かりませんから。「今が良ければまぁいっか」って思ってしまうのも分かります。私ももともと現状維持バイアスがとても強いです。

1つの施策・1つの事象にはプラス面もマイナス面もあります。すべていいとこ取りなんて出来ないし、絶対いいことだってある。それは百も承知です。

しかし身近な例で考えると、やっぱりこんな会社からは転職したいと思ってしまいます。子供が同じ会社に入社する必要があると思うとなおさら。

さて、今回はかなりざっくり絶望しました。
今後定期的に理解を深めたいトピックスについて調べ、うまく絶望していきたいと思います。

何故なら、私は日本が大好きなので。


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