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トップガン:マーヴェリック見たよ!(この映像体験を越えられるなら、越えてみろ!!)

(※ネタバレ全開です!絶対見てから閲覧してください!あと熱くなりすぎて9千字越えました。申し訳ない!)

ちなみに公開前にトップガンへの思いはここで書いてます!

"Talk to me Goose..."

”I feel the need,the need for speed!"

から。

"Maybe so sir , But not today"へ。

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・1作目を愛した人たちへのプレゼント。

『初週は混むからあとにしよう』とか言ってたくせに、公開日当日、そのシネコンでは一番最初の公開でIMAXでど真ん中の席で観てきました。

もう、エンドロールの時声が出ませんでした。感涙の嗚咽でした。私は、人生で初めて見た映画が子供の時、父と見た『トップガン』('86)で、ケニーロギンスとチープトリックの音楽が鳴る80'sサウンドの中で私の洋画好き、トム・クルーズ好き(多分今視聴可能なすべてのトムの映画は見ていますし反復しています。)の人生はここを始点にしたといっても間違いなく、戦闘機が好きになったのも勿論この映画あってこそでした。その夢の続きを、本作は見事なまでに描いてくださったんです。

観終わった時、すぐさまトムにファンレターを書きたくなりました。手書きで、スラングから覚えた拙い英語ですが、でも今ってエアメールとかあるんでしょうか(笑)そもそも送り方が分からないまでありますが、とにかく『トム、ありがとう!ありがとう』その気持ちで一杯でした。こんなに素敵なギフトを空からくれた彼に感謝しかありませんでした。

・映画界へ背中で語る、そして挑戦状でもある。

時代は大きく変わったんです。有人戦闘機はもはや過去の遺物であり、今、AIのニューラル学習の圧倒的進化と無人機の先進国における配備率は上がり、戦略性とコストパフォーマンスの高さから今後もさらに上がるでしょう。そして人が動かす飛行機は危険性とコストからこの大空からやがて消えるのかもしれない。有人機がやがて無人機にとってかわられる。リアリティが、非リアリティにとってかわられる。それは映画も同じでした。

この36年を通して、CG技術は飛躍的な進化を遂げました。現実と見紛う程のリアリティを持ち、DCコミック、MCU(マーベル)系統のようなコミックベースのCGを前面に出して圧倒する映画も増えました。Z世代と呼ばれる若者たち(まだ私も30くらいのY世代の若造ですけど)は映画をストリーミングでそれも1.5倍速とかスキップとか、音楽もサブスクリプションでギターソロなんてウザいだけで飛ばされ、最初のイントロもなくサビメロだけで曲の評価を決めちゃう。そんな時代。一方アメリカ映画というのは特に、9.11同時多発テロ以降暗い影を落とし、社会派の作品やダークなテイストの作品が増えました。それにコンプライアンスの問題も増え映画の表現能力は下がっていきました。その所為か女性子供にも万人受けする映画か、人間性などを深掘りするが礼賛されるようになったように感じ、エンターテインメントとしての映画は衰退した一面があったと思います。ですが、『トップガン:マーヴェリック』においてトムが強調した『映像体験』は今映画業界が歩む道とは全く違う、すべてがリアルで構築された世界の表現であり、下手な飾りもCGも使わない体当たりの、それも86年のテンション・エンターテインメント性を完全に引き継いで見事なまでに2022年に表現してみせました。正直私は今回映画館でIMAXで見てから、ストリーミングやアニメーション作品も含めて、あらゆる『映像表現』に、『物足りなさ』を感じてしまうのではと思うほど圧倒されました。轟音とリアルなスケール感、役者たちの命を懸けた演技、すべてがリアル。トムは見事にそれを背中で語りました。そしてこれは挑戦状です。まるで『この”映像体験”を越える映像作品を作ってみろ』といわんばかりのまさに”最強格”の映像作品に仕上がっていて、そこにはトムたちの深い映画への愛とリスペクトがあるのです。

・トムの肉体美を観るんだ!!

59歳ですよ!還暦間際!?それが戦闘機も操作するし、スパイにもなる。何よりこの肉体美を見てくれ!!

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あり得ませんよ、1日5時間に及ぶウェイトトレーニングを課して、身長は170cmとアメリカ人にしては小柄ながらもぶっとい上腕筋と胸筋に腹筋。鍛えまくった体幹から下半身。そして老けたといっても全然色あせないこのハンサムさとファンへのやさしさ。これがノンスタントの秘訣であり、男でも惚れちまうカッコよさです!本当のスターっていうのがどんな人なのか、銀幕スターとはなんたるか、身をもって証明しています。今回はベッドシーンが薄めだったので、主にビーチラグビーのシーンでキャスト陣の肉体美が観れますが、また鍛えられてましたね。男とは常にああありたいものです。フェニックス(女性パイロット役)のモニカ・バルバロさんも引き締まったスポーティな身体でした!かつて文字が読めなかった(識字障害/ディスレクシアでした。)彼が、今や何でもできる男に。これが努力の人というのでしょう。え?サイエントロジー?ニコールキッドマン?ケイティホームズ?どうでもいいでしょう!!

・音楽はハンス・ジマー。

現代映画サウンドの巨匠ハンス・ジマーが今作の劇伴を担当致しました。ノーラン監督映画などでおなじみですがハンスは『インターステラー』('14)の時、『私たちが始めてしまった”典型的なシネマティックサウンド”が広がり過ぎて、映画音楽が陳腐になってしまった。』という理由でインターステラーでは実験的なテクスチャサウンドを主体としたものへ大幅に切り替わりました。しかし今作では見事なまでに弦楽・管楽・パーカッションが派手な『ハリウッド風』のシネマティックサウンドに回帰しています。お見事でした。

・基本的な流れ。あらまし。

実はプロット面は1のリブート的な側面もあるのですが、今回はマーヴェリックは病で余命いくばくとなったアイスマンの命を受けてトップガンの卒業生たちが挑む任務を教える教官となります。そこは、敵国領内(今は少しセンシティブな領域です)、山脈の間を超低空で飛び、一気に上昇、即座に目標を二重に破壊、そして10GものGがかかる急上昇で離脱、その後、防空網に設置されたSAM(地対空ミサイル)の雨から回避しなければならないという、あまりに実行不可能、戦死者が必ず出るとも考えられる難しいミッションをクリアしなければなりません。マーヴェリックは教えながらも、最初はトップガン卒業のエリートたちはちょっと舐めてかかってくる感じ。チーム感もバラバラ。ですがヴァイパー宜しく教本を捨てて登場したマーヴェリックは空での実力で分からせ、チームの面々を結束させていきます。中には戦友アイスマンのアドバイスもありました。そしてその身をもって中々目標の時間内にこれをクリアすることができない面々と対峙し、結束を深めていく。彼らの中にはルースター(グースの息子)がいます。ルースターはマーヴェリックを海軍学校の願書も捨てた上、父の仇と思っていましたが、すれ違いを重ねるごとにやがて、同じウィングマンとして成長していきます。

やがて実戦の時が訪れます。ルースターを二番機にしたマーヴェリックは過酷な雪山をかいくぐり、先制攻撃を行い、続く2機も追加攻撃を与え、作戦は成功するのですが、第五世代最新鋭機であるSu-57の猛追と、SAMの雨で絶体絶命に。そしてグースの事もあり、誰も死なせたくないマーヴェリックは、被弾しかけたルースターの代わりに被弾、撃墜されてしまいます。

雪山で目覚めるマーヴェリックは敵基地のハインドの襲撃に逢いますが、これをルースターが撃破。しかし相打ちとなりルースター機も墜落、ベイルアウトしてしまいます。そしてマーヴェリックと再会、最初はルースターをかばって被弾したのにと喧嘩をする二人でしたが、ともあれ生きていたことに安堵、先制攻撃で壊滅状態の敵基地へ潜入します。そして、1機だけ動かせる複座戦闘機を見つけるのです。そう、今やポンコツとすらルースターに呼ばれるに至る旧型機にして、かつての主役機F-14A、トムキャットです。こうして、マーヴェリック&グースのコンビはマーヴェリック&ルースターとして復活するのです!

トムキャットで前輪が吹っ飛ぶくらい無理やりに離陸した二人は敵の最新鋭戦闘機Su-57の圧倒的性能差で追い込まれていきますが、マーヴェリックの卓越したドッグファイトで2機撃墜、何とか場をしのぎ帰ろうとしますが、帰り道、最後のSu-57が追尾してくるも、フレアもミサイルも残弾もゼロ。敵からはロックオンされてしまい、ベイルアウトすらキャノピーの不調で開かなくなり、絶体絶命だったところを、空母から発艦した味方のハングマンが操縦するF/A-18が助けてくれます。そして、無事空母に戻り、前輪が吹っ飛んだトムキャットは空母へ胴体着陸でおんぼろながらに帰還。クルーが大集合して大歓声の中、確執のあったルースターとも仲直りをして大団円を迎えるのです。

そして、P-51を整備する最初は一人だったマーヴェリックのハンガーにはルースターたちの姿が。

あれ?この最後の感じ、昔のアイスマンとマーヴェリックのシーンみたい!

Iceman: You can be my wingman any time.(いつでも、俺の僚機にしてやるぜ)
Maverick: Bullshit! You can be mine.(バカ言うな!お前が俺の僚機だ)

そうです、今回はそんなシーンがたくさんあるんです!1を想起させるシーンが盛りだくさん!文章であらましを説明しましたが、こんなのより、まさに『考えるな。行動しろ』の一言であり、さっさと映画館IMAXや4Dで轟音のスーパーホーネットやまさかのトムキャット、敵ながら見事なクルビット(マニューバ)を見せたSu-57(通称:第五世代機)の居る圧倒的な空を体験してほしいです。

・2世代の物語として。

今回のフォーカスが当たるのは新世代のパイロットたちとルースターです。ここで思い出したのが『ロッキー4 炎の友情』で露のボクサー、ドラゴに殺されてしまったアポロの息子クリードの物語を描いた『クリード』のシリーズです。ここでもスタローンは親友の息子を育てるような役回りを演じましたよね。親から子へ、前世代から次世代へ、F-14からF/A-18へ、すべてが変わるには十分な36年でした。ルースター役のマイルズ・テラーは『ハングオーバー』シリーズをオマージュした『21オーバー』のようなおバカ映画から、『セッション』のようなストイックな映画にも出演しており、今回は軟派な若者ではなく髭を蓄え、見た目もグースの面影を感じさせるほどそっくりで、バーで『Great Balls of Fire』を弾くシーンはまさに、1でトムやメグ・ライアンたちと騒いだあの懐かしい時間そのものでした。(マイルズはこのために7か月に及ぶピアノレッスンを受けたそう。)

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また、アイスマン役のヴァル・キルマーの参戦はトムにとっての絶対条件だったそうで、『ヴァルが出ないトップガンはダメだ』と言っていたそう。咽頭がんを患い実際声がほぼ出ない状態で筆談メインのヴァルではありましたが、オファー時はFacebookでは『いつでも準備はできてるぜ』と、陽気に言って見せたそう。劇中では余命いくばくもない戦友として、果たして卒業生たちを教えられるか迷走するマーヴェリックに正しい道を提言した後、死没してしまいましたね。ですがほとんど出ないはずのガラガラの声(過去の声と息子の声を合成したらしいです)での演技は一級品で、二人の抱擁はかつて1のラストでの抱擁から、トムとヴァルという良き友人として時間を感じさせながらも友情を感じさせる、泣けるシーンでした。

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・全てが実機であることのリアリティ。

トムといえばどんなスタントでも自分ですることで有名ですよね。高い崖を登ったり、ドバイの高層ビルの窓を登ったり、水の中を6分間呼吸を止めたり、高高度からHALO降下したり、ビルからビルを足首を骨折しながらも飛んだり、山間の高度でヘリを操縦してヘリチェイスから墜落させたり・・。86年の1作目でもF-14に実際に搭乗できたのは彼だけでした。ですが今回はトップガンの卒業生キャスト全員が5か月の過酷な肉体訓練を経てレシプロ機からジェット機を経て最後はスーパーホーネットに乗り、ハイGの世界を体験しながら、カメラも手動操作で撮影に臨んでいます。

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・古き良き80年代の香りもする。

このトップガンからは確かにグースの死を引きずったり、訓練から実戦まで空の緊迫感があったりもしますが、昨今の映画に比べて非常にポジティブな作品に仕上がっていました。この読了後の景気の良さ、爽快感。やはり、1作目同様の空気感であり、私の映画の原点であるイケイケの80年代の洋画の香りが、あのヒーローたちの感覚が、2022年の今に色褪せずにきちんと発露されているんです。それにベイルアウトは実際危険で、生存率50%以下、五体満足、また飛べる確率はもっと低いとも呼ばれる過酷さですが、無事誰もけがをせず、あとは、敵基地に潜入してあっさりF-14に乗れたりするあたり、ご都合主義なのですがそんな細かいことはいいんだと講釈垂れを吹っ飛ばしてくれるそれこそが80's映画に合った予定調和ならではのエンタメ性なんですよね!わかるだろうか!わかってほしい!つまり考えるな!

・最高のエンターテインメントとして。

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トムは、来年再来年と『ミッションインポッシブル7:デッドレコニングPt1/Pt2』も控えていますが、今年59歳とは思えない若々しさでそのストイックな映画に対する愛情と精神。そして映画ファンを喜ばせる最高の俳優でありエンターテイナー・プロデューサーです。トップガンは1作目も社会現象になるほどのヒットを残しましたが、本作はその時この大空に夢を抱いた多くの人たちに向けた、トムの空からのギフトなんです。勿論、ジェリーブラッカイマー監督、ヴァル・キルマーなど、かつての戦友がいてこその本作です。単なる飛行機の映画ではなく、至高のエア・アクション、人間ドラマ、エンターテインメントとしての金字塔をまたしても打ち立てた、最高の映画といえるでしょう。正直、もっといろんな映画を今年は見る予定でしたが、なんかもう全部マーヴェリックでいいやってなっちゃうほどです。

ちなみになんですが。

いくら優しいトムだって怒るときもありました。2020年、デッドレコニング撮影中、コロナ対策を怠ったスタッフに荒々しく怒ったのです。しかしどうでしょう、これは理不尽な怒りに見えるでしょうか?私には、映画製作に命と精神をかけているからこそ、そしてスタッフをはじめ映画関係者を大切に思っているからこそ出てくる言葉だと思います。映画界の牽引者としての重責を知りながら沢山身を削りながらだからこそ出る言葉。これは骨身に染みました。彼こそがプロフェッショナルであると、誰が否定できましょうか。

・まずは1をちゃんと見よう!

何はなくとも、この『トップガン:マーヴェリック』は『トップガン』1作目へ、どれほど思い入れが強いかで映画の評価が変わります。私や父親世代のようにどっぷりこの世代なら勿論最高級の映画なのですが、何も知らない新規のお客さんにはホーネットの体験だけしか分からないかもしれなくて、所謂『胸アツポイント』が分からないかもしれません。(One RepublicをBGMに始まる1のケニーロギンスの『Playing With The Boys』をバックにビーチバレーを想起させるビーチラグビーとかもそう。最近のTV版はなぜかカットされてます。)、何より昔の世代は主人公機が最初F/A-18Eでちょっと違うなあって思ってもしまうのですが、最後にはやっぱりF-14Aが出てきて、それだけでも感涙モノなんですよね。しかも絶対勝てそうにないステルス最新鋭機にドッグファイトで勝つというある種ファンタジーレベルのパフォーマンスを見せてくれる。そしてルースターとの関係性も、グースの死を覚えているほど重みがわかりますし、アイスマンとの友情もかつてのライバル関係があってこそというのもやっぱり1を見てなくては分からないものです。なので、まずはやっぱり1をしっかり見てよく覚えたら、マーヴェリックを見ることを強くお勧めします。

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・吹き替え?/字幕?/IMAX?/4DX?

個人的にはトムといえばの森川智之さん、ほかにルースターに宮野真守さん、ハングマンに中村悠一さんなど著名な声優さんが揃い、フェニックス役に内田真礼さん、アメリア役に水瀬いのりさんなど新進気鋭の人気若手声優も起用しています。そんな吹き替えもいいのですが、初回はまずは字幕で生のトムの声を聴きましょう。森川さんもトップガンに影響された声優さんの一人ですが、トムを演じはじめたのはMI:3前後で、昔は故、鈴置洋孝さんが演じておりました。今回はパラマウントもプロモートに力を入れているので有名声優さんがそろい踏みですが、やっぱりまずは字幕が良いかなと思います。何より海軍用語は海軍監修ですが、基本の翻訳は戸田奈津子女史ですからね!(御年85歳、でもバリバリです!)

IMAXで今回見たのですが、凄まじい体験でした。トムとブラッカイマー監督が何度も『テレビやストリーミングではなく、『劇場』で見てほしい』と言っていた意味がよく分かります。ですがなんと4DXもあるというじゃないですか。『インターステラー』などスケール感の大きい映画ではIMAXが通常好ましいですが、4DXはまさにコックピットの感覚かもしれません、是非とも好きな方で楽しんでほしいですね!

・そういえば最初のあの黒い飛行機は?

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序盤、マーヴェリックがテスターとして搭乗しマッハ10に到達した謎の黒い飛行機。これはトップガンとコラボしたエースコンバット(ゲーム)のDLCで確認したのですが、名称は『ダークスター』という高高度極超音速機らしいです。SR-71系ベースの架空機体で、モックアップを作った際、某国が本当の新鋭戦闘機と勘違いしたという逸話もあるそうです。

それにしてもエド・ハリスのこの風圧に耐える体幹。『アポロ13』や『ザ・ロック』の頃の若さすら感じさせます。

・飛行機好きによるちょこっと戦闘機紹介。

F/A-18E(スーパーホーネット)

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E型が『スーパーホーネット』であり、A、C型に比べるとエアインテークをはじめ多くの変更点があります。第4.5世代に分類される米海軍の主力機で本作の基本的な訓練と戦闘を担う戦闘機です。対地・対空ともに自在に対応可能なマルチロール機で同じくステルス能力と次世代単発エンジン搭載のVTOL(垂直離着陸)機であるF-35B/ライトニングとともに海軍機の主力を務めます。本作ではサイドワインダーミサイルやスパローミサイルなども搭載。増槽は途中で切り離します。ちなみに今回はほとんど単座型の設定でした(一人乗り)。

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年代物のレシプロ機で作品の最初と最後、トムが自分のハンガーで整備しているシーンで出てくる、トム所有の実機で実際曲芸飛行の練習などもしているそうです。ジェット機をトムは飛ばせるのでトムは当初スーパーホーネットすら自分で操縦しようとして海軍に流石に止められたとか。

・Su-57(第五世代戦闘機)/Felon(Natoコード)

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本作のライバル機にして最大の脅威です。Felonは『囚人』の意。色々配慮して『第五世代機』としか言われませんでしたがどう見ても露国のスホーイ社のSu-57でしかありません。F-22やYF-23同様の第5世代といわれるだけあり、旧型機Su-27フランカーや開発中止になったSu-37ターミネーター、Su-47ベルクト、実験機Mig1.44で得た経験を活かしています。すべてがハイテクノロジーの戦闘機で露のステルス戦闘機の中でも卓越した最新デジタルHUDシステムや航法システム、次世代ノズルなどを搭載、機動性にも非常に優れた制空戦闘機です。ちなみに劇中でも見せてルースターを驚かせた回避方法であるマニューバと呼ばれる飛行方法の内、ポストストールと呼ばれる飛び方があって、これは空中で機首を上げてわざと失速することでさも空中停止するかのような無軌道を描いたのち、機首を戻し敵からイニシアチブをとる飛行法です。スホーイ戦闘機のお家芸ともいえる戦い方で、スホーイが出るゲーム(BF3、エースコンバット、サイドワインダーなど)では絶対に披露してくる技です。

F-14A/トムキャット

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みんなの夢が詰まった機体です。説明不要の前作の主役機であり、本作でも結局は持って行った主役機の王座です。米海軍では80年代から00年代初頭まで活躍した旧型機ですが、二発の無骨な大型エンジン、トムキャットの由来である猫の耳に例えられる速度可変翼、複座型のコックピットなど、ここに海軍機の基本が集約されています。とはいえ世代差がありすぎてSU-57を撃墜するというのは流石に能力からしてもファンタジーですが、この映画はそんなファンタジーをやってのけるんだよ!だからつべこべ言うなって話です。ちなみにマーヴェリックたちはA型を使いましたが、制空戦用のD型などもありますよ。

・ならず者国家って?

NATOに反するならず者国家で、針葉樹林が生い茂り、今もハンガーにF-14を基地配備していて、主力戦闘機がSu-57?そんな国実在しませんが、多分ですが、F-14を現在配備しているのはイランだけなので、まずイランの要素が、そして第五世代機Su-57は露しか今のところ使っていないこと、針葉樹林が生い茂る雪をかぶった山脈、ってことは今はセンシティブな露でしょう。つまり露+イランをくっつけた架空国ということになりますね。本来公開予定だった2年前はまだこの情勢ではなかったのですが、前作でもミグが敵機だったのも含めて米国の仮想敵国がどこなのか、わかっちゃいますね。

・まとめ。

そんなこんなで、評価は言うまでもなく満点です。こんなに素晴らしい作品、それもビッグタイトルの続編というプレッシャーを見事に引き継いで、現代にブラッシュアップ・リブートした作品でした。ハンスジマーのシネマティックなサントラも光り、キャスト陣の好演も光り、特に子供の時、それか青春時代をトップガンと過ごした人たちはみな、必ず、感動すること請け合いです!保証できます!そんな最高の体験をみなさんもしたでしょうが、これから何度でも見に行きましょうね!私も見に行きます!!

最後にトム、あなたはやっぱり私の永遠のヒーローです!!

あ、ちなみに『The Late Late Show with James Corden』でトムがトップガン講座なるものを開いてくれています。なんとP-51やジェット機のリアル操作も(全編英語です)。Jamesはこのショーのシリーズで過去にトムの作品毎に映画にちなんだアクションをする羽目になり、毎回トムから『やろう』と誘われると一回は必ず逃げるシーンがあるんです。(勿論”トム・クルーズ・ランで)それを毎回トムが追いかけていたり。ほかにも面白いシーン沢山なので箸休めに見てみてはいかが?

そしてトムの映画を一通り見たらこれでしょう!SHOW ME THE MONEY!!!!!

『ザ・エージェント』なども名作なのでストリーミング、BDとかVHS(今あるのか?)とかで見てくださいね!

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