面談

面談は経験と感覚の対応でよいのか?

 私はリクルートキャリアで10年以上にわたり人材紹介に携わり、特に個人の転職希望者に相対するキャリアアドバイザー側で関わってきた。初めて人材紹介ビジネスに私が触れたのが2003年で、転職の際に専門家に相談できる仕組みがあることに新鮮さを覚えた(実際、この感動が理由でリクルートから転籍した)。当時の転職はリクナビNEXTのようなメディアを通じたものが圧倒的に多く、今のようにビズリーチのようなスカウトメディアはなく、転職における人材紹介ビジネスの認知度も低かった。そのような中で、転職という人生のターニングポイントであるが、一方で非常にパーソナルな事柄において、人肌を感じるビジネスだからこそ、私は今後の伸びしろを大いに感じた。それから17年経ち、このビジネスは大変メジャーになったが、どうしても気になる部分があり、それをみなさんに共有しながら、今後、人材紹介や”面談”というツールがよりよいものになるきっかけになればと思う。

経験と感覚のアドバイス

 人肌を感じるビジネスと先ほど申し上げ、そこが私も好きな部分ではある。しかし、そんな好きなビジネスでも、私がどうしもて気になっていることが、キャリアアドバイザーの面談は結果的にそのアドバイザーの経験と感覚によるものということ。経験と感覚が悪いわけではない。実際、私がリクルートエイブリックに転籍した当時は、この経験と感覚の優れた匠のようなキャリアアドバイザーがおり、転職希望者の信頼を勝ち得ていた。とはいえ、そのような匠のようなアドバイザーは世の中に少なく、アドバイザーのサービスクオリティーの差は相当大きい。クオリティーの差が生まれるのは、面談をアドバイザーの経験と感覚に頼っていることが原因であろう。

人柄や個性を可視化する

 アドバイザーのクオリティーを底上げするためには、転職希望者のお人柄や個性の見立てが的確にする必要があるが、それは簡単ではない。であれば、人柄や個性を診断ツールで可視化することが、簡単かつ見立ての安定感をもたらすと思われる。実際、今、私が在籍するAll PersonalではBI CAREERという転職支援サービスを運営しており、面談の際にはFFS診断を使い転職希望者の個性を可視化し、アドバイスに活用している。サービス登録の理由で一番多いのは、個性を可視化してアドバイスしてもらえるから、というもの。また、実際、FFS診断で個性を見ることで、既存の大手企業よりもアーリーステージのベンチャー企業の方が活躍できる可能性が高いなど、その方のご経験してきたキャリアだけではない、プラスアルファのアドバイス可能になる。

1on1でも同じようなことが起きている!

 最近は1on1をマネジメントの一環で導入している企業が増えているが、これも人材紹介ビジネスを同じようなことが言え、そのマネジャーの経験と勘に頼った1on1はクオリティーのバラツキが相当出るだろうと予想できる。人事が苦労して導入を率先しても、現場で1on1面談の成果を感じられず形骸化することが、メンバー、マネージャー、そして人事にとって最も不幸なこと。1on1の成果をあげるためには、個性の可視化が早道であり、そのメンバーの個性にあった面談スタイルや内容をとることが大事だと思う。このようなことを言っている私も、隗より始めよではないが、サービスの一環で1on1キャリア相談を開始した。興味のある方はぜひ使っていただき、感想をいただけると嬉しい。

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