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涙の季節

涙の季節といえば、卒業シーズンである3月を思い浮かべます。

しかしプロ野球の世界は今まさにこの時期が涙の季節です。

リーグ優勝や日本一が決定!というのもありますが、今回のテーマはそこではありません。

プロ野球はまぎれもなく日本野球界の頂点です。

ということはプロ野球選手は才能、努力、どれをとっても超一流の人たちです。それだけで尊敬できる存在です。

ましてや1軍でレギュラーとなり、しかも数年間レギュラーであり続けるなんていうのは至難の業。

しかし結果がすべの厳しい世界。この季節になるとプロ野球の世界から離れていく選手が現れます。

もう十分働いて実績も残したベテラン選手

怪我や故障でもう続けることができない選手

結果が出ず第二の人生を余儀なくされる選手

だいたいこんな感じでしょうか。

引退試合のある選手は幸い。オーロラビジョンに今までの功績を讃える映像が流れ、ファンの前でスピーチをし、最後は胴上げ。

ファンとしても、いや、引退する選手のファンでなくても、このシーンは泣いてしまいます。

わたしがこの"引退セレモニー"で最初に泣いてしまったのはもう10年以上前でしょうか。

選手の引退ではなく、辞任する監督の最終采配試合でのことでした。

相手チームのホームグラウンドで、敵将自ら花束を渡すという異例な措置。そして何度も激励するシーン。

辞任する監督は涙を流していました。

たまたまテレビで観ていたわたしもうっかり泣いてしまいました。

なぜ"うっかり"かというと、その監督にもチームにも、何の思い入れもなかったからです。むしろ、負の感情があるくらい(笑)。

それでも泣いてしまった自分に驚いてしまいました。

わたしはこの出来事をきっかけに、涙もろい人間になってしまった気がしています。

その後現地観戦で2回、引退セレモニーに立ち会うことができましたが、いずれも号泣。嗚咽つき。

現地には引退する選手の熱烈なファンの声援もあるし、特に盛り上がっちゃうんですよね。

一つのことを突き詰めて、いわば人生をかけて取り組んできたことに終止符を打つ、感動せずにはいられません。

一方、引退セレモニーもなく怪我や故障でひっそりと去っていく選手、ほんとうにせつない。

野球一筋だった人が、ボールが投げられなくなるんですよ!考えられます?

しかしこうした選手も2軍で引退の花道を作ったりしている様子が、最近ではYouTubeで見ることができます。

そして今日、現地最終戦で怪我で1軍に復帰することなくユニホームを脱ぐ選手があいさつをしてくれます。

バリバリ1軍で活躍したのに、怪我につぐ怪我でついにはボールを投げるのもやっとという状況に。

間違いなく泣いてしまうでしょう。

そして第二の人生に向け、ふたたび羽ばたいてほしい、そう願って止みません。




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