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ラストマイル1周目

家に帰っていくつか関連noteを読んでから意見をまとめて書いた文章です。

あれに触れられてない!もっと今ならこういう見方があったな…など数日たった今でてきてはいますが、伝えたかったことはわりと見たその日に書いた文章に出尽くしている感じがするので、修正せずそのまま公開します。



ちょっと前に「アンナチュラル」「MIU404」をU-NEXTですべて履修してから見てきました。そこまではしなくても物語自体は楽しめる。知っている人は物語に登場するある職業のある人物の成長やそこまでの過程まで思いを馳せることができ、より楽しむことができる、程度かな…

情報が多すぎて、本筋を理解するだけでも結構大変で、いわゆる「重い」映画です…可能なら複数回見たい作品ですね…10月までやってたらもう一度見に行くつもりでいます。

なんとなく見に行くときから目を離してはいけない作品だよな、と感じていたのでジュースやポップコーンなどは無理だと直前の番宣中に軽く食べ終わるものを選んで本編に集中しました。

実際、作中そんなタイミングはないと思います。

常に頭が動いてる…整理しながら見てる

あと爆発するシーンがたくさん描かれるので耳が敏感な人はちょっと覚悟が必要。私は何度か身体をすくめたり仰け反るようなタイミングがありました…耳栓は番宣のときに欲しくなるくらいで本編は大丈夫でしたね…

凝視するのが難しいタイミングが何度かあるのでそのシーンのためにもう一度見たいなと思っているところです。

ここから本編の内容に触れながら書きますので、これから行こうと思っている未鑑賞の方はバック推奨!見終わったときに、m.が感想残してたなってのをもし覚えていたらあなたの考察を準備して読みに戻ってきてください…

もし見るのであれば、パンフレットはぜひ買ってください!そして鑑賞してから読んでください!(パンフレットにもネタバレを含む箇所は鑑賞後に、とわかりやすく書かれてます)

サプライズキャストが発表になってから見たのですけど、写真が出てきた瞬間に息を呑みました…1週間前後伏せられていたので序盤に見た人達は心の中で悲鳴上げてそうです。

まあ、ドラマではクズミのキャストを隠してた人達ですからこういうことしてきますよね…実際発表されてたら最初からそういう視点で見ちゃいますから…

主人公がサプライズキャストの登録データを消すところで疑問が確信に変わります…まあでもそれは後でちゃんとひっくり返され、主人公をちゃんと応援できるようになるんですねこれが…大好きな伏線回収が終盤に向かうにつれてババババっとやってくるかんじ…他の方の感想でオセロと見かけましたけどまさにそうだなと思いました。

徒党を組むことで、ある人物の願いを正しい形で実現するわけですけど、現場に出向いてからその展開に変わるのがとってもアツい!電話やテレビ会議なんかでは本当に大事なことは動かせないんだなってのがとても印象的なシーンでした…また大手の運送会社のパートがまたいいんだ…その人がもらす悲痛な叫びで私は目がウルッとしました…なんでこんなに刺さっちゃったんだろう、よくわかりません…

一人で立ち向かった人は、この作品内では不条理な死を遂げることになりました。(ホントは一人、死んでないんだけどあの状態を生とするかは鑑賞者に委ねられている気がする…)

そしてその不条理な死を理解してあるキャラがもらす言葉がまた重い…彼女の背景や考え方を知っていると二人のやり取りがそうなるよな…と理解できます…死の報復をしようとした者と、それを生で思いとどまった者…

配送センター含め、物語のメインステージ外資の大会社…現代日本のあの会社じゃん、となりますがこの世界はあくまでフィクションなんで…ただあまりにもあの会社なので、この映画にずっと横たわる問題を「じぶんごと」にして考え続けることになるのが私が感じる「重い」の理由です。

あと、エンドユーザーである荷物を受け取る側の言い分が何度か登場するのですが、受け取り拒否やいきなりの注文キャンセル、配送停止…その断片的な情報をぶつけられ続ける親子(ラストワンマイル)がまた見てて苦しくなります。

自分が注文した責任を果たそうとしない時には配達してくれる人達にこんな苦労を強いることになるんですね…なるべくちゃんと受け取ろうという気持ちになりました…置き配はしてもらってないのでコンビニや営業所留めなど活用したいですね…

そして今、私達は「欲しい」と思ったそのタイミングにそれを手に入れる手段をこの手の中に持ってしまいました…物語の序盤のキーアイテムもそれ…顧客囲い込みの要素、と紹介があるんですが、それはつまり「依存」なんですよね…どんどん生活が侵食されて、それが機能停止をすると社会が不利益を被ることになる…

動き続けているからこそ私達はその便利さを享受できるわけだけど、その便利さの裏で疲弊している、犠牲になり続けているある人物や物語の主人公達がいる…でも勇気を出して止めないといけない…持続可能にしていくために…

主人公達がそう思うきっかけがまさに自分が"爆弾"の当事者になってしまった時に外と繋がろうとすることで事態を大きく動かすことができた、と描いた真理だと思うのです…

もう一度書きますが、一人で変えようとした人物は悲劇の結末を迎えました。

最後、ある一人に「次はあなたの番」と前任者は鍵を渡しますけども…彼が今までのように一人で戦うのか、この映画のように二人以上で立ち向かうのか…爆弾をどう彼は対処するのか、という問いで終わりますがこれは私達にも同じ問いが投げかけられていると思います。

どこかの本で人が変わるには、環境か、時間配分か、関わる人が変わらないと変化は起こらないと言われているそうです。

この物語の表向きの主人公は倉庫を飛び出し、下請けのみなさんの声を集め、繋がることで正しく事態を前に動かしました。それは結果的には本当にわずか…焼け石に水くらいのことだけど、でもないよりはあったほうがいいし、そうやって声を上げ続けなきゃいけない…経済活動に疑問を持ち続けないとならない…

人間の欲望を掻き立てる社会構造が便利をつくる反面、たしかに誰かを蝕んでいく…その不条理さに、消費者である私達は一度自分の「欲しい」の感情が引き起こされる、トリガーを突き止めて向き合わなければならないと思います。

くしくも、今私が志しているグラフィックデザインの領域は大体が告知、宣伝、販促…そういった消費生活を加速させるトリガーをつくる仕事です…

過剰にそのトリガーを刺激しないよう、本当に欲しい人達だけにそのメッセージが届くように伝えられるようにならないといけないな、と感想をまとめながら考えるなどしました…

考え続けて生活が不安定になるのも悲しいので、この文書でいったん、ラストマイルに思考を巡らせるのは終わりにします。

鑑賞されて最後に届けられた大きな荷物、どのように解釈されましたか?また聞かせてもらえたら嬉しいですね。

主題歌に触れたいけどこれにふれるとすべてがネタバレ必至なのは担当された米津さんも言っていることなので、あの楽曲の解釈が作品を見て変わるかもしれないのは間違いない、ということだけお伝えしときます。

実際の作曲の背景は行き詰まってしまった友人を想いながら書いたものということだったんですが、がらくたになったのは、いや「がらくた」になったのではなく元からそうだったのか…人によって解釈が違うのではないかなと思います。ぜひ聞いてみたいですね。

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