![オヤジの話_](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/15596663/rectangle_large_type_2_b25c0cf5760d6751500a23525622a79c.jpeg?width=800)
赤川次郎さんのオヤジの話。
著名人が父親との思い出を回顧します。今回の語り手は、赤川次郎さん(作家)です。
ひとかけらの記憶
小学3、4年生のころだったと思う。当時東映の教育映画部長だった父について、日光へロケを見に行った。古い木造校舎と校庭での撮影を眺めていると、カメラマンから、
「坊ちゃん、ちょっと出てみませんか?」
と声をかけられ、私はびっくりして逃げ出してしまった。
私と、父、赤川孝一との直接の思い出は、これだけである。
戦争中、満州映画協会で甘粕正彦理事長の側近だった(その死にも立ち合った)父は、引き揚げ後、東映に入り、NHKの朝ドラ「なつぞら」に描かれた「東映動画」の立ち上げ、日本最初の長編カラーアニメ「白蛇伝」製作に係る(タイトルに企画・赤川孝一の名がある)。
そういう父の経歴は、すべて人から聞いたものだ。アニメに関しては、後にTV美術の世界で活躍する橋本潔さんの著書「テレビ美術――セットデザインと映像の可能性を索めて」で初めて知った。
ここから先は
646字
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54742002/profile_a2d1bc9047964b0b316ead227fc29140.png?fit=bounds&format=jpeg&quality=85&width=330)
noteで展開する「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。同じ記事は、新サービス「文藝春秋 電子版」でお読みいただけます。新規登録なら「月あたり450円」から。詳しくはこちら→ https://bunshun.jp/bungeishunju
文藝春秋digital
¥900 / 月
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に配信。月額900円。(「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。今後は、新規登録なら「…