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【日記】子供たちと #プリキュア (と映画の感想)

毎年(毎半年)恒例のプリキュア映画に子供たちと友達家族と観てきました。

2ヶ月ぶりの友達との再会でしたが、すぐに打ち解け一緒にご飯を食べて映画館に向かい、大好きなプリキュアを大画面で観て、近くで遊んで一日過ごしました。上の子たちは来年小学生になるので、親と一緒に映画を観に行くなんてあとどのくらいだろう?と勝手にカウントダウンをしてしまいながらも、こちらも親どうし仲良いので楽しく過ごしました。

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プリキュア映画も3年目になるのでかれこれ6本近く観てきているのですが、今作はダントツで良かったので少し感想を書きます。正直これまでは可愛くて楽しいと感じることはあっても心から良いなと思うことはなかったのですが、今年は子供そっちのけで没入してしまいました。一応ネタバレ含みます。

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今回良かったポイントは4つ

①映像が素晴らしかった

映画版は作画がTV版と比べてダントツに良いが、今年は特に素晴らしかった。特にラスト10分の星が再生していくシーン。物語前半に世界を周り地球の美しい自然(ギアナ高地・ナスカやウユニ塩湖とか)をめぐるだが、そのシーンを再現しつつミックスさせる。物語において大事なシーンが見事な演出で表現されていて、この10分だけでも繰り返し観たい。

②音が良い

物語でキーになる歌(作中では童謡)があり、これがプリキュアと映画のオリジナルキャラを繋ぐキーになっている。メイン二人(三人)の関係の変化がこの歌で表現されていて、オルゴールで流れる→プリキュアが歌→オリキャラが覚えて歌う、と徐々に進化するが、これがラスト10分で映画主題歌と融合して流れる。主題歌はTVで先行公開されていて、最初聞いた時はさほど印象に残らなかったが(それでも子供が何度も歌うので覚えてしまう)、このタイミングで流れることによってキャラたちを大きく包む賛美歌になる。間奏で例の童謡が映画キャラの声で流れるのを聞いたとき、素直に言うとトリハダたった。フルで聴くと歌の中でも上述の関係の変化が表現されていることに気付く。

③戦闘シーンが良い

映画版の山場は巨大化したラスボスと闘うのが通例だが、今作は中盤に置かれている(山場は例の再生シーン)。ただ手抜きは一切なく特に演出がニクい。今年のプリキュアは星がテーマで対象は黄道十二星座。といえば無論、聖闘士星矢。戦闘シーンにちらほら聖闘士星矢を彷彿とさせるフォームがあり、アラフォー男としては燃えた。

④セカンドキャラを主役に据えたこと

今作ではTV版でセカンドキャラのキュアミルキーにスポットライトが当たる。彼女と主人公(キュアスター)が出会った頃の思い出、今の関係やそれを経た彼女の決意、彼女の出自(宇宙人)など、TV版の設定のあらゆる点がミルキーと映画オリキャラを繋ぐポイントになっている。

おおよそプリキュアの映画ではメインキュアがドタバタしながらも仲間の協力を得て困難を切り開くのがパターンだが、今作はそれをミルキーが担っていいる。スターは失敗らしい失敗をせずむしろ達観している雰囲気もあり、ミルキーのメンターのように彼女に伴走する(ラストの「キラやば」は本作クライマックスのうちのひとつ)。他キュア達の解像度も低く、もちろん一緒に行動するが、スターやミルキーからは一歩引いてストーリーの核には踏み込まない。いつもの敵キャラザコキャラも冒頭に少し顔を出すだけで、多くの時間をミルキー(とスター)の掘り下げに使っている、彼女達の非日常なのだ。

「女の子でも闘いたい」「あきらめない」「みんな違っていい」みたいなメッセージをプリキュアはシリーズ通して持っていて、それを言い過ぎるがあまり説教臭くなるのがちょっとニガテだった。今年のプリキュアは「なりたい自分になる」みたいなテーマなんだけど、今作ではそれが自分ではなく他者(映画オリキャラ)に向けられる。このことで自分との闘いではなく、他者を強く思う闘いになっていて説教臭さが薄まり本来テーマの「なりたい自分に」に更に拡がりを感じる仕立てになっている。

後半で悪役が「奪うも守るも人のすること。ならばオレは好きにする!」と言って奪いに来るシーンがある。それに対するプリキュアの答えは、何もしないでもなく自分の好きにするわけでもない。主題歌の歌詞にあるとおり、相手の「本当を聞かせてよ 君の夢は私たちの夢」を体現していく。これはそれぞれ違う個体が一緒に過ごすための一つの答えでもある。

…勢い余っていろいろ書いたけど、自己信念で他者を包むために、多様性を間主観的に受容するために私はどうすれば?というテーマを、「プリキュア」もっと言うと「スタートゥインクルプリキュア」更には「ミルキーとスター」でないと成立しない脚本で描き、それらを見事なクオリティの絵と音で表現しているスゴ映画だった、と言いたかったのです。モチーフが星ということもあり、エンディング後はエウレカセブンを彷彿とさせるカタルシスを感じました。良作です。

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