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日本の家紋について

九條です。

最近、テレビや雑誌、インターネット上などでも日本の歴史に関係して家紋が多く取り上げられていますね。

家紋は意匠学(デザイン学)や紋章学的には非常に面白い、興味深い研究対象だと思います。

けれども日本ではヨーロッパとは異なり[※]、神社の神紋やお寺の宗紋などを除いて一般に伝播している、いわゆる一族(一家)の家紋は、日本の歴史上ただの1度も法的に制定されたことも法的に規制されたこともありません。

[※]ヨーロッパでは「紋章官」により法的な裏付けの下で厳格に管理・運用されていました。

すなわち、我が国では家紋というものは誰でも好き勝手に用いることができて、誰でも好き勝手に自分や一族・一門の「権威付け」に利用することができたのです。

そのような理由で、日本の歴史を考える上では、研究者は家紋については「根拠のない怪しいもの」と見做し、これを歴史の考察に用いることはありません。

ちなみにウチ(九條家)の家紋は藤原氏(北家)との関係から「下り藤」(九条藤)かと思いきや、意外にも「橘」紋でした。あれぇ〜? ^^;

ウチ(九條家)の橘紋

©2023 九條正博(Masahiro Kujoh)
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