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春宵一刻値千金

九條です。

3月になりましたね。
春3月。
桜の花が待ち遠しく感じます。

今日(2023年3月1日)の大阪市内は晴れ。日中の最高気温は18度を記録しました。暖かくなりました。

陽がだいぶ長くなり、その光も明るくなりました。夜の空気もだいぶ甘く柔らかくなって来たなと感じます。

この時期になると私の頭の中では、私が日本の唱歌のなかで一番好きな歌である瀧廉太郎の『花』がたびたびリピートします。

「春のうららの隅田川…」

美しいメロディと美しい詩とが合わさった美しい明治の歌です。

夜も、春の夜はとても心地よく、まさに「春宵一刻値千金しゅんしょういっこくあたいせんきん」ですね。これは蘇軾そしょくの七言絶句『春夜』の冒頭の一節です。

「春のは、千金に値するほど素晴らしい」という意味。

その全文は…

春宵一刻値千金
花有清香月有陰
歌管楼台声細細 
鞦韆院落夜沈沈

(蘇軾『春夜』)

読み方は…

春宵一刻値千金しゅんしょういっこくあたいせんきん
花に清香せいこうり。月に陰
歌管楼台かかんろうだいこえ細細さいさい
鞦韆しゅうせん院落いんらくよる沈沈ちんちん

その意味は…

春の夜は、一瞬の間にも千金の価値がある。
花は清らに香り、月はおぼろに霞む。
歌が聞こえ楽器が鳴っていた楼閣は、今はかすかにその音が聞こえるばかり。
鞦韆しゅうせん(ブランコ)のある中庭で、静かに夜が更けて行く。

です。
とても味わい深い漢詩ですね。^_^

しかし現実には…
3月は年度末なので、仕事の区切りや予算執行の締めなどで毎年、1年の中で最も(モーレツに)忙しい時期です。^^;

【お詫び】
本文中、蘇軾そしょくとすべきところを誤って蘇武と記述しておりました(訂正いたしました)。ここにお詫び申し上げます。

©2022-2023 九條正博(Masahiro Kujoh)
剽窃・無断引用・無断転載等を禁じます。

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