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高校生と、身近にある「海外」について考えた話。

先月末、1学期の振り返りを出しました。それから1カ月近く経ち、あと10日で秋学期がスタートすることにワクワクと、今年の夏休み、果たして思い通りに過ごせたのだろうかという不安とが入り混じった不思議な気持ちです。


今回は、8月16日(日)にTATSUZIN(スピーカー)として実施したミライツクルプログラム(益田市教育委員会社会教育課委託事業・運営:ユタラボ)「Think globally, act locally」について1か月経って振り返って考えたことをシェアしたいと思います。

ミライツクルプログラム(通称ミラツク)について詳しくはhttps://www.yutalab.com/を参照してみてください。(「ミライツクルプログラム」と検索すると過去のレポがいくつか出てきます。)

きっかけ

田舎の大学生である私が、今ここで身近に感じられる機会の少ない「海外」について高校生と一緒に考えたいと思うようになったきっかけは船の上にありました。今年1~2月に参加した「世界青年の船」の期間中、数少ない中国地方からの参加者である広島の大学生の友人と話していた時でした。

「田舎で軽トラ見て育つのと、東京で外務省の公用車見て育つのって絶対キャリアの選択肢変わってくるよね。」

その友人のこの言葉が印象に残りすぎて、船に乗る前から薄々決めていた「島根の高校生に、船の上での経験を伝える」ということが、島根から内閣府の海外派遣プログラムに参加した自分の「義務」なのではないかと感じるようになりました。

私が高校生に伝えられることは船の上での経験だけだと思って下船しましたが、島根に帰ってきた私にはもう1つありました。

それは、海外に「行く」ことだけが海外とのかかわりではないこと。

恥ずかしながら船に乗る前の私は「海外」というと自分が動くことに関しては「実際に現地に足を運ぶこと」しかないと思っていたし、「日本の中だと観光と深い関係があることで、観光地の多い大都市にしか関係ないだろう」という安易な考えを持っていました。ざっくりいうと、「外から人を呼ぶこと」しか考えていませんでした。(「世界青年の船」事業の作文にも帰国後に実行していきたいことについて「観光客のために英語のメニューを増やしたい」とか「島根県の外国人観光客を増やしたい」とか外向きのことばかり書いていました)

でも帰国後気づいたのは、島根在住の外国人労働者や移民の存在。それらの子どもたちの中には言語や文化の壁にぶつかり、思い通りにキャリアを形成できずにいる子どもがいることも知りました。

つまり、身近なところに・自分の住んでいる地域の中にも「海外」という要素はあるということ。

このことを高校生に伝えたいと考え、前出の言葉を残してくれた友人と一緒に登壇する機会をいただきました。(このご時世のため、大事をとって友人にはオンラインで参加してもらいました。臨機応変に対応してくれてありがとう…!)

イベント当日

今回のイベントでは、「今までの自分」と「これからの自分」について

「今までの自分」

・今までの中で印象的だったできごとは?

・自分の進路を決めるときに影響を与えていることは何だろう?

・海外に興味を持ったきっかけは?

・今までで、海外の人とふれあった経験は?

・実際に行ったことある国は?

「これからの自分」

・これからどんな人になっていきたい?自分の理想像は?

・その理想に近づくためにどんな経験・知識が必要だろう?

・その経験をする・知識を獲得するために今日からできることは?

といった質問を投げかけ、私たちの船の上での体験談も聞きながら考えてもらいました。みんなの回答をもっと深掘りして、お互いに活発に共有できたらよかったなあという反省点はあるのですが、全員が自分の理想に近づくために「今からできること」にまで考えを落とし込んでくれたことにはとても満足しています。

これらの質問に回答する際に、tipsとして市内で開講されている「外国人のための日本語教室」や「国際ボランティア(客船寄港の際の通訳)」などを紹介しました。今日からできることに「国際ボランティアについて調べて、参加してみる」と書いてくれた高校生もいました。

高校生に起きた変化

ここでは、印象的なアンケート結果について紹介します。事前と事後にアンケートをとった結果、「あなたと海外との距離はどのくらいですか」という質問に対して1(近い)~10(遠い)で回答してもらったのですが、

事前

・6…1人

・7…4人

・8…3人

・9…2人

・10…1人

事後

・3…2人

・4…1人

・6…1人

・7…2人

・9…4人

という結果になりました。この結果に表れているように、海外をより身近に感じるきっかけを提供できたことを非常に光栄に思います。コロナ禍で海外に行くことが難しいこのご時世だからこそ、私自身のためにも、立ち止まって「海外」を考えることを通して内省する機会を継続的にもつことが大切なのではないかと感じることができた1日でした。

ここまで読んでくださったみなさま、ありがとうございました。



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