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1月5日(金)朝/彷徨う青年たち

今日が仕事始めである。憂鬱なので、昨日丸一日掛けて書いた二次創作を載せる。
こっちの話も憂鬱だけどね!


彷徨う青年たち Mimínoz

※ 斑鳩三角のキャラ設定が原作と異なります(第一部ならアリだったかも…?)。
※ トー横キッズとゴールデン街の設定が現実と一部異なります。

「あいう〜ひへぇ〜」
談話室で密くんにマシュマロをあげながら、過去公演を視聴しつつ次回冬組公演への意気込みを熱く語っていると、玄関のドアがガチャリと鳴り、三角くんがふらふらとした足取りで談話室に入ってきた。ふらふらとした足取りのまま私のもとへ歩いてきた三角くんは、「あいう〜ひへぇ〜」と繰り返し、私の顔目掛けて舌をべっと出した。
その舌は、真っ青だった。
密くんは静かに眉をひそめ、「見なくていい」と呟き、私の袖を引っ張って談話室を後にしようとした。密くんに袖を引っ張られるまま立ち上がった私に合わせて三角くんも立ち上がり、再び青い舌を見せつけてくる。あまりにも見せつけてくるので、密くんに気を遣いながら三角くんの舌を改めて見つめてみた。やはり舌全体が青紫色に染まっている。目尻はとろんと垂れ下がり、吐息は酒気を帯びている。呂律も回っておらず、見るからに正気ではない。
「あいう〜いあ〜?」
呂律の回らない口調で三角くんが何かを問うてくる。
「見るからに具合が悪そうだが、先ほどから何を言っているのかね?」
なるべく平静を装って三角くんに問いかけてみるが、こちらの声が聞こえていないのか的外れなことばかり返ってくる。
「……もういいでしょ、アリス。いくよ」
痺れを切らした密くんが私の腕を強く引いた。
「密くんは、三角くんの様子について何か心当たりがあるようだが……」
アリスは知らなくていい、と言って密くんは強引に私を二〇五号室へと押し込んだ。

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