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木の家に住まう 6

家は木だけで出来ている訳ではありません。
色んな素材が組み合わさった超ハイブリッドな構造なんです。
そして一番目立たないけども、一番大事と言っても過言ではない基礎についてが今回の内容です。

基礎を考える
さて、本題です。
今回の本題は、基礎についてです。
突然ですが「在来軸組工法」(ざいらいじくぐみこうほう)ってご存知ですか?
文字にすると難しい工法のように感じますが現在、国内で広く一般に行われている家づくりの殆どは「在来軸組工法」です。

コンクリートの基礎を造り、その上に土台を載せて柱、梁を組み上げると言う順番で進む工事です。当然、私共の家づくりも、この在来軸組工法です。
そして在来軸組み工法には鉄筋コンクリートの基礎が必要になります。

コンクリートと鉄筋との関係
コンクリートを打つ前に鉄筋が組まれるのですが、鉄筋とコンクリートは、お互いの欠点を補い合い強度を確保します。この関係は人の骨と筋肉のような関係と似ています。

コンクリートはアルカリ性
鉄筋は文字通り「鉄」ですので空気にふれたままでは錆びてしまい強度を失います。そこでアルカリ性であるコンクリートの中に埋めることで鉄筋が錆びることを防ぎます。只、コンクリートに埋まっていれば鉄が錆びないかと言うと、そう言う訳では無く、ある程度のコンクリートの厚みがあって初めて効果を発揮します。人間の身体も皮と筋肉があってその中に骨がありますよね。厚みのある筋肉に覆われている骨、そのようなイメージです。

ルールに基づいて
コンクリートには骨材と呼ぶ石が入っているために、型枠に流し込もうと思うと組まれた鉄筋の間にまで、その骨材が入り込んで行かないといけません。そのために鉄筋は単純に組まれていれば良いと言う訳ではなく、あるルールの元に組まれないといけません。そのルールの一つに、骨材が通過できるだけの十分な隙間が確保されていることがあります。

配筋検査
そのような細かなルールに基づき、現場で配筋検査を行います。
今日の写真は、その時の写真です。
鉄筋の種類、間隔、定着、重ね長さ、開口補強、かぶり厚さ、など決められた項目を一つずつ確認し、是正すべき点があれば、手直しするように伝え、それらを確認する作業が配筋検査となります。
先に出てきた、一つ一つの項目はそんなに難しい事ではないのですが、専門性が高いために配筋検査には経験が必要となります。

鉄筋の無い基礎もある
しかし、昔の基礎には鉄筋が入っていない場合もあります。
残念ながら目視で、基礎に鉄筋が入っているか否かを見分けることは出来かねますが、建築年代をヒントにして鉄筋の有無を考えるのも一つの尺度です。只、確実に鉄筋の有無を判断するには少しお金を掛けて基礎のレントゲンを撮って頂くことです。

鉄筋が無いとダメなの?
先ほど鉄筋とコンクリートはお互いの欠点を補いあって強度を確保しているとお伝えしたのですが、コンクリートは圧縮と呼ぶ力を負担し、鉄筋は引張と呼ぶ力を負担しているのですが、この圧縮やら引張やらは、見た目で分かる力ではないのが、非常にややこしいので説明を省略します。
但し、人の骨と筋肉との関係に似ていて、どちらかが無ければ機能しないと覚えて頂くと良いと思います。

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