見出し画像

木の家に住まう 8(建築と色 その1)

前回は「明るさの感じ方」について書いてみましたので
今回は、「建築と色」の関係について綴ってみます。
今日の写真は、以前にリノベーションさせて頂いた、とある写真館さんの撮影スタジオです。白一色なのは光の回り込みを考えたためで撮影スタジオには必要な設えと言えます。

あなたが好きな色は?
あなたが好きな色は何色ですか?
情熱の赤、涼しげな青、自然を意識させる緑など、人によって様々です。
又ひとえに赤と言っても、色幅が大きく色鉛筆で赤系統の色を集めても、物凄い種類に及ぶことが分かります。

スケール感
私たちが普段目の前で認識出来る色は用紙の大きさや洋服の大きさ、大きくてもカーテン程度が限度では無いでしょうか?
カラーコディネートであなたには、このような色がお似合いですよ、とかシミュレーションしているのをご覧になった方も多いと思います。

しかし、建築ではそんなスケール感を超えて色の占める面積はもっと大きくなります。ちょっとした住宅であっても、先のスケール以上になりますので、普段見ている色の感覚を狂わされることが多々あります。

はい、この中から選んで下さい
住まいづくりにおいても、クロスを選ぶ段階になると分厚いサンプルの中から一つを選ぶのがとても難しく皆さん悩まれます。これは模様もしかり、ですが微妙に違う色も含んで選択することになるので悩まれるのです。
しかも、サンプル帳はハガキよりも少し大きなサイズから大きくてもA4用紙サイズが精一杯です。小さな見本から実物大を想像して選ぶことになり、本当に迷いだすと永久の迷路のようになります。

当然と言えば当然なんです。だって普段そんな訓練をされていない方が、住まいづくりのある段階で、いきなり、この中から選んで下さいと言って分厚いサンプル帳を受け取るのですから・・・。
親切な造り手の場合、あらかじめこの中から選んで頂くと、どれを選んで頂いても失敗は無いですよ、とか言って幾つか選択肢を用意してくれていたりします。

色は3色まで
ここで、建築(住まいづくり)における色選びのワンポイントとして、読者の皆様にお伝えさせて頂きます。

「室内においても屋外であっても使う色の種類は3色までに抑える」

これは自論ではなく、他にも同じことを仰っておられる方が沢山いらっしゃいます。要するに多色使いを避けましょうと言うことなんですが、床、壁、天井、それぞれに違う素材、違う色を使ったなら、もうそれだけで3色になります。建築では、それ以外に建具や巾木、廻り縁、窓枠、家具など沢山の素材が面積を占めます。それらが全てバラバラに色のコディネートをされたら、どうなるでしょう。もう、それはまとまりのない派手なだけの空間となります。しかも素材が違えば色を同じにしたつもりでも、見え方は又違ってきます。

それを実物大では無い小さなサンプルから選べ、と言われるのですから難しいのは当然と言えば当然なんです。

それを実感できるのがショールームなんですが、ショールームでは実物を見ることが出来ても、それぞれをコーディネートし、実際のサイズ感で確認することは出来ません。ましてや無垢材になるとショールームなんてありません。


アドバイス
そこで、一つアドバイスを差し上げることが出来るとするなら

「直観も大事!」

と言うことです。直観とはずばり、第一印象のことなんですが、一つの物事ばかりを、ずっと比較検討していると先に書いたように永遠の迷路にはまり、本当に決まりません。

ですから私は、このような場面になった場合、サンプルなどを見せる前に、「第一印象も大事にして下さいね」と伝えるようにしています。

そして迷路にはまったら、一度比較検討するのを止めて数日空けて、リフレッシュして下さいとお伝えしています。

続きは次に
と言った所で結論に達するまでに、もう少し書面が必要になりそうですので、続きは次回に持ち越しとさせて頂きたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?