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データ分析未経験の普通の会社員だった私がデータサイエンティストに転職した話

初めまして。
データサイエンティストの上西です。
今回は普通の日系企業の普通の会社員だった私が、エムスリーのデータサイエンティストに転職して感じたことを、率直にお伝えできればと思います。
なお、こちらの記事はデータ分析グループの同僚の牛久さんの転職記事に過分にインスパイアされています。
牛久さんは外資系から移ってこられた方なので、私は普通の日系企業から移ってきた普通の人の感じ方として読んでいただけると幸いです。​


1.経歴

学部では、工学部で数理工学を専攻。統計の研究室に所属していました。
修士課程では経済学研究科で金融工学を専攻し、エキゾチックオプションのプライシングについて研究をしていました。
新卒の時は、バックグラウンドを活かした仕事をしたいと思い、金融機関を中心に選考を受け、保険会社に入社しました。
保険会社では主に商品業務を担当していました。主な業務としては担当商品について営業担当とのやりとりをしていました。
経歴の通り、エムスリー入社前は研究でプログラミング(主にC++を使ってました)をしたりすることはありましたが、データ分析の実務経験は皆無でした。
なのですが、今年の1月にデータサイエンティストとして入社してから今日まで、元気に働いています。

2.業務内容

私の主な業務としてはサイト上でユーザーに対してどのコンテンツを推薦するか決定する、推薦エンジンの開発と運用を行っています。トップページ等にバナーが設置されており、サイト上の各コンテンツ(MR君・Web講演会など)への導線の役割を担っています。バナーをユーザーごとに出しわけ、ユーザーごとに最適なコンテンツへ誘導することを推薦エンジンで行っています。

具体的な仕事内容としては下記です。
・新しい推薦ロジックの検討
・ユーザーがバナーをクリックした時の価値の推定
・よりよい推薦のための目的変数の設定
・バナーの有効な活用法の検討や周知

日常的にやりとりをするカウンターパートとしてはプロダクトマネージャーというサイト上の各コンテンツを管理している方々になります。

3.転職して変わったところ


意思決定が早い
前職では、担当業務のリーダー→直属の上司→部長→(場合によっては)担当役員と段階を踏んで決裁をあげていく必要がありました。
今では、担当役員の島田さん→社長の谷村さんの決裁だけで、すべてのことが出来てしまうので、スピーディーに新しいことに取り掛かることができます。

PDCAのサイクルが短いかつ高速
意思決定の速さにも関連することですが、PDCAのサイクルが非常に短いです。
極端な話、プロジェクトを起案し承認されれば、当日からA/Bテストに入ることができます。とりあえずA/Bテストの形で小さめに実施させてもらえるので、問題点を早めに洗い出すことができ、早々に改善に入ることができるので、PDCAサイクルを高速に回すことができます。
前職では、起案の時点で想定される問題点を洗い出し、事前につぶしておく必要がありましたので、実行に入るまでの時間がかなりかかっていたように思います。

組織がフラット
前職ではXX課長のように、名字の後に役職名を入れてお声がけしたりメールを送信したりすることが多かったです。
エムスリーでは、誰に対してもXXさんのようにさん付けで呼ぶことになっています。
もちろんフラットなのは呼び方だけではなく、ミーティングなどでは社歴や役職に関係なく忌憚なく意見をいうことができます。というより、忌憚ない意見を求められているケースが多いです。
また、個人的に驚きだったのがチーム外の人にすらアポなしでミーティングを設定できることです。細かい点を上げるとキリがありませんが、社風は全く違うなと思います。

裁量が大きい
人から仕事を依頼されることはあっても指示されることは、ほとんどありません。私も最初こそはメンターの方からプロジェクトのアイデアをいただき、その通りに実装していましたが、今では自分でプロジェクトを起案し、ロジックを考え、実装していっています。なので指示された通りに仕事をすることが好きな人だと、苦労されるのではないかと思います。

フルリモート
最近緊急事態宣言が解除されるまでは、ほぼ毎日リモートワークを行っていました。
前職では、出社を減らしていたとはいえ半分くらいは出社していたので、ここは大きな差があるなと感じました。
フルリモートになると、通勤の労力や時間がなくなり、効率的に仕事ができるようになった一方で、入社してすぐの時は、メンターの方に毎日面談をセッティングいただき、最大限配慮いただいていたと思いますが、それでもお互いにコミュニケーションに苦労していました。
リモートワークでもミーティング設定がやりやすい環境ですので、私からもっと積極的にミーティング設定することを心掛けておけば、よりスムーズにキャッチアップできたかなと思っています。
なお、緊急事態宣言が解除され、出社ルールも緩和されましたし、受け入れるこちら側にもリモートワークのノウハウが貯まってきましたので、今後は出社もリモートも活用しつつ、新しく入ってきたメンバーの方もキャッチアップできると思います。

私のスキルセットがよりダイレクトに活きるようになった
前職でも、VBAマクロでの作業の効率化や一部数理的な業務も行っており、ある程度私のスキルセットを活用できる仕事だったと思っています。
対して、今はデータサイエンティストとして、プログラミングスキルや確率・統計の知識をフル活用しています。
機械学習については、入社まで完全に未経験だったのでイチから勉強しています。確率や統計のバックグラウンドはあるので、ある程度は前提知識があり習熟しやすいほうとは思うのですが、メンターの方に指導いただいたり、Kaggle等のコンペに参加したりしながら、少しづつ習得しています。
実は下期から、重点課題(ご参考:先日の島田さんのnote)として「データサイエンティストのスキル定義」も担当することになり、その中で新しくジョインされたデータサイエンティストの方向けに、最低限必要なスキルや典型的なタスクのやり方を学べる教材作りのようなことを行っています。自分の勉強と表裏一体のような感じがしますが、新しく入ってこられた方がスムーズにキャッチアップいただけるよう良いものが作れたらと思っています。

人事評価が定量的になされるようになった
これは日系企業一般ではなく、私個人の話ですが、前職では本部の部署だったのでいわゆる営業成績のような定量的な評価基準ではなく、上司から見てどれだけ仕事をよくこなしているかといった定性的な評価だったと感じていました。
エムスリーのデータ分析グループでは、プロジェクトを通じてどれだけ会社に利益貢献したかということを定量的に測定し、この利益貢献額が評価対象となります。金融業界ではよく「数字は人格」といわれますが、他の評価指標もあるので「数字は人格」ほどではないにしろ、データ分析グループでも利益貢献額が大事な評価指標になっていることは確かです。ですので、前職では「とりあえず頑張る」でなんとかなる面もあったのですが、現在は定量的な基準で優先順位つけながら仕事をしています。(数字にならないからといって、その仕事をやらないというわけではないですよ!)

4.結論

これまで前職からエムスリーのデータサイエンティストに転職して変わった点をつらつらと書き連ねて来ました。
総合するとアウトプットの質など求められる水準は高く、高速PDCAを回しているなど、大変になった部分はあるものの、裁量が大きいので、私のスキルセットを活かしてやりたいと思ったことをスピーディーに実行まで持っていけますし、優秀な同僚に囲まれた刺激的な環境だと思っています。

採用HPでは、働いているメンバーやその他のプロジェクト事例を紹介しているので、興味のある方は是非ご覧ください。
採用HP:https://recruit.m3dag.com/