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品質保証から品質支援へ。第三者検証出身のQAエンジニアがエムスリーキャリアで実践する理想のQA活動

※本記事は2020年8月に他媒体に掲載した記事になります

こんにちは!エムスリーキャリア、採用担当の横山です。エムスリーキャリアでは、サービス品質と開発スピードの向上を目指し、QAチームの体制強化を図っています。今回はQAエンジニアとして活躍されている髙橋さんにインタビューしました。

髙橋 耕平(たかはし こうへい)
神奈川出身。大学卒業後、第三者検証サービス会社にQAエンジニアとして入社。テスト計画の策定から分析・設計、テストの実行・報告まで幅広く経験。2019年にエムスリーキャリアへ入社。現在はQAチームリーダーとして戦略策定やチームマネジメントも担当。

QAエンジニアという仕事との出会い

――――2019年にリファラル採用(知人紹介)でエムスリーキャリアに入社。現在は、チームリーダーとしてQAチーム全体の戦略・方針策定に関わるなど、活躍の幅を広げている髙橋さん。もともとQAエンジニアという仕事に就いたのは偶然でしかなかったと言います。

髙橋:就活時、「QAエンジニアになりたい!」という特別な思いがあったわけではないのですが、ご縁があって内定をいただいた企業で就いた仕事がQAエンジニアだったんです。

とはいえ私自身が未熟だったこともあり、当初はQAエンジニアの魅力にまったく気付けませんでした。開発エンジニアが作ったシステムやサービスのテストケースを淡々とこなすだけの、受け身姿勢だったと思います。

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――――ところが、あるエンジニアとの出会いが髙橋さんに大きな変化をもたらしたといいます。

髙橋:入社間もない時期、仕事に熱意が持てない私を見て、常駐先で一緒に仕事をしていたリードエンジニアの方が「ちょっと話をしようよ!」と声をかけてくれたんです。

そしてミーティングルームに入ると、私が担当していたシステムの仕様を基にデータフローダイアグラムという手法を使って、ホワイトボードにシステムの全体像を一枚の絵のように描き始めました。

そこからQAエンジニアとしての仕事のやり方をひとつひとつ丁寧に解説してくれたんです。システムはどのように動いているか、QAの視点から問題の起こりそうなポイントはどこか、その問題はどうしたら解決できるかなど、自分では考えたこともない話が次から次へと出てきて衝撃を受けました。

それまでの私にとってテストの仕事は、仕様書に書かれた文字の羅列に対してチェックだけを行う機械的な作業に過ぎませんでした。しかしこの会話をきっかけに、システムを視覚的にイメージできるよう変換する楽しさと、品質を高めるために積極的に問題解決を進める喜びを知りました。

自分自身がQA活動を通して重要な価値を生み出す過程に関わっている実感を得ることができたんです。

システムを深く理解し、品質を向上させるテスト業務を「創造的な仕事」として捉えているリードエンジニアの話を聞くうちに、私も技術力を高め、積極的にシステムの品質向上に関わりたいという思いに至りました。

この出来事がきっかけとなり、QAエンジニアという仕事にのめり込んでいった気がします。

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知識やスキルだけではない。
業務を通して一番変わったこと


――――QAエンジニアという仕事の魅力に目覚めた髙橋さんは、テスト計画の策定から分析・設計、テストの実行・報告まで、テストプロセス全ての業務に携わりました。幅広い経験を積み重ねる中で、QAエンジニアとしての仕事のスタンスも変化していったと言います。

髙橋:様々な経験を通してできることが増えていく中で、「ユーザーへの貢献度をもっと高めるにはどうしたら良いか」を考えるようになりました。

単にシステムの不具合を防ぐだけではなく、サービスそのものをより良くしていく仕事ができると、自分自身もより多くのやりがいが感じられると気付いたんです。

システムの不具合を防ぐことは大前提として、「このサービスはユーザーに価値を届けるのに十分な機能が備わっているか」、「より使い勝手の良い設計にするためにもっとできることはないのか」、といった視点で仕事をするようになりました。

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――――ユーザーへの貢献度を意識するようになったという髙橋さん。仕事のスタンスが変わったのはあるプロジェクトへの参加がきっかけだったそうです。

髙橋:普段のプロジェクトはウォーターフォール型開発が多く、テスト工程に入ってから自分の業務がスタートしていました。しかし、そのプロジェクトはアジャイルにシステム開発が進み、QAエンジニアの私も企画段階から参加できたんです。

ミーティングには開発者はもちろんのこと、営業職や企画職など、プロジェクトに関連する全ての職種の方が集まっていました。参加者全員が「ユーザーに最適な価値を届けるために何が必要なのか」を活発に議論するスタイルを採っていて、当時の私にはとても新鮮でしたね。

営業メンバーからは、ユーザーがどんな要望を寄せているかが聞けましたし、企画メンバーとは課題解決に向けてどんな機能が必要なのか、その機能を実現するにはどんな設計にしたらいいかを直接話し合っていきました。

最終的にリリースしたシステムに関しても、顧客から寄せられたフィードバックや途中で生じたトラブルなど細かなことまで情報共有されていたことに驚きました。これまで自分が携わったサービスがどんな評価を得たかを知る機会はほとんどなかったので、顧客にどれだけ貢献したかを知ることができ、とても達成感がありました。

この経験からユーザー視点に立って様々な関係者と連携し、システム開発のプロセス全体を通して行うQA業務が楽しい、「もっとやりたい!」と思うようになったんです。

普段の業務で接するエンジニアだけでなく、営業職や企画職など、様々な職種の方と協力すれば、ユーザーのためにできることがもっと広がると学んだのはとても大きな気づきでした。

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ユーザーへの思いが行き着いた先:
エムスリーキャリア


――――QAエンジニアとしての仕事のやりがいを見つけ、ユーザーへの貢献度も意識するようになった髙橋さん。転職のきっかけは何だったのでしょうか。

髙橋:前職では第3者検証サービス会社に勤めていたのですが、そのおかげで様々なプロジェクトを経験し成長することができました。しかし、契約や開発体制の問題で他職種の方との連携が難しいこともあったんですね。

自分に与えられた権限の中でなんとかやりくりしていたものの、どうしても納得いくまでやり切れず、モヤモヤしたままプロジェクトが終了することもありました。

そういった経験の中で事業会社に転職しなければと感じ始めたんです。今後QAエンジニアとしてユーザーにもっと貢献するためには、開発エンジニア以外の職種の方々やユーザーとも、直接連携できる環境で仕事をしたいと思うようになりました。

エムスリーキャリアには前職で親しくしていたメンバーが在籍していました。信頼している知人にタイミングよく声をかけてもらっただけでなく、求人情報では把握しきれない情報や業務の詳細について確認できたおかげで、疑問や不安を感じることなく転職を決断しました。

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――――知人紹介を通してエムスリーキャリアに入社した髙橋さん。前職での悩みはどのように解決されたのでしょうか?

エムスリーキャリアは、入社前から聞いていた通り開発エンジニアだけでなく、システムのユーザーや企画職のメンバーと非常に近い距離で仕事ができます。

特に施策検討を進める中で確認しておきたい情報があれば、どんな職種の方にでもすぐに聞きにいけるありがたい環境にあります。

そうした環境のおかげで、前職では難しかった理想のQA業務が実現できています。例えば企画の段階でシステム仕様に関する質問をし、設計に入る前に検討が漏れている点を見つけたり、テストを開始する前に不具合を検出できたりといったことが可能になったんです。

入社したての頃は、テストの実行にしか関われないプロジェクトもいくつかありましたが、今ではほとんどのプロジェクトでQAエンジニアが企画の段階から入ることができるようになりました。

具体的な変化として、テスト実行による不具合の検出数が確実に減っています。開発の上流工程からサービスの品質向上に貢献している実感があって、とてもやりがいを感じます。

転職を通して、前職で悩んでいたことは全て解消できましたね。チームのメンバー全員がプロとしての意識を持って積極的に他職種と連携しているので、事業に対して踏み込んだQA業務をしている一体感も感じています。

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エムスリーキャリアで
理想のチームを作る新たな挑戦


――――自身が求めていた環境で仕事ができていると語る髙橋さん。現在は「品質保証(Quality Assurance)から品質支援(Quality Assistance)へ」をテーマに、様々なQA施策とチーム作りを進めています。その背景には、ユーザー視点のQA実現に向き合い続けた髙橋さんならではの哲学が貫かれていました。

髙橋:大前提としてシステムやサービスの品質は、品質保証の担当者だけでなく開発に関わる全ての人の課題だという意識を浸透させることが大事だと思っています。

市場に不具合が流出しないよう品質を維持する、ユーザーがより心地よく利用できるよう工夫することは全員の仕事だという考え方が浸透することで、会社全体として高品質のサービスを提供できるようになります。

そのために当社のQAチームは、「企画段階を含む全てのシステム開発プロセスで品質支援ができるチームになる」という方針を掲げています。

上流工程から品質支援ができれば、システム開発の進行と同時に品質を向上させ、実装完了のタイミングで既に高品質のシステムが完成します。

そうなれば最終工程でのテスト期間に大量の人員を割いたバグ抽出の必要はありません。テスト実行のコスト削減、期間短縮にもつながるので、高品質のサービスを素早く顧客に届けることができます。

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――――QAチームの方針を明確に語る髙橋さん。より良いチームを作るために、チームメンバー一人ひとりが目指す理想のQAエンジニア像についても聞きました。

今掲げている方針を実現するために、私の考える理想は「開発者と並走し、事業に寄り添い、事業の成長とともに学んでスキルを伸ばしていくQAエンジニア」になることです。

これからのQAエンジニアは、多様なスキルセットと幅広い職種の方との協業経験を持った人が活躍する世界になっていくと思いますし、現にそうなりつつあると感じています。しかし過去の私のように、そうしたスキルや経験を積むことが難しい環境もまだまだあるのではないでしょうか。

業界全体を見渡しても、QAエンジニアはまだまだ最終工程のテスト実行に忙殺される傾向にあると感じます。品質に関するクリエイティブな思考や高いスキルをどれだけ持っていても、自分たちの手の届かないところで低品質なシステム開発が進んでしまえば、不具合の市場流出は防ぎきれません。

また組織体制や契約などの壁に阻まれ、ユーザーのためにやるべきことができずに悩んでいるQAエンジニアは少なくないと思います。そういう方が本気で自分の仕事に誇りを持って楽しいと思える環境を、エムスリーキャリアのメンバーと一緒に作り上げたいと思っています。

現在当社ではテストベンダーは利用せず、全ての品質支援を自分たちの手で行っています。全社のサービス数からするとQAチームの人員はまだまだ少ないため、自主自立を基本としつつも、お互いの助け合いがなくては仕事が成立しません。そのため自発的に考え動くことだけでなく、一緒に働く仲間と協力し合いながら業務を進めていくことを大切にしています。

実際の業務では、企画からリリース後のユーザーサポートまで幅広く関わる機会が多くあります。特定領域にのみ携わりたいという方より、様々な業務に対して興味を持てる方が、よりフィットしやすいのではないかと思います。

私たちの考え方や業務に少しでも興味を持っていただけたらぜひ、面談や見学に来てほしいです。

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最後に


エムスリーキャリアでは、一緒に医療の人や組織の課題を解決に取り組んでいただけるQAエンジニアの方を積極募集しています。エムスリーキャリアで働くことに少しでも興味を持っていただけた方は、次の情報もぜひご覧ください。


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