【エッセイ】約束に振り回される人
「約束」が苦手だ。
小さなことでも、大きなことでも。
朝、決まった時間に起きる。
決まった時間に出社する。
決められた納期を守る。
私は逆算が苦手だ。
約束の時間には大抵遅れそうになって
バタバタと準備するのが日常で。
時間通りに、決まったことを。
なんでこんな世の中の人がみんな当たり前のようにできることが私にはできないんだろう。
もう生まれて26年。
自分の取り扱いは熟知しているつもりだ。
どうせバタバタするのを分かっているから
本当に遅れたらマズイ約束や締切は
本来のタイムリミットの数時間・数日前に
独自に設定してみたり。
「次の日の朝がんばったら間に合う」系は
どうせ朝は起きられないので、
徹夜してでもその日中に終わらせたり。
それでも、そんな小細工じゃあ
なんともならない約束事も発生するわけで。
1番苦手なのは
「自分で締切を設定しなければならない」とき。
今日、上司に尋ねられた。
「これ、いつまでにどれくらいできそう?」
うーーーん。
本当は一週間あれば余裕を持って取り掛れる。
でもそんなタイムスケジュールでは動けない案件。
一週間なんて言うのは許されないだろう……。
ぐるぐると脳内で考える。
それならば。
「今日中になんとか、、
5件、5件は最低でも終わらせます!」
言った直後に思った。
あ、これ、完全にミスったな…。
ーーーーー
その後、定時になり次々に先輩が帰っていく。
そんな中で1人ポツンと取り残される私。
それでも約束は守らなければならない。
言ってしまったのは私自身なので。
迷惑がかかることは避けたいところ。
結局、目処がついたのは
定時から大幅に遅れた23時のこと。
終わらせたよ…気合いで。
帰宅してテレビをつけるとほとんどニュース番組。
ゴールデン帯のドラマなんて
とっくに終了している時間だ。
新ドラマ、リアタイしたかった……。
そして、そんなテレビを観ながらぼんやり思う。
今日も逆算、できなかったなぁ。
約束って難しい。
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