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こころのお便所

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どうか暖かい目で
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#エッセイ

「パン屋」という着ぐるみ

私はいまパン屋でバイトしている。

パン屋と聞いて真っ先に想像するような
一軒家のオシャレなパン屋じゃなくて、

スーパーの一画に入ってるパン屋だ

白いコック服に黒い帽子を深くかぶって
作業をしていると

「パン屋さん」の着ぐるみを着ているような気分になる。

それがなんとなく楽だと感じてしまっていた

とある日
定時に上がったあと、スーパーで買い物をした。

レジにはいつも見かけるパートのおば

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キキに共感した25才

キキに共感した25才

皮膚科の待合室の一角の子どもスペースで
魔女の宅急便が流れてたので
遠くから鑑賞させてもらった。

そしてまさかの涙。

病院の待合室で大人がひとり、ジブリをみて泣いていた。

精神科じゃないですよ。

観るたびに新しいジブリ。すごすぎる。

大人になったのか、最近やたら涙脆い。
ついには病院の待合室でホロリしてしまう始末。

キキに親近感を感じた私、25才。

ちなみにキキは13才。

いや、子

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「後ろ通ります」

最近パン屋でバイトをしているんだけど、
少し前から高校生の女の子が学校の職業体験で来ている。

その学校というのは特別支援学校で
その子は発達障害なのだ。

舌足らずで幼くて、いい返事をする、ソフトボール部っぽい雰囲気の子

頑張って言われた作業をこなしているんだけど
時々出る謎行動にお局パートさんたちはけっこう疲れてる。

わかる。

何がわかるって
疲れてるお局パートさんの気持ちも分かる。

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エスプレッソの悲劇

私は10代のとき、
飲み物一杯で何時間もカフェに居座る人だった。

なんせケチである。
頼むのだっていつも300円ちょいのコーヒーだ。

カフェオレは頼まない。
理由は単純で、高いからである。

なんとかラテとか期間限定の甘いやつは
もってのほかで、
あれはデートで財布の紐がゆるんでるときに頼むやつだ。

とある日、
カフェ童貞らしき男子高校生が飲み物を頼んでいた。

数分後に出てきたのは
小人用

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