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Fritz Hansenのアントチェア 3本脚の椅子は格好いい 『服と暮らし』No.196

(引用元:https://www.fritzhansen.com/ja/

30代にさしかかる頃から家具にも携わる仕事を始めて、それから家具にいくぶんか興味が湧いてきました。ただ、日本の狭い住環境や賃貸であるがゆえの壁紙の”家っぽさ”、引っ越した時にサイズ感が合わなくなったらどうしようという思いもあってなかなか大きな家具を買うことに躊躇する気持ちもあるのですが、その点椅子は比較的ややこしいことを考えなくていいのでおすすめです。

〈Fritz Hansen〉のアントチェア(アリンコチェア)は1952年にアルネ・ヤコブセンによりデザインされたもの。以前に縁があって譲っていただいたものがあって、それからもう一脚同じものを買い足して家で使っています。
そういう経緯がなければ三本脚の椅子を買うことはなかったんじゃないだろうかとも思うのですが、きちんと理に適ったデザインで佇まいも良く、気に入っています。

(引用元:https://www.fritzhansen.com/ja/


それにしても、どうして三本脚の椅子って全然ないのだろう?と思って調べてみたんですが、どうやら物理的に三本脚はどんな床のコンディションでもがたつきが生まれない設計になっている(!)そうです。ですが今どきは床もきれいなフローリングになってきて、そうなるとやっぱり安定性のある四本脚の方が普及した、という理由が説としてあるそう。他にも三本脚は丸テーブルにきれいにおさまるように考えられたもの、という話なんかもありますが、色んな理由で「三本脚でも椅子としての機能は果たせる」から場合によってはそういう仕様もデザイナーの選択肢の中に入っていたということじゃないでしょうか。

(引用元:https://www.fritzhansen.com/ja/

アントチェアを気に入ってからというもの、三本脚の椅子を見るとやっぱり格好いいなぁとつい眺めてしまう。四本脚の椅子には出せないシュッとした雰囲気があるんですよね。ミッドセンチュリーの時代にデザインされたものをはじめ、現代でもいくつか見つけることができます。

ミッドセンチュリーの家具は素材や構造によって機能を芸術的な曲線によって活かされたシルエットが印象的で、これこそがクラシックなデザインなんだと思わされます。家具の歴史やデザインの変遷についてはまだまだ知識不足ではありますが、楽しみながら勉強していきたいと思います。



Fritz Hansen / ANT CHAIR ¥44,000-から


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次号のNo.197は6月24日(金)に更新予定です。

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