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【Q&A】気楽に人と関わるには?

Q

私は人と関わる際に、「相手に嫌われたらどうしよう」と思うことが多く、相手の表情や反応が気になって、気を使いすぎてしまいます。
また、相手に「嫌われているかもしれない」と思うと、怖くなって距離を置いてしまいます。
もっと気楽に人と関わるにはどうしたらいいでしょうか?

A

ご質問ありがとうございます。
メザニンで心理カウンセラーをしている幸村です。

人と関わる時に、お互いに思いやりや配慮を持ちながら、ある程度気配りをすることは、円滑な人間関係の大切なエッセンスになりますね。

ただ、必要以上に気を使って相手の反応ばかり気にしていると、言いたいことが言えなくなって我慢することが増えたり、その場を楽しむ事が難しくなったりと、人と関わるのが億劫になることがあるかもしれません。

あなたが人と関わりにくいと感じる背景には、「相手に嫌われたらどうしよう」「嫌われているかもしれない」という思いがあるのですね。

人は時に、「〇〇ならどうしよう」「〇〇かもしれない」と考えているうちに、マイナスな事ばかりが想起されるようになり、他の可能性を見逃してしまうことがあります。

そうしているうちに、仮定だった考えは、「きっと(絶対)〇〇だ」という信念に変わってしまい、自分の考えがまるで事実かのように感じられたりします。

このような「思い込み」の状態を抜け出すには、自分の思考はあくまで「自分が考えていること」であり、どこまでいっても「想像でしかない」という感覚を取り戻すことが大切です。

そのためのちょっとした工夫があります。
自分が苦しくなるような思考が浮かんだら、その思考に「〇〇と私は思った」と付け加えてみるという方法です。

例えば、Aさんの態度がいつもよりそっけないと感じたとします。
もしもそのときに「Aさんに嫌われているかもしれない」という思考が浮かんだら、これに「〇〇と私は思った」と付け加えて、「Aさんに嫌われているんじゃないか? と、私は思った」にしてみます。

なぜこんなことをするのでしょうか。

それは、このようにつぶやき直すことで、あなたの中に浮かんでくる思考と少し距離をとることができるからです。

もし、つぶやき直してみても、すぐにまた「でもやっぱりAさんに嫌われているのかもしれない」という思考が浮かんできたら、その思考にも「〇〇と私は思った」と付け加えてみてください。
「でも、やっぱりAさんに嫌われているんじゃないか? と私は思った」というふうに。

思考が浮かぶごとに、繰り返していきます。
思い込みによって狭まっていた視野が広がり、本当にそうなのかな? と自分の思考に対して良い意味で疑いを持ち、もう一度今ここで起きていることを客観的に見渡すことができるようになっていきます。

自分が考えていることは、あくまで自分の思考・想像であり、事実ではないという感覚が少しずつ育まれていきます。

例えば先ほどの例でいうと、そっけないと感じたAさんに対し、「でも、Aさんは最近忙しそうだったし、残業続きで疲れているのかも」など、他の視点から状況を見ることができるようになるかもしれません。

このようにして、思い込みや想像の世界から抜け出し、客観的な視点を持つことができるようになると、人との関わりがラクになっていきます。

今回お伝えしたことは、あくまでちょっとした工夫になります。
自分自身の思い込みや人間関係について、もうすこし深く見つめて根本的に改善したい場合は、心理カウンセリングの中で一緒に取り組むことができます。
お気軽にご相談くださいね。

あなたが少しずつラクに人と関わっていけるようになることを願っています。


回答:幸村 奈未子
編集:メザニン広報室

幸村 奈未子
公認心理師として、心理学講座講師、対面カウンセリング、電話相談、SNS相談等に従事し、様々な背景をお持ちの方のお悩みに寄り添ってきた。また、感受性が強く敏感な気質(HSP)の方へ向けて、心のケアのためのセミナーや、気持ちを分かち合う場を提供している。

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