【DUNE デューン砂の惑星】~小話スパイスを添えて~後編
【DUNE デューン砂の惑星】~小話スパイスを添えて~前編。の続きです。
初代『DUNE』だけでなく、この人が作っていたら違ったものになっていたんだろうなっていうものは歴史を辿るとたくさんあると思います。
例えば、アメリカの有名な起業家イーロン・マスクの会社『Tesla, Inc.』の名前の基となった発明家ニコラ・テスラ(Nikola Tesla)。
テスラはアメリカに渡り最初エジソンのもとで技師として働きます。
1880年後半のアメリカは電力事業黎明期で、テスラはエジソンとウェスティングハウスの電流戦争に巻き込まれ、彼の才能は存分に発揮できませんでした。
最終的にウェスティングハウスに取り込まれ、その後も様々な発明をしますが、生涯を通してその才能に見合った見返りや達成感といったものを彼が得られた形跡が少ないと感じてしまいます。
彼の才能が存分に発揮されていたら現代にどんな影響を与えていたのだろう、と思いを馳せるのと、初代『DUNE』の映画監督の変更についても少しだけ似た気持ちにさせられます。
4. 初代『DUNE』の映画監督は〇〇に本当はなるはずだった
1984年に公開された初代『DUNE』はデイビッド・リンチ監督によって制作されましたが、実はアレハンドロ・ホドロフスキー(Alejandro Jodorowsky Prullansky)が1975年から温めに温めた渾身の映画化案がありました。
ホドロフスキーの渾身の映画化案や絵コンテは、その後制作されるSF映画に多大な影響を与えています。
ドキュメンタリー映画『ホドロフスキーのDUNE』で語られているように、ハリウッドの映画業界は入魂するホドロフスキーをなぜ恐れ拒絶したのか。
どのようなプロセスや厳密な判断基準でホドロフスキーのDUNEは中止となったのか。
果たして、そこに厳密な判断基準などあったのか。
その点は今も迷宮入りのままです。
創作活動を行う立場の人、創作活動を取り巻く環境にいる立場の人、それぞれに、規模が大きくなる程、商業的にだけではなく社会的にも様々な観点でレスポンシビリティが発生します。
しかし、立場が異なるために果たすべきレスポンシビリティにズレが生じるケースが多々あります。
このズレの幅を少しでも無くすために共通のパーパスを見出す必要があり、それを北極星として目印に、嵐の中を突き進むことに努めた人たちの創作物が、今もなお世の中に胸を打つ傑作として私たちの心を震わせているのでしょう。
5. 新作『DUNE』の映画監督の作品
新作DUNEの監督は、新進気鋭の映画監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ(Denis Villeneuve)です。
個人的な意見として、ヴィルヌーヴ監督の作品は好きです◎
最新の撮影手法が追究され、とても美しく撮られています。
BBCのニュースで公表された新作『DUNE』のレーティングは5点満点中4点と、かなり高評価のようです。
また、2017年に公開されたヴィルヌーヴ監督映画ブレードランナー2049(Blade Runner 2049)も、初代Blade Runnerは1982年に公開されており、初代DUNEと同年代の作品の新作映画です。
さらに、2016年に公開されたメッセージ(Arrival)は、SF映画の作品の中でも割と抽象的に描かれていますが、面白い切り口で未確認生物との接触が試みられていて新しいなと思いました。
6. 日本のSF作品
個人的に日本のSF映画(実写)に感じるのは、ホラーの要素や怪物の要素が多く含まれている作品が多いと感じます(怪物系の作品のほとんどはゴジラですが)。
あとは、全体的に実写のSF映画の数は少なく、アニメで表現されているケースが多いのではないかと思います。
日本のSF映画にホラーの要素が多い理由としては、グローバルでヒットしたホラー作品の成功体験から来ているのかなと感じます。
リングやバトルロワイアルなど一斉を風靡しましたよね。
小さい頃は毎年夏の時期になると怖い話特集や怪談話などがテレビでよく放送されていたのが懐かしい。
こういったホラーの要素が多い日本のSF映画の中でも、独自の色を持つこの二作品が私のおすすめです◎
1. AKIRA(アキラ)
本当はもっとちゃんと解説するべきことがたくさんありますが、やっぱりAKIRAの走り屋(暴走族)× SFの世界観は独特だし、音楽や映像も凝りすぎてて本当脱帽って感じです。本当にかっこいいです。
実際に相当な予算と労力が注ぎ込まれていて、どこかでその凄さはちゃんと解説したいです(二回言う)。
2. PAPURIKA(パプリカ)
世界最古の映画機関の一つである英国映画協会(BFI)が選択した、「1925年から2020年までの年代別傑作日本映画」にて選ばれた数少ないアニメ作品の中で、1988年度の『AKIRA』や2001年度の『千と千尋の神隠し』などと共に、2006年度の傑作日本映画として選ばれている作品です。
そして、よく議論になっていましたが、2010年公開のSF映画インセプション(Inception)がかなりPAPURIKAに似ていると言われていました。
確かに、見比べてみると似ている。。
いかがでしたでしょう。
10月に日本で新作『DUNE』が公開されるまでまだ時間はあります!
ぜひ、新作『DUNE』を最大限味わうためにちょこっと周辺情報をおさらいして映画を観るともっと楽しめますよ◎
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