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[第十八話]教育実習生。

私が怪我で弓が引けない間に、教育実習生が来ました。
弓道部OGの先輩。
この先輩もまた、T監督の指導を受け、全国大会に出場した先輩です。(以後OGS先輩)
確か以前に他のOBやOGの先輩と遊びには来ていたので、お話こそした事はなかったけれど、面識はありました。

OGS先輩が着任して、初めの1週間か2週間は、弓が持てず。
弓が持てる様になったら、手の内が狂うのはとても嫌でしたが、テーピングを分厚く巻いて、1日ほんの数本だけでも、的前に立つ様にしました。(先生はあまりいい顔していませんでしたが)

そんなある日、的前から履けて来ると、OGS先輩は、私に話かけてきました。

OGS先輩「口割くちわり※が低いね。ずっと見ていたんだけど、口割が合っているものは全部中っているよ。もう一回、一緒に的前入ろっか。」
口割くちわりとは:弓を引き切った時の矢の高さ。会の時は、矢を口の高さで止めて伸び合うのが基本。

あまり無理ができなかったので、その日の的前練習は終わって、紐練習をしようと思っていたところでしたが。
折角、OGS先輩に見てもらえるので、2本矢を持ち、もう一度的前へ。

OGS先輩「そこで、止めて。」

矢が口割に来たところで声をかけてもらい、会に入る。
すると、矢が的に当たりました。
もう一本。
これも中った。

OGS先輩「やっぱり口割だよ。口割まで来たら、しっかり伸び合う。大丈夫。ちゃんと中るよ。」

その日から、教育実習が終わるまで、OGS先輩は、ほとんど私に付きっきりで、射を見てくれました。

会に関する事をよく指摘されましたが、OGS先輩と練習する様になってから、怪我のせいで矢数こそ、ほとんどかけられなかったものの、的中率は大きく上がりました。

その頃、他のチームメイトの的中も安定、向上してきており、チームとしての的中も徐々に上がっていき、20射12中を切る事はあまりなくなってきました。
確かその頃は20射12〜16中が安定。
県総体、インターハイが見えて来る的中数です。

とってもいい感じ。




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