お金もらっておいて「報道しない自由」は許されるのかな
年末から,ネットで大きな話題となっているある事件をいくつかのメディアで追っています。
幾つかというのは,TwitterとYouTubeだけです。
新聞やテレビ,ネットニュースでは全く出てこないからです。
ある一般社団法人の、都の助成金の使い方に不明瞭なことがあるとして話題になっているものです。
この一般社団法人が行なっていることはとても大切なことなのですが,そのやり方に,疑義が出ているわけですね。
やってることは大事なことなのに,お金の使い方がなんだかおかしいよ、都はちゃんと監査して助成しているの?という疑義です。
Twitterの民たちの能力はものすごいものがあり,毎日のように新事実が挙げられてきました。
話は東京都民の税金にかかわる話から,今や日本全体の公金の使われ方に関する話に肥大化し,政党との関わりにまで及んできています。
まさにマスコミにとっては美味しいネタのはずです。
何ヶ月にもわたって次々と新事実が投下され続けているのですから,そして内容は「巨悪」というマスコミの好きそうなものですから,それは毎日笑いが止まらないはず。
ネットニュースには毎日何十本の記事が挙げられ,そのPV数だけでもどれだけ稼げるかわかりません。
ところが、全くテレビや新聞、ネットニュースで報道されていないのです。
今年になってからようやくポツポツと紙面に載るようになりましたが,テレビでは全く報道されません。
BSで一度放送されましたが,核心に触れようとしたことで強制的に話が打ち切りになり、CMが入って,後は何もなかったように次の話題になったことは,大きな話題となりました。
なんと大臣の発言中にです。(これについては,打ち切ったわけじゃないという、報道現場経験のある人からの意見もあり,真相は分かりません)
しかし,情報を新聞やテレビからしか得ていない人には,何もないのと同じです。
あれだけ大きな問題になっているのに新聞やテレビが全く触れないことは、「報道しない自由」と言う言葉で揶揄されています。
僕は,「報道する自由」と同時に「報道しない自由」があるのかと思っていました。
報道する自由は当然大切です。
ファクトを伝えることで世の中の人に判断材料を増やすからです。
しかし、報道しない自由というのは恣意的に世の中の事実を捻じ曲げることになるから、そんな自由はいかがなものかなーと思っていました。
だって、目の前で起きているのに無かったことにされてしまうからです。
報道しない自由が許されるのなら,我々は,新聞代を払って,受信料を払って,情報弱者にされてしまうことになります。
現象はまさにそうなりつつあり,テレビと新聞しか見ない人には、今の世の動きは分かりません。
これは怖いことだな,と結構モヤモヤとしていました。
恥ずかしながら,今回初めて「報道しない自由」という言葉を調べてみたら,思わぬことに。
出典は、1995年樋口陽一 『講座・憲法学』 別巻にあるとのこと。
「報道の自由」とは、そんな自由が保障されているよ,という事ではなく、僕が感じていたモヤモヤのような危険性を表す言葉でした。
恥ずかしながら,今知りました。
ほぼ全ての報道機関が全く報道しないことは,これは問題視されて然るべきだと思います。
TwitterでとYouTubeであれだけ可視化されているのに、そして「それが本当であるなら」結構やばい状況であるのに、それを報道しない、つまりないことにしているのならば、ジャーナリズムの資格はないのではないかと思います。
政治活動や政党がらみにまでほじくり返されてきているので、とても放送できないのでしょう。少なくともそう勘繰ってしまいます。
通常国会が始まりました。
1月27日の昨日、維新の会が代表質問でこのことを取り上げ,直接総理の口からそれを問題として把握していることが述べられました。
国会で取り上げられるまでになっても、まだ報道されないのなら,僕らはいよいよ危ない状況に置かれていると言えるのではないかと思います。
この質問の時,ある政党が激しくヤジを飛ばしたのだそうです。
「本会議でやることか!品がない」というヤジだったそうです。
質問主意書を出した議員のブログで紹介さ、可視化されました。
この問題に触れてほしくない政党のようです。まさに関係性がほじくり返されている政党でした。
日本の報道、マジでこれでいいのか。
そう思います。
新聞代や受信料など、お金をもらっておいて,重要なことは伝えずどうでもいいことばかりやるのなら、お金を払いたくないなと思います。
詳しい解説はどこかに任せてもいいので、少なくとも事実を公平に報道してもらいたいなと思います。
もう、「実際に起きていてもテレビや新聞が報道しないことによって無かったことにできる」という時代は終わっているんです。
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