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アサヒグループホールディングスHR部⾨のお⼆⽅が感じた、ダイバーシティ推進⽀援×次世代リーダーシップ育成プログラム「Lifeworks」の価値

「社内研修が会社からの押しつけになっていないか⼼配」「能動的な⼈材を育成したいが、会社主導でリーダーシップ研修をやることに⽭盾を感じている」

LYL(リール)では⽇々、多様な⼈材が活躍することを⽬指している企業の経営者や⼈事の⽅から、⼈材育成に対してこのような悩みをよくお聞きします。

そうしたお悩みを解決すべく、LYLでは、参加者が⾃分事として研修の機会を捉え、⾃分⾃⾝のスタイルに合ったリーダーシップを育んでいただくプログラム「Lifeworks」を提供しています。

Lifeworks
1on1コーチングやワークショップを実施し、「Self / Family / Career」の多⾯的な視点から社員個⼈が⼤切にしているストーリーを明らかに。そこから周囲の⼈を巻き込んだチャレンジを創出し、組織の持続的な成⻑につなげます。企業の組織課題に沿って設計する、オリジナルのプログラムです。

そのLifeworksを2022年4⽉より導⼊いただいたのが、アサヒグループホールディングス様(以下、アサヒグループ)です。

今回のnoteでは、約7ヵ⽉のプログラムを終えたタイミングで、HR部⾨の⼭岡様と河⼝様へインタビュー。おふたりには、Lifeworks導⼊前に期待していたことや、プログラムを終えて実感されたことなどをお聞きしました。

▲アサヒグループホールディングスHR部⾨ Acting Head ⼭岡様(左)、Senior Manager 河⼝様(右)

会社の期待と、個⼈のキャリア観。その間に⼤きなギャップを感じていた

——LYLのプログラムである「Lifeworks」を導⼊いただいた経緯を教えてください。

河⼝:現在アサヒグループでは、国内外で次世代や次々世代の経営者を育成する⽬的で、各世代で経営者育成研修を実施しております。今回は、20~30代の社員向けの階層に参加した社員に対するフォローアップ施策として、LYLさんにご協力いただきました。

——なぜ20〜30代の対象者にLifeworksを受けてほしいと思ったのでしょう。

河⼝:Lifeworksを導⼊する少し前、約6ヶ⽉にわたって経営者育成の研修を実施していました。研修に参加してもらったのは、志を持って新卒⼊社をし、5〜6年会社に全⼒投球してきた次世代のリーダー候補たち。

そんな社員とのコミュニケーションの中で「結婚や⼦育て、さらには介護などのライフイベントが今後起こりうる中で、どのようにキャリアを考えれば良いんだろう」「転勤や部署異動がいつでも起こりうる状況で、仕事と⽣活をどう両⽴させよう」という悩みはよく出ていました。

今までは社内のエグゼクティブ層のみにコーチングをやっていたのですが、この世代の社員にも、⼀度⽴ち⽌まって⾃分の⼈⽣を振り返ってみてほしい。さらに今後何をしたいのか考えたりする機会にしてほしいと思い、研修後のフォローアップ施策としてLifeworksの導⼊を社内に提案しました。

⼭岡:社会⼈5〜10年⽬は、キャリアの悩みが押し寄せてくる「第1波」の時期。これまでは⽬の前の仕事に対してがむしゃらに働いていたけれど、⾃分の中に余裕が⽣まれていろんなことが⾒えるようになると、今のままで⼤丈夫なのか漠然と⼼配になるものなのだと思います。

その不安は⾃⼰研鑽で解消されるのか、誰かに相談すべきなのか、環境を変えたほうが良いのか、いろんな考えが交錯する時期だと思います。そのため、今後を⾒据え、⾃分がどうしていきたいのか、思考を整理するタイミングとしてLifeworksを活⽤してもらうのは良い選択肢だと思いました。

——ライフイベントをこれから迎える⽅や、その真っただ中にいる社員に対して、何らかのサポートが必要だということでLifeworksを導⼊されたんですね。

⼭岡:そうですね、彼⼥たちにとって実りある時間にしてほしいと思っていました。

また、わたしたちアサヒグループとしては、社員⼀⼈ひとりが⾃分らしく⾃由に輝くという「DE&Iステートメント」と、DE&Iはどういうことを実現したいのか、社員が考えた「shine AS YOU ARE」を掲げ、すべての⼈が職場、家庭、公共の場で⾃分らしく表現し、⾃由に輝くことを応援していきたいと考えています。その取り組みを推進するうえで、LYLさんにご協⼒いただきました。

もともとアサヒグループの多くの社員は、ジョブローテーションによってさまざまな部署で経験を重ねながら、キャリアを形成していました。

しかし、会社が寄せる期待と、個⼈のキャリア観とのギャップは年々⼤きくなっているようでした。この背景には、コロナ禍による働き⽅の変化、会社と個⼈の関係性の変化などがあると思います。たとえば、在宅勤務がメインの社員もいるので、彼らは以前と⽐べて上司や同僚、部下とのコミュニケーション量が少なく、関係構築の幅も狭くなってしまいます。そのため会社と個⼈ともに、上下・横の繋がりを創り、強化することを意識して取り組む必要があります。

また、これまでの⼈材マネジメントでは、毎年4⽉に新卒社員が⼀⻫に⼊社
し、⼈事主導で部署を振り分けていました。主導権が⼈事にあるわけですから、毎年9⽉の⼈事異動の時期になると、社員は「次はどこの部署に配属“される”んだろう」と良くも悪くもソワソワする。

このように会社主導のキャリア形成を続けていると、個⼈主導でキャリアを創ろうとするマインド(キャリアオーナーシップ)が育ちません。働き⽅や職場の上司・同僚・部下の関わり⽅が変化する中で、⾃⾝で仕事におけるワクワクを⾒つけ、周囲を巻き込みながら⾃⾛する⼈材を育成していく⼈材マネジメントへと考えている転換期に、Lifeworksがフィットすると感じて導⼊を決めました。

プログラム設計段階で、コーチングをお試し

——河⼝さんは、事前にコーチングを体験されたんですよね。

河⼝:そうですね。LYL代表の⼩⼭さんがコーチでした。

ほかのコーチング会社さんと違って特徴的だったのが、絵と⽂字で表現するグラフィックレコーディング(グラレコ)で最終アウトプットをまとめていただく点です。

研修やコーチングの記録って、そのときは⼀⽣懸命メモしても、あまり⾒返す機会はないんですよね。ですが、話したことを1枚の絵として記録できると、⾒返しやすいだけでなく、⽂字とはまた違った捉え⽅ができるだろうなと思いました。

誰かに⾃分の未来像について話すときも、テキストを渡すよりイラストを⾒せながら話をした⽅が伝わりやすいですよね。

▲制作:グラフィックレコーダーまりん

河⼝:また、事前の打ち合わせではコーチング体験と合わせて、プログラムにご協⼒いただくコーチの⽅も紹介いただきました。

皆さんコーチング⼀筋というわけではなく、多様なバックグラウンドをお持ちなのが印象的でした。今回Lifeworksに参加した5名も、社内のさまざま部署で多様な経験をしてきているので、⼀⼈ひとりに適したコーチを選んでいただいたんだろうなと、プログラムを⼀緒に設計している段階で感じました。

Lifeworksの効果①:プログラム参加者らしいライフ×キャリアプランのシェア

——最終ワークショップでは、参加者からプログラムで得た気づきや変化などをお聞きしたと思いますが、いかがでしたか。

⼭岡:まず、彼⼥たちがコーチングを経て得た気づきや本⾳、将来ありたい姿を知ることができたのは⼈事として⼤きな成果だと思っています。特に、「挑戦」という⾔葉を⽤いて話していたり、⾃分から周りへ働きかけるような未来を描いたりする参加者が多かったのが印象的でした。

DE&Iの取り組みでは、ジェンダーにフォーカスした「2030年までに経営層の女性比率を40%以上とする」という数値目標も掲げていますが、そういう会社の期待がちらついてると、あのようなグラレコにはならなかったと思っています。

彼⼥たちが⾃⾝のペースで将来を描けたのは、LYLさんの「仕事⾯だけでなく⼈⽣全体に焦点を当て、個⼈が⼤切にしてきたこと、これからも⼤切にしたいことを浮き彫りにする」というアプローチがマッチしたこと。さらには、会社からのプレッシャーを感じさせないよう、コーチの皆さんにセッションを⼀任したからこそ、彼⼥たちの素直な声が聞けたのだと思います。

皆さんがすごく⼼地良く背伸びをしているような、⾃然な未来を描いているのだと本⼈たちからの発表の中で感じました。

また、ワークショップの中で⾃⼰開⽰をすることによって新しく⾒えた景⾊や気づきもあったように思います。

他の⼈からのコメントや質問を通してより深掘りして考えたり、⾃分が⼤切にしたいことは何なのかと思考を整理したり。⾃分の思い描く未来を他者に共有することで、より将来が楽しみになる、みんな違ってみんな良いと思える雰囲気があった点が良かったと感じています。

▲最終ワークショップの様⼦

河⼝:わたしも最終ワークショップに参加しましたが、プログラム参加者の皆さんが⾃分の中で納得している様⼦が伝わりました。

数年前の話ですが、会社が考えるロールモデルの⽅に講演してもらったり、モチベーショングラフを書いてもらったりするような、⼥性向けの研修をしたことがありました。そのときに参加者から「この研修って、あなたたちは管理職になってね、っていう会社からのメッセージですよね」と⾔われたんです。

あのときは会社主導の研修で、本⾳を出せる環境じゃなかったんだろうなとずっと後悔していました。⼀⽅、今回は、彼⼥たちが「⼀⼈ひとり違って⼤丈夫なんだ」「無理にロールモデルを探そうとしなくて良いんだ」と思えている様⼦でした。

「“⾃分”でいること」「家族が基盤」などのキーワードがグラレコにあって、「同じ悩みを共有する仲間ができた」「社内で新たなつながりを⽣み出したい」というポジティブな発⾔も聞けました。

今後、参加者の皆さんが管理職やリーダーという⽴場になるかどうかはさておき、⾝近な⼈へ影響を与える、起点となる存在になるのではないかと思っています。

Lifeworksの効果②:参加者が起点となり、既存のつながりが強化され、新たな関係性が構築される

——プログラム導⼊によって、個⼈の意識変容に加えて期待していたことはありましたか︖

河⼝:新たなネットワークの構築や既存のつながりの強化など、周囲に与える変化も期待していました。

これらを期待していた背景には、DE&Iステートメントのコアメッセージである「shine AS YOU ARE」という価値観があります。この⾔葉には、⾃分らしく輝いてほしいという意味が込められており、わたしたちHR部⾨では制度や仕組みを⾒直す際に意識しています。

ただ「shine AS YOU ARE」というのは、⾃⼰完結するものではないと思っています。

⾃分らしさを実現するために、誰に協⼒してもらう必要があるのか、どんな関わり⽅が⼤切なのか。⾃⾝を振り返ることは、他者とのコミュニケーションを考え直すことにもつながると思ったので、周囲との関係性にも変化が起きるのではないかと考えました。

——実際に変化は起きているのでしょうか。

河口:彼⼥たちの話を聞いていると「協⼒者を探す」ワークや、上司・参加者・コーチの3⼈が集まる2on1から、意識や⾏動に⼤きな変化があったようです。

⼭岡:たとえば、上司を評価者と捉えていた⽅は、コーチングを通じて協⼒者と捉え直せたことで、上司とのコミュニケーション量が機会が増えたと⾔います。

ほかにも、プログラム参加前は「叶えられそうもないことは⼝にしない」「これと⾔って準備をしていないから、やりたいことを公にできない」と⾔う参加者が多かったんです。

ですが、プログラムを通して「叶う、叶わないの0か100で⾏動しないよりは、⾃分が何をやりたいのか、周囲とどういう関係を築いていったらいいのを考え、⼀歩踏み出すことの⽅が重要なんだ」と参加者が⾃ら気づく。

そして、「まだ経験はしたことがないけど今後チャレンジしてみたいことを、次のキャリア⾯談で上司へ伝えてみよう!」「将来の⼦育てと仕事の両⽴についてパートナーと話してみよう」など、周囲を巻き込んだ⾏動が実践されていた印象があります。

また、「もしかしたら⾃分が描いた夢が今後変わるかもしれない。どうなるかはわからなくても、今はこれがベストだし、良しとしよう!」と割り切れる考え⽅も⾃⾝の中で持てたことで、そのマインドを原動⼒に新しいことに チャレンジするきっかけにもなったのではないかなと思います。

周囲とビジョンを共創することの良さを実感でき、今までは深く関わりを持てていなかった他の社員へ⾃ら進んでコミュニケーションをするようになったり、上司との関わり⽅が変わったりした⽅もいると聞いています。Lifeworks導⼊後の7ヵ⽉間で、参加者と周囲の関係性に確実に変化が起きています。

Lifeworksの効果③:HR部⾨のおふたりに起きた変化

——アサヒグループ様にとって、LYLはどんな存在になっているでしょうか。

河⼝:プログラム参加者だけでなく、組織全体にコーチングをしていただいた感覚でした。どんな⼈材を育成したいのか、どんな企業⾵⼟が理想なのか、改めて考え直すことができています。

また、個⼈的には、このプログラムを機に参加者の⽅との接点が深まったことが良かった点のひとつですね。⼀緒にご飯を⾷べながら似た悩みを相談し合えるほど、貴重なつながりを持つことができました。

⼭岡:これを機に、会社主導の⼈事管理に対して、より⼀層危機感を抱くようになりました。

繰り返しになりますが、我々のような⽇本企業は、従来から社員⼀括で新卒で採⽤して、ある程度会社主導で社員のキャリアを”作ってしまっていた”ように思います。多くの⽇本企業もそういった従来の⼈材マネジメントを変える、転換期に来ていると感じます。

Z世代が⼊社しキャリアチェンジは当たり前な世の中で、従来よりもエンゲージメントは上がらず離職率は⾼まっていく。そんな変化の時代に個のキャリア形成と会社の成⻑を両⽴させるためにどうすればよいのか。会社が個⼈のキャリアを決めていくスタイルを、考え直さねばならない過渡期にあると思っています。

個⼈の変化は、いずれ組織全体へ伝播する

——最後に、LYLのプログラムはどんな企業におすすめできるでしょうか。

⼭岡:社員個⼈が⾃分らしさを発揮し、⾃然と主体的に動けるようになる。そんな企業⽂化を構築したい企業にとって、良いきっかけになると思います。

アサヒグループでも、2019年より従来の経営理念を刷新し、会社と個⼈の成⻑を両⽴する企業⾵⼟の醸成を重視するようになりました。⼤きな変⾰の時期に、会社と個⼈がフラットな関係性になれるようさまざまなことに取り組んでいます。今後もアサヒグループは多様な価値観を持つ社員から選ばれるダイバーシティ企業を⽬指していきます。

そうした変⾰期のパートナーとして、LYLさんがいてくれることの安⼼感は⼤きいですね。LYLのプログラムは社員個⼈にフォーカスするため、⼀⾒遠回りに思えるかもしれませんが、実はそんなことはありません。個⼈の変化が周りに伝播することで、会社全体の発展につながると考えています。


LYL(リール)は、コーチング×コンサルティングで個⼈と組織の両⽅から、企業課題の解決をサポートしています。D&I推進、⼥性活躍推進、リーダー育成、ウェルネスのお悩みをお持ちの企業様はぜひLYLへ。詳しくはHPをご覧ください。


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