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春の海

よく晴れた日、お弁当を持って車で10分程の海浜公園へ行った。息子のリクエストだ。

芝生の広場にビニールシートを広げ、お弁当にする。シートはお姉ちゃんがリュックに用意してくれた。

ウインナー、卵焼き、スナップエンドウ、プチトマト、のり巻きおむすび。


あっという間にたいらげて、姉弟は海辺に向かって走り出す。

波打ち際、波がとても静かだ。
姉弟は、波がちょうど届くか届かないかの所に穴を掘る。熱心に。

足を海水に浸けたいと言うので、足先だけの約束。まだまだ水が冷たい。

見渡すと、ずっと向こうに小学校高学年くらいだろうか、子供数人と大人が海辺にいるのが見える。反対側をみると、釣竿を持った男性らしき2人組の姿。


姉弟、よく笑う。
裸足であっちに走ったり、こっちに走ったり。

海に向かって小石を投げる。私も平べったい石を飛ばしてみようと試みるが、何度やってもポチョン。


気に入った石を集める。お姉ちゃんはお日さまにキラキラ光る石をキレイと集める。


貝殻を拾う。打ち寄せた海藻の下にたくさん落ちていることを発見。海草を捲って貝を拾う競争になる。




そのうち息子が、砂の表面が5ミリくらいの厚みで緩く固まり繋がっていること気がついた。
指先でそっと剥がすと塊のまま手に取ることができる。砂の粘土のもっと脆いような、失敗したバター多めのクッキーのような感じ。
「なんで(固まっているん)だろうね~」と、手の中で砂が砕ける感覚が気持ちいい様子。何度も砕いてバケツに入れる。




そろそろ帰ろうと声をかけて移動をし始めるが、小山になっている斜面を勢いよく走って転げる、を繰り返し大笑い。砂まみれ。



車に戻る手前、遊具でも遊んで5時の音楽が聞こえてくる。

もう帰ろうと促し、砂を払って、なんとか車に乗り帰宅。

「春の海」とタイトルをつけて、俳句が出てきそうで思い出せない。なんだったか。

後日調べてみた。


はるのうみ  ひねもすのたり のたりかな(与謝蕪村)
                                                           *ひねもす:1日中


陽気に包まれ穏やかに晴れた空と、静かに繰り返す波を思い出した。



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