香りで感情や世界観を表現。イチから香りをつくる調香師の仕事
「調香師」という職業を聞いたことはあるでしょうか。
クライアントから提示されたテーマをもとに、空間や人にぴったりの香りをイチからつくる仕事です。
五感のひとつである「嗅覚」。香りによって、空間・人・ブランドイメージなどの印象が大きく変わってしまうため、ビジネスの場においても重要な役割を担います。
クリエイターや起業家・マーケター向けコミュニティ「lyf Creators' Lab(ライフ・クリエイターズ・ラボ)」には、フリーランスの調香師として活動しているメンバーがいます。
全国各地で、香りの空間演出やセミナーなどを行なってるオーキさん。ホテル好きなこともあり、ソーシャル & ライフスタイルホテル「lyf」を拠点に活動するコミュニティに興味を持ったそう。
調香師として働くオーキさんに、知られざる調香師の仕事や、これから実現したいことをお伺いしました。
💐オーキ/調香師
東京都在住のフリーランス調香師・フレグランスコーディネーター。香水・お香などの調香、香りの空間演出、香りに関するセミナー・WSなどを実施している。スーツケース1つで全国にて活動中。副業で、パーソナルトレーナー/メンタルトレーナーもしている。
X:https://twitter.com/ohkitokaori
Instagram:https://www.instagram.com/o_kino_always
香りだけで世界観を伝える、調香師の仕事とやりがい
── 現在のお仕事を教えてください。
現在は調香師、フレグランスコーディネーター、パフュームスタイリストの3つの領域で活動しています。
まず調香師は、香りをイチからつくる仕事です。主に空間演出で使用するブレンドオイルやインセンス(お香)、香水の作成を手がけています。
次にフレグランスコーディネーターは、香りによる空間を演出します。内装やインテリアなどの雰囲気に合わせて、その場に適した香りを選ぶ仕事です。
最後のパフュームスタイリストは、香水バージョンのコーディネーターと考えてください。魅せ方、ブランディングイメージ、雰囲気などをお客さまへヒアリングし、その人の魅力を最大限に引き出す香りのご提案をしています。
── お仕事のどんなところにやりがいを感じますか?
大きく2つあります。1つ目は、「第三者にイメージや世界観がきちんと伝わったとき」です。例えばクライアントが運営するホテルの香りのテーマが「高級感があるけどお高くとまっていない香り」だったとしましょう。
テーマをもとに私が手がけた香りに対して、ホテルに来たお客さまから「高級感は感じるけど、どこか親しみやすさもある香りだね」という声があったとクライアントから聞いたときはやりがいを感じますね。
「きちんと相手が求めるものを提供できた!」と嬉しい気持ちでいっぱいになります。
2つ目は、「香りの力で目標達成できたと報告をもらうとき」です。
私がお客さまに対して香りのスタイリングや創作をするとき、好みやテーマだけではなく、なりたい理想の姿もお聞きします。その理想をもとに香りを選び、お客さまがなりたい姿と香りを結びつけるというコーチングの要素を盛り込んでいるんです。
だから時間が経ったころ、「本当に達成しました!」というご連絡をいただくことが多くて。香りの力が誰かの人生を好転させるきっかけになったと知ったときは、やりがいを感じますね。
── お仕事をするうえでのマイルールやこだわりはありますか?
「真っ白になってお客さまの話を聞くこと」と「直感を信じること」ですね。
真っ白になって話を聞くというのは、自分のバイアスができるだけ入らないよう相手の話を聞くという意味です。
例えば「爽やか」という言葉でも、自分と相手のイメージに相違点があります。香りも同じで、柑橘系の爽やかやハーブ系の爽やかなど、選択肢は様々です。
人間は自分の見たい世界でしか物事を見れないということを念頭に入れたうえで、できる限り相手の立場に立てるように意識しています。
また、直感も大事にしています。「この人の香りのイメージはこれかな」「この空間はラベンダーとライム使いたいな」といったふうに、直感的にイメージが降りてきます。
自分の経験上、直感に従った香りは気に入っていただけることが多いので直感は疑わないようにしていますね。感性も仕事の一部なので、知識だけでなく、感覚的な部分も大切にしていきたいと考えています。
“ワクワク感”を香りで演出。「香りと音を楽しむホテル」をつくりたい
── プライベートでハマっていることを教えてください。
仕事の延長線の趣味も多く、「植物の香りを嗅ぐこと」や「古典香水の収集」が趣味です。読書も好きで、香りに関する本や心理学に関する本をよく読んでいますね。
あとトーストやオムレツ作りにハマっています(笑)。シンプルですが、極めると最高に美味しくなるというの職人っぽいところが個人的にとてもおもしろいと感じています。
── 最近あった印象的な出来事を教えてください!
「仕事のやりがい」の内容にもつながりますが、空間用の香りを納品した時の出来事です。
クライアントから「アトラクションに乗る前の乗り場の香り。ワクワク感のある香り」という依頼を受け、香りを納品しました。
後日、お客さまから「ディズニーランドのスペースマウンテンに乗る時を思い出した」とのお声をいただいたと聞いたときはとても嬉しく、印象に残っています。
── 将来、目指していることがあれば教えてください。
小規模でいいので「香りと音を楽しむホテル」をやりたいとずっと思っています。
香りと一言でいっても香水、アロマ、お香など香りの形もいろいろあれば、お酒、料理、ハーブティーなど香り自体の選択肢もたくさんあります。
それらを組み合わせて、楽しめる空間をつくりたいと思っています。
様々なクリエイターが集う場だからこそできる!アートと香りのコラボレーション
── lyf Creators' Labに入ろうと思ったきっかけを教えてください。
私自身がホテル好きなので、おしゃれなホテルを拠点にしていることはきっかけのひとつです。また他にないコンセプトを掲げていて、おもしろそうなコミュニティだなと直感的に感じました。
デザイナー、フォトグラファーなどジャンル特化型のコミュニティならよく聞きますが、様々なジャンルのクリエイターが集まるコミュニティは聞いたことがなくて。
仕事関係以外で新しい人に会う機会が少ないこともあり、クリエイターとなかなか接することができないので交流の輪を広げたいと思いました!
── lyf Creators' Labに入ってみての率直な感想を教えてください。
今までの自分だと出会う機会のなかった人と出会えたので、入って良かったと感じています!音楽を作っている方や写真を撮られる方などは、今まで会ったことがないので会話がとても新鮮です。
また基本的に人柄のいい人が多い印象で、話しやすいのでありがたい限りです。
── lyf Creators' Labでやってみたいことを教えてください。
様々な業界のクリエイターが集まると思うので、いろいろなアートと私の香りをコラボできたら楽しそうだなと考えています。
例えば誰かが作った曲に合わせて香りをつくる、撮った写真・描いた絵からインスピレーションを受けて香りをつくる、などもおもしろそうです。つくった香りに曲を作ってもらってもいいかもしれませんね。
あとは、願わくば「lyf銀座東京」の香りをつくりたいです(笑)。
── lyf Creators' Labをどんなコミュニティにしていきたいと思いますか?
刺激とイマジネーションがもらえるコミュニティになったら嬉しいです!
またクリエイター同士でのつながりが新たなものを生み出すきっかけになったり、仕事につながったりと公私共に充実できるようなコミュニティにできたら最高だと考えています。
▼次回のイベントはこちら
lyf Creators’ Labとは
「lyf」を拠点に活動するクリエイターや起業家・マーケター向けコミュニティです。「New Challenge, New Me(新しい挑戦で、新しい自分を見つける場所)」をコンセプトに、夢を追いかけるクリエイターや起業家・マーケターの皆さまが繋がり、刺激し応援し合える機会を提供します。
活動内容や特典の最新情報は、こちらの記事をご覧ください。
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