LINEヤフーのコーディングテスト、実際どう?内定者と選考官に聞いてみた
LINEヤフーでは現在、2026年卒対象の新卒採用エントリーを受付中です。エンジニア職ではソフトウェアエンジニア・インフラエンジニア・データサイエンス・セキュリティエンジニアの4領域で募集しています。
今回はエンジニア職のコーディングテスト選考について、内定者の体験談や選考官のアドバイスを交えてお届けします。これから選考を受ける方の参考になれば幸いです。
新卒採用エンジニア職の選考フロー
エンジニア職の選考フローはマイページからのプレエントリー後、コーディングテスト選考を経て、複数回の面接、内定となります。コーディングテストにて一度不合格になってしまった場合でも、次のタームで再度コーディングテストに挑戦できる「Re-Challenge制度」を設けています。最終タームまで何度でも受験できますので、ぜひ気軽にエントリーをお待ちしています。
コーディングテストについては、以下のページでも詳細を解説していますのであわせてご覧ください。
内定者に聞いた、LINEヤフーのコーディングテスト突破のポイント
実際のところLINEヤフーのコーディングテストはどのようなものだったのか、2025年入社予定の内定者4名に話を聞きました。実際に選考を受けた内定者が感じた難易度や、合格に繋がったポイント、そしてRe-Challenge制度を活用した体験談など、これから選考を受けようと思っている方はぜひ参考にしてください。また、選考を受けるか迷っている方々も、内定者たちのリアルな声を通じて、コーディングテストへの理解を深め、挑戦するきっかけにしてもらえると嬉しいです。
内定者プロフィール
実際に受けてみて、コーディングテストの難易度はどうでしたか?
Aさん アルゴリズム課題の主題である「問題に対して正しいアルゴリズムを導けるか」の点をすごく重視しているなと感じました。私はインターンシップと本選考で二度、コーディングテストの受験をしました。そのうち初回は完答できなかったのですが、その理由が、サンプル数が増えた際に処理速度上計算が間に合わないことでした。愚直な実装で通らないのは他社のアルゴリズムテストではほとんど見受けられなかったため、難しかったです。
実装課題はアルゴリズム課題に比べると難易度は比較的易しいと感じました。時間がたっぷり取られているためひらめき勝負にならず、要件をじっくり考える時間があったので、落ち着いて取り組むことができました。ただ、コーディングの負担はとても大きいので、普段からある程度のサイズのアプリケーションをつくっている人でないと、理解する必要がある仕様とそれを形にする行為がなかなかの負担になるかなと思いました。
Bさん アルゴリズム問題は時間計算量を気にしないアルゴリズムをすぐに思いつきましたが、高速なアルゴリズムを考えるのが難しく、すべてのテストケースを通すことができませんでした。実装問題はロジックや処理の実装は予想よりも難しくありませんでしたが、コードの記述量が多く、時間がかかりました。
コーディングテストに向けてどのような準備をしましたか?具体的な勉強法やツールがあれば教えてください。
Bさん 旧LINEのコーディング試験に関する記事を見て、どのような問題が出るのか、どのようなコードが評価されるのかを予習しました。記事の内容を踏まえて、実装問題の対策のためには、クラス設計やメソッド設計を意識したコーディングを練習しました。具体的には、研究や趣味でPythonスクリプトをいくつか書いていたので、それらのリファクタリングを行いました。アルゴリズム問題の対策のためには、AtCoder Beginner Contestの過去問のうち、C問題とD問題をいくつか解きました。
これを意識したから合格に繋がったと思う、ご自身が気を付けたポイントを教えてください。
Aさん アルゴリズム課題は一見すると非常に難解なことを言っているように感じますが、細かく噛み砕いていくと実はそこまで複雑ではないことも多いので、落ち着いて情報を整理していくことが重要だと思います。最初からすべてのケースについて考えるのではなく、まずは一番シンプルで簡単なケースについて考えることを課題を解く際に実践していました。
Bさん 可読性を意識したコーディングを行いました。特に実装問題では、以下のことを意識したコーディングを行いました。
まず、クラスやメソッドにわかりやすい名前をつけることを心がけました。たとえば、クエリを解析するメソッドには「parseQuery」と名前を付けることで、メソッドの役割が一目でわかるようにしました。
次に、ロジックと細かい処理を分離しました。細かい処理をすべてメソッド化し、それらをクエリを処理するロジックから呼び出す構造にすることで、ロジック部分のコードを見ただけで、どのような処理が行われているのかがわかりやすくなるようにしました。
さらに、バグを発見するために、コーディングの途中で何度かテストを書いて動作を確認しました。これにより、問題が発生した際に迅速に原因を特定し、修正できました。
Cさん 問題文や仕様をよく理解することを心がけていました。問題文をしっかり読み込むのは時間がかかりますが、解釈を間違えて実装をしてしまうと修正に時間もかかりますし、新たなバグを生む原因にもなってしまうため、コーディングテストにおいて重要な作業だと思います。
Dさん 合格に繋がったと考えるポイントは4点あります。
まずは問題の読解に十分な時間をかけることを重視しました。ホワイトボードを使って問題文を図式化することで、問題の構造を視覚的に理解しやすくし、解決策を明確にしました。
次に、コードの読みやすさを重視しました。Pythonでコーディングする際には、docstringや型ヒントを活用し、適切なコメントを入れることで、コードの意図を明確にしました。また、Pythonicな書き方を心がけることで、コードの可読性を向上させました。
さらに、Pydanticを使用してデータクラスを明確に定義し、コードの構造を改善しました。これにより、データの扱いが一貫性を持ち、コード全体の保守性が向上しました。
最後に、表示されていない隠れたテストケースも意識し、仕様に忠実なコードを書くことに努めました。これにより、予期しない入力に対しても正しく動作する堅牢なプログラムを作成することができました。
Re-Challenge制度を活用した方へ質問です。なぜ、Re-Challenge制度を活用しもう一度受験しようと思ったのか教えてください。
Cさん LINEヤフーで働きたい思いが強かったからです!ミッションや、携われる仕事、グローバルなプロダクト展開など多くの点に強い魅力を感じたため、諦めずに受験をしました。
Dさん LINEヤフーが自分の理想とする志望企業像に非常に近かったため、もう一度挑戦したいと思いました。
一度不合格になった後、どのように取り組み、合格につながったと思いますか?
Cさん 特に実装問題では、非常にたくさんのロジックを書く必要があるのでロジックを役割ごとにクラスや関数に切り出したり、別ファイルに分離させたりなど、コードの設計を工夫しました。ひとつのファイルに全てのロジックを書いてしまうと、デバッグ時にどこに何が書いてあって、どの部分が原因でうまくプログラムが動いていないのかを把握するのが困難になってしまいます。
Dさん スケジュールは締め切りギリギリではなく、余裕を持って問題に取り組むようにしました。また、友人とコードの書き方について相談し、協力しながら改善点を見出しました。これにより、最後まで問題を解き切れるようになり、合格につながったと思っています。
改めて、コーディングテスト受験前に準備しておけばよかったことを教えてください。
Aさん 事前に時間感覚を持つことが大事だと思います。私は解法を思いついたのがギリギリだったので、非常に焦りながらコーディングしていました。この部分で余裕を持てていたらもう少し楽になったのではないかと思います。文量と実装量がとにかく多いことをあらかじめ理解しておく必要があると思います。
Cさん コーディングテストのような状況下では焦りの感情が湧くのは自然なことです。しかし、私はプログラムがうまく動かないときにかなり焦ってしまい、ロジカルに考えることが難しくなってしまう瞬間がありました。経験上、焦ってコードを書いても良い結果につながらないのでコーディングテストのような状況下でも落ち着くことが大切だと思います。
LINEヤフーのコーディングテストを受験したことで、ご自身のタメになったことがあれば教えてください。
Cさん 読みやすいコードや、コード設計の重要性を認識できました。特に実装問題では、プログラムがうまく動かないときにコード量が多いために原因箇所を特定することが困難になります。書いた本人ですら、わからなくなることもあります。メンテナンスしやすいコードを意識して書くことはエンジニアとして非常に重要なことだと身をもって学べ、非常に良い経験となりました。
Dさん コーディングテストを経験してから、改めてコードの可読性について深く考えるようになりました。その結果、テスト以降に書くコードの品質も向上し、より読みやすいコードを書けるようになったと感じています。
Aさん 難しいので最初は圧倒されると思いますが、とにかく考えてみる、手を動かしてみることが大事だと思います。アルゴリズム課題も実装課題も、まずは形にすれば後からいくらでも修正や品質の向上に取り組めるので、部分点もありますし”Done is better than perfect”で「とにかくやってみる」ことが大事だと思います。
Bさん コードの可読性の高さが何よりも重要だと思います。可読性の高いコードを書くスキルは一朝一夕で身につくものではありませんが、練習を積み重ねることでだんだんと慣れていくはずです。
Cさん コーディングテストの対策には非常に時間がかかるため、少しずつでいいので早い段階から始めることをおすすめします。また、諦めずに挑戦し続けることも大切です。私はコーディングテストで何度か不合格になりましたが、Re-Challenge制度を活用して挑戦し続けた結果、合格できました。
Dさん 実際にテストを受けてみないと気づけない改善点が多くあります。Re-Challenge制度の利用を前提としてもよいので、まずは積極的にコーディングテストに挑戦し、慣れることをおすすめします。実践を通じて自分の弱点を把握し、改善していくことが重要だと思います。
選考官とテスト監修社員に聞いた、LINEヤフーのコーディングテストのポイント
コーディングテストの採点を担当する社員と、コーディングテストの監修に関わる社員にも話を聞きました。受験者が気を付けるべきポイントや、テスト作成の意図、そしてこれからチャレンジする方へのメッセージをお届けします。選考官とテスト監修者の声を通じて、コーディングテストへの理解を深め、準備を万全にするためのヒントを掴んでください。
選考官・テスト監修社員プロフィール
コーディングテストの採点で評価しているポイントや意識しているポイントを教えてください。
Eさん LINEヤフーのコーディングテストは受験者の技術的なスキルだけでなく問題解決のアプローチや論理的思考力、コード品質も重視しています。具体的にはアルゴリズムの適用方法や効率性、コードの可読性や保守性を確認しています。単に正解を求めるのではなく、どのようにアプローチして解決に導くか、そのプロセスや思考の一貫性を評価ポイントとしています。また、細かなエッジケースにも対応できる柔軟性やチーム開発を意識した保守性の高い設計を重要視しています。
テストに取り組むにあたって心がけると良いこと、攻略のためのアドバイス等はありますか?
Fさん テスト監修者観点で見ても、LINEヤフーのコーディングテストは簡単ではないと感じています。監修者側も、実際に自分が試験に臨むような気持ちでテスター作業をしています。そのため、しっかり集中して取り組める時間や環境をつくって、全力でテストに取り組むことをおすすめします。
問題に関して言うと、初見では入力や出力が複雑に感じることがあるかもしれません。ただ、問題設定を汲み取ると、Webアプリケーションと本質的には同じような要件や処理が多く、求められている処理が推測しやすい身近な題材になっていると思います。それを踏まえて、プログラミングで課題解決をするということを念頭において問題を考察していただけると、実装に取り組みやすいかなと思います。
これからチャレンジする学生に対してメッセージをお願いします。
Eさん コーディングテストに挑戦することはエンジニアとしての成長の大きなステップです。テストに向けて準備を重ねるなかで難題に直面し挫折しそうになることもあるかもしれませんが、それこそが大きな成長の機会です。
とにかく焦らずじっくりと問題に向き合い、自分の限界を超えてみてください。最初の挑戦で満足いく結果が得られなかったとしても、あきらめずに再挑戦する姿勢が大切です。私たちはみなさんがこれから挑戦することで得られる経験や気づきを応援しています。とにかく一歩を踏み出してチャレンジを楽しんでください!
Fさん コーディングテストで作成するプログラムは、インプットに対して正確なアウトプットを生み出すことを要求しています。実際の業務で書くアプリケーションに比べれば、規模はとても小さいものかもしれませんが、本質的には同じであることを意識して取り組んでもらえると良いと思います。
業務におけるWebアプリケーションにおいても、インプットに対してステータスが変化していき、適切なアウトプットを生み出す処理を組み上げていくことで、大きな機能を達成しています。小さいプログラムの積み重ねが大きな機能を生むので、どんな些細な処理でも正確で適切に記述できることは必須のスキルです。コーディングテストではそのようなことを意識して、1行1行熱を込めてコーディングをしながらチャレンジしていただけると幸いです。
最後に
LINEヤフーでは現在、2026年4月新卒入社のエントリーを受付中です。記事を読み、LINEヤフーのエンジニアに興味を持ってくださった方は、ぜひ採用ページからのエントリーをお待ちしております。