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言葉のことば #ことば展覧会

 言葉って、ことばって、いったいなんなんだろう、ということはよく考える。
 日本で生きるにあたって、日本語の習得は必須と言っていいだろう。そして私は比較的それを得意として生きてきた。けれどそうでない人ももちろんいるわけで。「この人言葉不自由やなあ」と思う相手も多い。じゃあ私は伝えたいことを上手く伝えられているのかというと、そうとは限らない。
 私には私の言葉があり、相手には相手の言葉がある。きっとそれだけの話なんだろうけれども。

 言葉って、贈り物だ。
 言葉は記憶に結びつく。いい意味でも悪い意味でも。思い出す度に刺されるような言葉もあれば、思い出す度に胸が温かくなる言葉もある。引き出しにしまいこまれるものもあれば、手元に置かれるものもある。

 言葉って、それだけでは不完全なものだ。
 言葉は平坦なものではない。そこに付随する抑揚や、なんならそれを使った人によって、相手に与える印象も意味も変わってくる。言葉だけでは不完全で、他の要素があってはじめてきちんとした意味を成す。

 言葉って、道具だ。
 言葉は目に見えない。書いたら別だけど。言葉は相手と繋がるためのひとつの手段であり道具だ。共通の言葉が使えないと、多くの場合関係性の構築はぎこちなくなるだろう。

 言葉って、責任だ。
 言葉は重い。約束もそう、相手があるからこそ発する言葉には、責任が伴う。

 言葉って、表裏一体だ。
 言葉は祈りであり呪い。どちらにでもなれる。祝福を与え災厄をもたらすもの。どちらもさほど違いはない。

 言葉って、酸素だ。
 きっと、言葉なくして人はきっと生きられない。いつでも燃えてしまう可能性があって、多すぎると苦しい。

 言葉って、相棒だ。
 言葉は人生の友。ずっと一緒に歩んでいくもの。時に武器となり、時に慰めとなりながら、ずっと寄り添っていく。

 言葉って、生き物だ。
 同じ言葉にも個性があって、成長していく。たまに暴走して手が付けられないし、思うようにならない。生き物が生み出した生き物。不老不死、ではないかもしれないね。

 言葉って、世界だ。
 言葉があってはじめて存在を認識する。思考が届く。そうすると世界が広がる。同時に、言葉にすることによって固定されてしまうものもある。それも世界だ。限定して枠を決めたという意味で世界だ。

 私にとっての言葉。まだまだ足りないけれど、言葉を表現するための言葉を探して、私はきっとこれからも旅を続けるんだろう。言葉は五感のどれでもない。言葉はすべてではない。言葉では伝わらないことも、言葉だけで伝えきれないものもある。けれど言葉だから伝わるものもあるわけで、だから言葉っていつまでも必要だし、磨いていくべきものなんだと思う。
 正しく伝える、正しく届ける、ってことは大切だ。誤解なんて、できることなら生みたくない。けれど、そうもいかないのが人生ってやつなんだろうから。誤解を含めて、よりよく言葉を扱えるようになりたい。


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 こちらの企画に参加させていただきました。
 とても難しくとても面白い企画。まだまだ書けそうで、推敲するごとに変わっていってしまいそうだったし、そうすると際限がなくなりそうだったので、一発書きで出します。


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