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Slack活用法でみる、デザインチームの働き方と文化

はじめに

こんにちは、LINE Fukuoka クリエイティブ室デザインチームです。
チームがリモートワークになって約1年が経ちました。
リモートになった直後は誰もが初めてのことで、コミュニケーションの取り方や案件管理の方法でいろいろな課題が浮き彫りに…。
しかし、この1年試行錯誤した結果、チームに合ったやり方が定着してきました!

今回は、デザインチームがリモートワークで直面した課題と解決策の紹介を通して、チームの働き方や文化をお伝えしようと思います。チームの雰囲気を感じて興味を持っていただけたら幸いです。

背景

事例紹介の前に、まずはデザインチームのことを紹介します。

デザインチームとは?

・LINE Fukuoka クリエイティブ室の中にあるチームの一つです
・現在36名のデザイナーが在籍しています

業務内容

・各種LINEサービスのUI(アプリ画面やWebサイト)制作業務
・各種LINEサービスのバナー制作、運用業務
・各種LINEサービスの動画制作業務
・LINE着せかえの制作業務
※基本、各サービスに案件の窓口となる担当者を設定しています。

リモートワークで直面した課題

・報告・連絡・相談の経路が整備されていない
・その結果、コミュニケーションがとりづらく、案件やメンバーの状態がチーム全体で把握しづらい。

課題解決の鍵となった「Slack」

弊社ではいくつかのチャットツールを使用しています。「Slack」もその一つです。「Slack」にはビジネスシーンで役立つ機能が多く備わっており、カスタマイズの自由度の高さや、円滑なコミュニケーションが取れる仕組みが充実していることが特徴です。
リモートワークになる前から使用していたツールですが、使い方をリモートワーク仕様に変えることで、大きなコストをかけずに課題解決へつなげることができました。

今回は「Slack」の使い方を工夫して生まれた施策を一部ご紹介します。

施策1) コミュニケーション内容によってチャンネルを分ける

リモートワークになりSlackを使ったコミュニケーションの頻度が増えた結果、みんなが1つのチャンネルで様々な会話をすると内容が煩雑になりタイムラインも複雑化していました。
そこで、コミュニケーション内容によりチャンネルを細かく分けることでどこで何を話せばいいかシンプルにわかりやすくしました。具体例を一部ご紹介します。

・出退勤の連絡 & マネージャーからの共有事項連絡用チャンネル
・デザインチェックをメンバーに依頼するチャンネル
・ミーティング議事録共有用チャンネル
・雑談用チャンネル
・メンバーにヘルプを要請する時のチャンネル
etc....

これまでは主に役職や担当業務ごとでチャンネルを分けていましたが、リモートを機に、コミュニケーション内容毎で細かくチャンネルを分けたことで、話の流れやログが追いやすくなり、メンバーもどこでどの話をすればいいか迷わず投稿できるようになりました。

施策2) 定期・定型的な連絡事項はワークフロービルダーで自動化

定期的な連絡事項を毎回アナウンスするのはめんどうですよね。オフィスの時は口頭で済んだことも、リモートになって毎回チャットで書いてとなると尚更ですし、アナウンスすること自体も忘れがちです。
そこでデザインチームでは定期・定型の連絡事項は徹底的にSlackのワークフロービルダーで自動化して業務を効率化しています。

● ワークフロービルダーとは
・定型的なアクションやコミュニケーションを自動化する機能
・ツールのGUIに従って誰でも簡単に作成可能
・一般的なプログラムに欠かせないコーディングなども不要

作成までの大きな流れは以下のとおり。
1.あるワークフローを開始するきっかけとなるトリガーを選択
2.ワークフローに必要となるステップを順番に定義
3.ワークフローを公開

ワークフロービルダーの作り方はSELECKさんの記事がわかりやすいです。

一部例を紹介します。

● 出勤確認のワークフロー
出勤確認は2つのワークフローで構成しています。

①確認依頼のワークフロー
専用チャンネルに出勤確認依頼のメッセージが毎朝自動で流れます。

②応答のワークフロー
特定の絵文字でリアクションすると、リアクションした人の名前が自動で投稿されます。

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①のトリガーとステップ

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②のトリガーとステップ

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導入後の効果
出勤しているメンバーが一覧になって確認できるので人数把握も容易になりました。

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● 退勤&日報のワークフロー
ショートカットで、ワークフロービルダーで設定した専用フォーマットを呼び出して投稿するワークフローです。

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● トリガーとステップ

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● 導入後の効果
入力効率がアップし、全員同じフォーマットで投稿することでメンバーの状況把握も容易になりました。

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● 
その他のワークフロー
出退勤以外にも、各種MTGのリマインダーを仕込んだり、Hubotで作ったルーレットでランダムにメンバーを選びデザインチェックを依頼できるワークフローを導入したりしています。

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施策3) ヘルプ要請&受注システム【HELP & ASSIST】

担当サービスが繁忙期などで一時的に案件量が増加した場合、メンバーがチームにヘルプを要請することがあります。しかし、一人一人の状況が見えないリモートワークだとメンバー間で業況把握がしにくく、ヘルプを出す側・受ける側ともにアクションが停滞してしまい、マネージャーが都度メンバーの業務状況を把握してチームにヘルプ依頼を行なって案件を回していました。その結果、マネージャーの案件管理コストが増えてしまうことが課題でした。

そこで導入したのが「ヘルプ要請&受注システム HELP & ASSIST 」です。

● HELP & ASSIST とは
slack上のシンプルなアクションのみで、ヘルプ要請と受注を可能にするシステム。デザインチームオリジナル制作!

●HELP & ASSISTのワークフロー
HELP & ASSISTは2つのワークフローで構成されています。

①ヘルプリクエストのワークフロー
ショートカットで、ワークフロービルダーで設定した専用フォーマットを呼び出し、入力して投稿します。

②アシストのワークフロー
特定の絵文字でリアクションすると、リアクションした人宛に自動でコメントが届きます。

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①のトリガーとステップ

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②のトリガーとステップ

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この仕組みを導入し、ヘルプの要請と受注をシンプルにしたことで得られた大きな成果が、「メンバーの自主性の向上」です。マネージャーが管理せずとも、自主的にヘルプ案件にアサインするメンバーが増え、チームワークが強化されたとともに、案件管理コストを約50%も削減することができました。

メンバーからも
「ヘルプを依頼する時も引き受ける時も、やりとりの負担が減って助かる」
「ヘルプ案件が見える化されて、ヘルプしやすくなった」
などの声が上がっています。

実は、全てメンバー提案の施策です。

これらの施策はマネージャーではなく、発案からシステム化・運用まで全てメンバーが行いました。

デザインチームは、マネージャーからのトップダウンだけではなく、メンバーの意見やアイデアを積極的に取り入れ、業務改善やチームワーク強化などのボトムアップができる文化が根付いたチームです。

現在も今期のチーム方針である「個からチームへ」という目標に向かって、一人一人が自主性を持って、日々の業務に取り組んでいます。

最後に

今回は、Slackを用いた業務改善例をいくつかご紹介させていただきました。施策自体はもともとあるSlackの機能を工夫したものなので目新しさはあまり感じられないかもしれませんが、少しでもお役に立てれば幸いです。

お知らせ

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