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DXに悩む経営者必見!LINEではじめる産業のDX #2

連載の2回目は、企業がLINEを使って安心安全にDXを行っていく為のヒントと、新しい我々の取り組みをご紹介していきます!

↓前回の記事はこちら

LINE Frontliner、兼、(株)オプトの石原と申します。

私のnoteはDXに悩む経営者の皆さま向けに発信していきますが、特に伝統的で歴史の長い産業の方々に、ぜひとも読んで頂きたいと思います!

新たに取り組んでいる産業のDX

新たに取り組んでいる産業DXのひとつに薬局業界があります。

私が小さい頃は病院の受付横でお薬を貰える事も多い時代でしたが、今は紙の処方箋をわざわざ病院外の薬局に持っていく事がほとんどですよね?

これは、医薬分業という国の政策誘導によるもので、その結果として薬局が増え続ける状態があります(なんと薬局はコンビニよりも多い約6万店舗)

医薬分業とは、病状を診断し薬を処方するお医者さんと、薬を調剤して服薬後の相談にも乗ってくれる薬剤師さんを“分ける”という事です(両者ともに国家資格)

医者薬剤師

結果的に「過去にどんな病状で、どんな薬を貰い、服薬後どうだったのか?(副作用など)」という大事な患者さんの情報を、医者も薬剤師も、誰も一元的に分かっていない。という状態があります。

とある調査によると、全患者の約10%が服薬後、何らかの副作用経験、或いは処方に不安を覚えているという結果もあるのです。

これを一部解決する手段が「電子お薬手帳」ですが、薬局への普及率は高く2019年時点で48%(2020年には60%超えが予想)。

一方で患者の利用率はなんと2%程度と、ほとんど使われていないのが実体です。

これは、各薬局が独自の「電子お薬手帳」を導入したものの、患者にとっては「お薬を貰えればどこでも良い薬局」とのギャップがあり、「どの薬局でも横断して使えるアプリ」がない事もボトルネックのひとつでした。

そこで、我々はLINEという我が家の祖母でも毎日使うアプリを使い、どの薬局に行っても「患者さんが誰で?どの病院で?どんな処方で?服薬後どうだったのか?」というケアまで、横断的に実現出来るサービスを、LINE Innovation Center(以下L.I.C.)の枠組みで開発しています。

産業のDXには「スタートアップ文化の融合」が必要

一見、文字で書くと簡単そうに見えますが、薬局の現場に精通する人であれば、これを開発し普及するのはとても難しいと感じられると思います。

慣れ親しんだ現場の業務フローを変更するハードルや、多くの利害関係者の理解を得る必要があるからです。

そこで、我々はLINE社に加え、薬局業界に多くのネットワークを持ち、自らも414店舗の直営店を持つメディカルシステムネットワーク社(以下メディシス社)とガッチリ組ませて頂く事にしました。

手を組む

現在は、我々が持つスタートアップ的な素早い事業開発文化と、メディシス社が持つ業界特有のお作法や、現場の皆さんが持つ薬局文化が混ざり合い、見事にワンチームとしてワークしています。

【スタートアップ的なワンチームの詳細】
① 両社対等な立場で我々がプロダクトを最速で創る
② メディシス社もプロダクトを理解し、最速で現場に浸透し患者さんの安心を創る
③ 患者さんのフィードバックは瞬時に開発に伝わる
④ すぐにプロダクトと現場オペレーションが共に改善する
⑤ LINE社からも適宜、必要な支援を受ける

既に、実証実験でも一定の成果が出ており、来年以降は裾野を広げていくフェーズに入っていきます。

また、既にいくつかの大手薬局チェーンさまの導入も決まっており、うまくいけば日本の患者さんの手の中に「自らの医療情報」と「医療選択の自由」が提供される未来が訪れます

医薬業界に限らず、規模の大小はあれ、日本の各産業において、こうした業界課題があると思います。これを解決すべく、我々はスタートアップ的な大人な実行力を持って各業界に貢献していきたいと思います。ぜひこうした取り組みに関心のある各産業の経営者、業界団体の皆さまからご連絡頂ければ幸いです。

デジタル先進国の中国と日本の大きな違い

話は変わりますが、我々のチームは多様性を目指しており、中には幼少期を中国で過ごしたメンバーもいます。彼女と話していると「幼少期から高品質に囲まれて育った日本人」と「廉価品質が当たり前で育った中国人」の差が、日本のデジタル化を阻んでいると感じます。(これは良し悪しの話しではありません)

日本では、企業が出すサービスに、少しでも駄目なところがあればクレームにつながりやすく、多少なコトでも企業はその謝罪対応に追われがちです。

一方、中国では、受容の判断基準はコンセプト重視で、改善を前提としているので、クレームなどに企業が怯える必要がありません。10億人以上の国民全体に「デジタルサービスは改善が前提」という理解があるのです。

「はじめから完璧を求める日本」と、未完成でも「すぐ出して改善できる中国」。

これがいつの間にか、大きな差となって日本はデジタル後進国になったのだと思います。

新しい我々の取り組み

そこで、我々のL.I.C.では、企業の代わりに“ステルス”な事業開発を請け負う事に挑戦していきます。初期のプロトタイプは、誰もが持つLINEを使い、我々の名前で小さく市場に出して改善に繋げます。ある程度安心出来るサービスになった後、その企業の名前で正式に打ち出していくのです。

スタートアップには出来ない「各産業が持つ既存アセットを活用」する事が出来ますし、先行する開発投資を我々が負担する事で、比較的低リスクで産業のDXを共にリード頂く事が可能になります。

成功のポイントは、我々と企業が対等な関係性で、スタートアップ的なワンチームを創る事です。まだまだ、IT企業を信用出来ないと思われる経営者もいらっしゃると思いますが、我々は創業以来「先義後利」という理念の元、デジタルで社会を良くしたいとネット業界で働いて参りました。ぜひ安心して一声かけて頂きたいと思います。

メディシス社の幹部からも嬉しいコメント頂いております

オプトの皆さんと一緒に仕事をするようになってからはものすごいスピード感で事業が進んでいくので、付いていくのに必死です(笑)。

でも、医療現場を預かる私たちの話を本当に真摯に聞いてくれて、ユーザー目線にこだわったプロダクトを開発していただけるので、今では仲間として心から信頼しています。

大企業同士がそれぞれの強みを活かして新たな事業を始める際に、「スタートアップ的なワンチーム」という考え方はとても適していると思います。

LINEを利用する薬局の新しいサービスは実証実験の手応えも良好なので、今は来年の本格展開が本当に楽しみです!(取締役執行役員 多湖健太郎 様)
初めにオプトさんにお会いしたのは、昨年の12月17日でした。

今思い返しても何故オプトさんたちと私たちとの間で今の社会課題に取り組むことになったのかわからないというのが本心です。

しかし、石原さんが語った中で一言だけ強烈に覚えているのは、「我々は目の前の利益だけみている部隊では無い」と断言していた点です。

そして1年がたち私たちは共通の目的、つまりこの業界では誰も考え実行したことがない共通の社会インフラを作り上げようとしている。

結果はこれからですが、確実に実をつけるだろうと確信しています!(執行役員 吉田孝仁 様)

次回投稿に向けて

次回以降も、様々な産業のDXの事例や、その手法などを順次発信していきたいと思いますので、ご期待ください!

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