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児童養護施設への適応

こんにちは、ヨウです。

今回は、子どもの児童養護施設への適応について、簡単に書きたいと思います。正直、あまり掘り下げられなかったので、今度また深く掘り下げて書くことができればと思っています。では、どうぞ。


1.児童養護施設は出入りが激しい

児童養護施設は、あくまで家庭で養育が難しい家庭から子どもを預かる場所です。もともと、孤児の養育から始まった児童養護施設ですが、現在では虐待を理由に入所する子どもが半数以上を占めています。そのため、「家はあるけど、何らかの理由があって帰れない。」という状態が多いのです。私も、そうでした。

そのため、児相が「自宅養育が可能」と判断すれば、自宅に帰ることが出来ます。しかし、虐待は簡単には改善されないもので、何度も施設を出入りする子も多いのです。


2.施設に適応するのは、難しい?

施設に入所するということは、住環境、人間関係、が大きく変わります。子どもは、自分から進んで変わった環境であれば、それなりにすんなり適応することが出来ます。ところが、自分の裁量や納得なしに変わった環境というものは受け入れにくいもので、いくら状況が好転したとしても、環境適応が難しい場合が多く見受けられます。

ここで伝えたいのは、「環境が変わる」ということの問題点です。環境が変われば、新しいことを覚えていかないといけません。施設には施設の決まりや生活リズムがあります。今までの生活を変えて、それに適応していくことは、大人であっても大変なのです。

施設に入所している子どもは、家庭で何らかの課題があります。しかし、それは子どもによってそれぞれ違っており、それぞれが複雑な家庭環境に置かれています。そういった困難な状況の子どもは、対人関係に問題を抱えることも少なくありません。それに輪をかけて住環境や人間関係が変わるわけですから、子どもへの心理的ストレスは想像を絶するほどです。

施設に適応するということは、簡単な話ではないのです。


3.子ども同士の関係性

私個人としては、子ども同士はお互いに困難を抱えるもの同士で、それなりに協調性があって団結しそうなイメージがあります。ただ、そこは人間なので、仲が良い子もいれば、悪い子もいます。学校で「みんななかよく」と言われるけれど実際いじめとか仲間はずれとかあるよね、というのと全く同じです。

また、施設の子どもの中にもカースト(階級)が存在しています。施設入所期間が長い子ども、年齢が高い子ども、自分の意見をストレートに言える子どもなど、ここも学校と同じで、その時々で状況が変わります。小学生くらいの子どもが、中高生の子どもにいいようにこき使われたりすることも、ないとは言えません。


4.施設職員との関係性

そして、施設の子どもに最も近い大人が、職員さんです。

職員さんも、人間です。人それぞれ考え方があります。優しく見守る人もいれば、厳しくも自立心を根付けようとする人もいます。指導の仕方は様々です。それも、子どもによって受け取り方が違うので、子どもと職員さんが合わないこともしばしばあります。ただ、頼りになる施設

また、職員さんは、子どもを見守る立場でありながら、子どもが自立できるように、(特に中高生には)しっかり指導をしなければなりません。自分のプライベートを持ちつつ、親代わりとして子どもを支えてくれている職員さんには、いつも頭が下がります。


終わりに ~私の経験~

私は、自分から望んで施設に入りました。家庭環境に絶望していた私にとって、施設は救いの手だったのです。だから、施設に適応することは比較的簡単でした。しかし、施設内で上手くいかず、癇癪を起こしたり暴言を吐いたり飛び出したりする子を何人も見てきました。子どもが親と離れて施設で生活することは、とても大変なことだと、痛感しました。人間関係についても、私は高校1年生の時に入所したこともあり、他の子に比べて、施設内の人間関係で悩んだことは多くありませんでした。あまり苦労していない私が「施設適応は大変なのよ」と言っても説得力がないとは思いますが、主観的にも客観的にも、施設で生活することは難しいと思います。

施設での生活を通して、私は、普段の生活では関わらないようなタイプの子と関わることができました。そして、施設に入ったことが、教員を目指すターニングポイントになりました。施設に拾われなければ、大学進学も叶わなかったでしょう。それほど、児童養護施設での生活は、私にとって大きな財産になりました。

この世の中から、虐待がなくなり、児童養護施設が必要なくなるような世界が理想ですが、今現在も施設で頑張っている子どもは大勢います。そういった子どもたちを応援していきたいと思う、今日この頃でした。


今日はこの辺で。


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