児童養護施設って、どんな生活をしているの?
こんにちは、ヨウです。
今回は、私が経験した施設での生活について広く浅く綴っていきます。よろしくお願いします。
1.施設の仕組みは変わってきている?
昔は、大舎制という、大型の施設が主流でした。(↓参考)
現在は、「より家庭的な養育」を目指し、児童養護施設よりも、養育里親での措置を進めている状態です。大舎制の施設でも、ユニットを導入して、小さなユニットで生活する仕組みができています。
家庭的な養育を受けられない子が、普通の子と変わらないように育っていくためには、大切な考え方です。ただ、厚労省による職員さんの待遇改善があまりなされていなことは残念ですが…。
2.施設の日課は?
すごく簡単に言えば、高校にある寮と同じような感じです。起床時間や食事、学習の時間がなど、一日の流れがしっかりと決まっています。部活動や土日に遊びに行くのも、ルールはありますが、ある程度自由がききます。しかし、職員さんは子どもたちの安全を守らなくてはなりません。そのため、一般家庭に比べて決まりや制限が多いのが現状だと思われます。施設さんによっては、一日の生活の流れをホームページに載せているところもあります。ぜひ、ご参考に。
ただ、子どもたちの多くは望んでその生活をしていない、ということをお忘れなく。
3.施設では、イベントをやっている
私がいた施設では、覚えている限りで、お花見、入学進級のお祝い、子どもの日、夏祭り、紅葉狩り、クリスマス会、鏡開き、ひな祭り、誕生日会など、季節に合わせたイベントが実施されていました。その都度食事を外でしたり、出し物をしたりと、楽しかったことを覚えています。
また、支援や寄付をしてくれる団体が多くあります。そういった団体から、スポーツ観戦や食事会に無料で招待されることもしばしばありました。私は、近くの球場で行われた野球の試合観戦の招待を受けたことを覚えています。
施設対抗でスポーツ大会をしていて、男子は軟式野球、女子はバレーボールをやっていました。全国的にやっているみたいですが、その辺の詳しい状況は分かりません。(うちの施設は熱心ではなかったので、いつも地区1回戦負けでした。)
施設にいると、自由が制限される一方、一般家庭にいる子より多くのイベントに自然に参加することができます。参加に費用が掛からないものばかりで、たくさんの経験をすることが出来ます。
4.施設で子どもがやるべきこと
私のいた施設では、自立訓練のため、中学生からは洗濯や掃除を自分でやるように指導を受けます。
また、小学生、中高生にはそれぞれ「小学生会」「中高生会」といった自治会の様なものがあり、施設でのイベントで出し物を企画したり、年齢に合わせた当番活動(清掃等)を分担したりします。
終わりに ~施設で自立の力を付ける理由~
施設での生活は、気持ちの面でツラいことが多くあった反面、制度としてはかなり恵まれていたように感じます。こういった支援や制度を使い、施設の子どもたちは、多くの経験を通して、自立の力を身に付けなければなりません。
施設は、できるだけ自分のことは自分でできるように指導をします。それは、子どもが施設を退所したときに、頼れる大人がいなくなる可能性があるということを知っているからです。悲しいことに、家庭を持たない子どもたちが、社会の荒波に飲み込まれないようにするためには、こうするしかないのです。大人になれば、施設出身も毒親育ちも関係なく、良くも悪くも「平等」に扱われます。ですから、「帰る場所があるかどうか」なんて考慮されないのです。
しかし私は、自分である程度のことが出来たからこそ、大学も仕事もなんとかやっていくことが出来たのです。そういう意味では、施設に感謝しかありません。
これからの児童福祉には、退所後のフォローがカギになります。有難いことに、退所後のサポートをしてくれる団体さんはたくさんあります。しかし、本来なら行政がするべきことです。子どもは自分ですべてを乗り越えていくことはできません。だから、恵まれない子どもに還元する「公平」な支援が進んでいけばいいな、と私は思っています。
子どもが施設に入ったのは、親の責任かもしれませんが、子どもがその責任を負う必要はありませんよね?
今日は、この辺で。
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