【偽チキン配達員、再び。 Part.1】
【前回】
カラーコーン、タクシー、ウーバーイーツのリュック、作業着で歩く男、配達用のスクーター、転がる空き缶。
街のどこにあっても、誰も気にしない。
オフィスの周辺、住宅街、路地裏の景色、どこにでも溶け込む。視界に入っていても、脳が意識の外にやってしまう。
チキン配達員の制服がリニューアル前のデザインだったとして、誰が気にする? 気付けるか? 気づけたなら、不幸中の幸いかもしれない。もしもお前が人に恨みを買っているなら、そいつから離れるべきだ。全速力で、今、すぐに。