ビールが好きじゃなくなる夢を見た
自分の好きだったものを ある日突然好きじゃなくなる瞬間は、とっても怖いなあと思う。
私が誇りを持ってお送りしている〈好き〉のデパートが、
私の看板そのものの、アイデンティティのようなものが、
一個、また一個と崩れ落ちちゃうのが怖い。
「私はこれが好きなんです!」と、好きなものをアクセサリーにして、自分をめいっぱいキラキラにしてたのに。
あんなにご褒美だなって思っていた
チョコレートやクッキーや甘いお菓子が苦手になったように。
好きな食べ物ランキング上位常連だった
フライドポテトや唐揚げがイマイチになったように。
どうしてもニューヨーカーになりたいと思っていたのに
私に海外の生活は合わないだろうなって冷めちゃったように。
大好きなビールも、ビビッドカラーも、ギラギラのラメも、金木犀の切なさも、うっとりする都会も。
いつか好きじゃなくなっちゃった時のことを考えると、喪失感で泣きたくなる。
でも、
大好きなピンクを捨ててみずいろやオレンジに浮気をしても
結局ピンクに戻ってきたりすることだってある。
メゾピアノだとかポンポネットだとか、淡くて清楚な服を着ていたのに、
気づいたらビビッドカラーだらけのバブリーな服を着た大人になっていて、
でもそんな自分が大好きで誇りでたまらない今がある。
結局、〈好き〉なんて流動的で、明日、来月、一年後、自分がどこの何が好きかなんてわからないのだ。
ただひとつ、その時その時の〈好き〉なものに対して自分が確信と誇りを持っていること。
〈好き〉のアクセサリーでキラキラしている自分を〈好き〉でいること。
これだけは、ずっと変わらないんだろうなあ。
「これ、おすぅっぽいね。」って言われる回数が、多ければ多いほど、自分は輝けるんだと思う。
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