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日本酒の秘密兵器!酒粕で健康美人になれる理由

「SAKE note」は、日本酒の魅力を初心者から愛好者まで幅広く伝えるコラム連載です。日本酒の基礎知識や文化、楽しみ方を分かりやすく紹介し、実践的なアドバイスを提供します。第一回目は「酒粕」をテーマに、その魅力と活用法を探ります。


酒粕ってなに?

酒粕は、日本酒を醸造する過程で生まれる副産物で、発酵させた米や酵母が含まれています。栄養豊富で、料理や美容、健康に幅広く利用されるほか、独特の風味と香りを持っています。酒粕には板粕や柔らかいペースト状のものなど、さまざまな種類があります。

日本酒造りにおける酒粕の役割

日本酒造りにおいて、酒粕は発酵過程の副産物として重要な役割を果たします。発酵が終わった醪(もろみ)を圧搾する際に、液体部分が日本酒となり、残る固形物が酒粕です。酒粕は発酵の際に酵母や米の成分を多く含み、栄養価が高く、料理や健康食品、美容用品などに幅広く活用されています。「カス」という名前からは想像もつかないほど、多くの栄養を含んでおり、むしろ栄養面から見るとお酒以上に主役だと言えます。

酒粕の種類と特徴

板粕(いたかす)

醪を圧搾して取り出した直後の酒粕を板状に固めたものです。風味が強く、そのまま料理に使ったり、保存食として利用されます。

ばら粕

板粕を乾燥させて砕いたものです。保存性が高く、長期保存が可能です。調理に使いやすく、さまざまな料理に活用されます。

練り粕(ねりかす)

板粕やばら粕を再度練り直してペースト状にしたものです。滑らかな食感で、調味料やスイーツ、化粧品などに使われます。

甘酒粕

発酵が進んで甘みが強くなった酒粕で、甘酒の原料として使われることが多いです。栄養価が高く、飲料やデザートとしても人気があります。

酒粕の起源と歴史

酒粕の起源は、日本酒の醸造が始まった奈良時代(8世紀)に遡ります。日本酒の製造過程で発生する副産物として、酒粕も同時に誕生しました。当時から酒粕は栄養価が高く、食材としても重宝されていました。
平安時代(9~12世紀)には、貴族や僧侶たちが酒粕を使った料理を楽しんでいた記録があります。江戸時代(17~19世紀)には、酒粕は庶民の間でも広まり、保存食として利用されるようになりました。この時期には、酒粕を使った粕漬けや粕汁といった料理が定着しました。
また、酒粕は保存性が高く、冬の貴重な栄養源としても重宝されました。発酵食品としての特性を活かし、健康食品としても注目されてきました。現代では、酒粕は日本酒の副産物としてだけでなく、健康食品や美容製品の原料としても広く利用され、再評価されています。酒粕の持つ豊富な栄養価と多様な利用法は、古代から現代まで続く日本の食文化の一端を担っています。

酒粕の健康効果

「飲む点滴」として知られるのは、主に甘酒(あまざけ)ですが、酒粕もその一種として高く評価されています。甘酒は酒粕から作られることがあり、その栄養価の高さから「飲む点滴」と呼ばれています。酒粕は栄養が豊富で、特に冬の季節には体を温め、栄養補給として親しまれています。
酒粕が「飲む点滴」と呼ばれる理由は、その豊富な栄養成分にあります。以下は、酒粕がもたらす健康効果の一部です。
疲労回復:酒粕に含まれるアミノ酸やビタミンB群は、エネルギー代謝を促進し、疲労回復を助けます。
免疫力向上:酒粕に含まれるβグルカンは免疫機能を高める効果があり、風邪予防や病気のリスクを低減します。
美肌効果:酒粕にはコウジ酸が含まれており、美白効果や肌の保湿効果が期待できます。また、ビタミンB2やB6は皮膚の健康を保ちます。
便秘解消:酒粕の食物繊維は腸内環境を整え、便通を促進する効果があります。
リラックス効果:酒粕にはギャバ(GABA)が含まれており、ストレス軽減やリラックス効果があります。


酒粕を使ったレシピ

酒粕スムージー

材料:
酒粕:30g
バナナ:1本
豆乳:200ml
蜂蜜:適量
作り方:
バナナを小さく切る。
ミキサーに酒粕、バナナ、豆乳、蜂蜜を入れる。
滑らかになるまでミキサーにかける。
グラスに注いで完成。
このスムージーは、酒粕の栄養素を手軽に摂取できるだけでなく、バナナと蜂蜜の甘さで飲みやすくなります。

酒粕味噌漬け

材料:
酒粕:100g
味噌:100g
醤油:大さじ2
みりん:大さじ2
好みの野菜(大根、きゅうり、なすなど)
作り方:
酒粕、味噌、醤油、みりんをよく混ぜ合わせて漬け床を作る。
好みの野菜を適当な大きさに切り、漬け床に漬ける。
冷蔵庫で1日から2日間漬け込む。
漬け上がった野菜を取り出し、軽く水洗いして食べやすい大きさに切る。
この酒粕味噌漬けは、野菜のシャキシャキ感と酒粕の風味が楽しめる一品です。酒粕の栄養も摂取できるため、健康的な一品としておすすめです。

酒粕は日本酒造りの副産物として生まれ、古代から現代まで多くの人々に親しまれてきました。その栄養価の高さと多様な利用法は、健康と美容に寄与するだけでなく、日本の食文化の豊かさを象徴しています。次回のSAKE noteでは、さらに深く日本酒の世界に迫り、その魅力を探ります。ぜひ見てくださいね。

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