花を持っているといい人に見える

部屋に花を飾るようにしている。
主に近所のスーパーで一束300円程度の切り花を買ってきて飾っている。
もともとカラフルなものが好きだから、花があると気分が上がるし、水を替えたり、茎を切ったり、お世話する楽しみもある。

今回はピンク色のガーベラと、名前のわからない葉っぱが一緒になった切り花を購入した。
ガーベラはいつの季節でも売られているし、安い。日持ちはあまりしないけど、鮮やかな色がいい。

花はバッグに入れることができないので、手に持って歩くしかない。
どこからどう見ても私は「花を買ってきた人」だ。
商店街を歩いているとき、ガラス窓に映った自分を見て、「花を持っているといい人に見えるな」と気づいた。

花を持って歩いている人は大体決まっていると思う。
まず、家に花を飾る人。花を飾るくらいだから花が好きなんだろうし、部屋もある程度片づいている人なんだと思う。生活に対する余裕も感じられるし、いい人っぽい。
次に、誰かに花を贈る人。これはぜったいに、まぎれもなくいい人だ。花はもらうと必ずうれしい。人を喜ばせることができる人はいい人に違いない。
そして、仏壇やお墓参りのために花を買う人。ご先祖を大事にする人はいい人だと思う。生きている人のことも大事にするはずだ。
花を持って歩いている人の中には、花を贈られた人もいるだろう。誰かから花をもらえる人は誰かから愛されてる人だし、大事に思われている人だと思う。きっといい人だろう。
そういうことも踏まえて、花を持って歩いているといい人に見える気がする。
この日、私は変なプリントのTシャツを着ていたのだけど、その変な人要素を打ち消してくれるくらい、花はいい人に見せる効果があると思った。

細い路地を通って家へと帰る。
今、うちの庭にはダリアやおしろい花が咲いている。藤や桜の枝には濃い緑色の葉がもさもさと生えている。
うちの庭は以前に比べると植物が減ったけど、それでもたくさんの花や木が狭い庭のなかに生い茂っている。
それは庭仕事が好きだった亡き祖父のせいだと思っていたのだけど、祖父はほとんど家から出かけることがなかった祖母を楽しませるために、色々な花を居間の窓から見える位置に植えていたのだと最近になって知った。

花を好きな人はいい人だと思う。


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