在宅勤務で骨密度低下?!乳製品の適量とは?
こんにちは!ラブテリカウンセラーの島田奈美です。ふだんはクリニックで健康診断や人間ドックをご受診された方の栄養相談を行っています。
各検査数値やお食事記録を拝見しながらお話していきますが、前年度と比べて、「骨密度が下がっている方」が一定数いるように感じています。
春先の自粛期間を挟んだからでしょうか、または在宅勤務で通勤習慣が減っているからでしょうか、いずれにしても皆さんのお話を伺っていると、日々の活動量が減っていることが大きな要因として考えられます。
骨は将来の健康を支えます
骨の強さは将来の健康を支える上でも必要不可欠です。若いうちはあまりピンと来ないかもしれませんが、シニア期になり筋力が落ちてくると、ちょっとした段差でつまずいたり転倒しやすくなってしまいます。
そんな時骨密度が低いとどうでしょう?当然骨折のリスクが高まります。
骨折してしまうと、骨折箇所が例え足ではなく手首や腕であったとしても、日常生活に制限がかかるため、活動量が低下し、さらなる筋力の低下に繋がってしまい、寝たきりや認知症へ進行することが予想されるのです。
実際に要支援(介護になる前の段階)や要介護の原因の多くは骨や関節の疾患が原因です。
骨折や骨粗鬆症を予防するために、シニア期の栄養摂取や運動習慣はもちろん大切ですが、急に生活習慣をガラリと変えるのは誰でも難しいものです。「今」から少しずつでも骨を強くする習慣を作り継続していきませんか!
日常生活で骨に刺激を
重力にならい縦方向に負荷をかけることで骨密度は高くなることがわかっています。つまり姿勢を正して立っているだけでも重力にならった刺激を骨に与えられるということです。
このコロナ禍においては、いかに座っている時間を減らすのか?また座っていたとしても重力に逆らって背筋を伸ばし、床にピタリと足裏をつけておくといった心掛けも骨密度を低下させないひとつの手といえそうですね。
骨と栄養
さて、「骨強化」と聞くとまっさきに思いつく栄養素は「カルシウム」ではないでしょうか?
カルシウムは体内に1番多く存在するミネラルで、その99%は骨や歯に存在しています。
そしてカルシウムは、乳製品に多く含まれていることも、皆さんよくご存知ですよね。
ところが、乳製品の1日の適量を把握している方はそう多くありません。
乳製品といえば、牛乳・チーズ・ヨーグルト・生クリーム等が代表的な食品です。
一般的な成人においては、
●牛乳コップ半分●チーズひとかけ●スライスチーズ1枚●ヨーグルト1P
この中から2つ選んで食べるのが1日分の乳製品の適量となります。
いかがでしょうか?意外と少ない?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
牛乳は良質なカルシウム源でありたんぱく質源ではありますが、飽和脂肪酸という脂質も多く含まれます。そのため、摂りすぎてしまうとコレステロールを上げてしまう原因に。
前回の記事でコレステロールはホルモンやビタミンDの材料になるためある程度は体内に必要ですとお伝えしました。→参照
ですが、女性ホルモンの分泌が減少する40代以降の女性の場合、使われなくなったコレステロールが余剰になるため、特にコレステロール値が上がりやすくなってきます。
コレステロール値が高すぎると、血管が老化することで動脈硬化を招きやすく、そのまま進行すると心筋梗塞や脳梗塞の発作を起こす引き金になるため注意が必要です。
骨粗鬆症を予防したいけれど、コレステロール値も気になるという方は、乳製品の量に気をつけながら、小魚や小エビ・大豆製品・緑黄色野菜・海藻や乾物(切り干し大根等)からもカルシウムを摂るようにすると良いでしょう。
また、骨の健康を守る栄養素はカルシウムだけでなく、たんぱく質、マグネシウム、ビタミンD、ビタミンKなどいくつかの栄養素がチームワークになって働きます。つまり乳製品だけでは、骨を作るために必要なその他の栄養素が不足してしまうということです。
食事バランスガイドを活用しよう
栄養素の種類や働き、またどの食品にどんな栄養素が含まれているか知っておくこともひとつですが、料理ベースで何をどれくらい食べればよいのか視覚的にわかるツールが「食事バランスガイド」です。(詳細は農林水産省のサイトをご参照ください。)
コマのイラストに各食品群を配置し、1日に何をどの位とればコマの回転が安定するのかを示しています。「乳製品」についてもイラスト付きでコマの中に配置されているので、ぜひ参考にしてみてください。
各食品群がまんべんなくとれているかどうかチェックしたい方は、ラブテリHPより2week meal check表を無料でダウンロードできますので、ご活用ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
\私が記事を書きました/
島田 奈美(しまだ なみ)
管理栄養士/ラブテリ公認カウンセラー。健診クリニックでの栄養相談、復職支援プログラム栄養学講師、専門学校の非常勤講師 他
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