自傷跡

今はだいぶ抑えられるようになったのだが昔は自傷癖があった。最初に行ったのは小5の冬で肩を一本切った。母親の罵詈雑言でぐちゃぐちゃになった心が少しスッキリした。それからだんだんと年齢が上がるごとに頻度が増え一度の本数が増えていった。切っていると血が涙のように流れていって代わりに泣いてくれているように思え、心がスッキリした気がしていた。バレたのは中二の冬だった。耐えられなくなって手の甲を切り刻み次の日学校で隠しきれなくなり保健室に行った。その後から半年の記憶はほとんどなくいつのまにか学校に行けなくなり私立中学を退学した。

退学した後も隠れて耐えきれなくなった時には切っていた。カッターナイフで泣きながらなんども腕を刺して意識を失ったときもあった。回数を減らすように努力して楽になる誘惑に負けそうになるときもある。今年も2回ほど実際に負けてしまった。希死念慮を抑える代わりに傷は少しずつ増えていく。

それでもまだ俺は生きている。どれだけ辛くて親に迷惑をかけていても助けてもらってなんとか生きている。今でも左腕には跡が少し見えるし左足にはたくさんの跡が残っている。梅雨や台風の近づく時には深いところの傷が痛む。死にたい時は傷をいつも触る。そうすると今までも希死念慮に勝ってきたじゃないか、今度も勝つぞと前向きになれる。

今月の25日に初めてのタトゥーを入れる。入れる場所は最初に切った傷のすぐ下だ。柄はセミコロンを入れる。アメリカのセミコロンプロジェクトを知ってから入れたかった。ホワイトのみで入れるから傷のように見える筈だ。自傷跡と人工的に切った区切りの傷。きっと両方とも生きる力をくれるし良いリマインダーになってくれると信じている。

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