【随想】パンプキンチョコチップスコーン
先日、札幌に行きました。
昼近くなったので昼食を食べようと思い、駅周辺をうろつきました。
席が空いてそうな店を見つけて、入りました。
硬めのパンを水平にカットして間に具を挟んだモノとコーヒー、サラダ、スープが付いて1000円くらいのセットを頼みました。
これに「チョコチップスコーン」を単品で注文しました。
合計1400円です。
普段こんなお金の使い方はしないのですが、ちょっとテンションが上がったのかもしれません。
若い長身イケメンの定員さんが「スコーン温めますか」と聞いてきたのでお願いしました。
次々とトレーの上に注文したものが乗ってゆくのですが、
「チョコチップスコーン」ではなく「パンプキンスコーン」とレジに表示されたので、
「チョコチップの方ですよ。」
とイケメン定員さんに確認しました。
すると定員さんは「パンプキンチョコチップスコーン」です。と説明してくれました。
何か怪しい匂いがしました。
次にコーヒーがトレーに乗ったのですが、
どう見ても「アイスコーヒー」です。
メニュー表をよく見ると「ホット/アイス」と書いてありました。
でも定員さんからどちらにするかは確認されていないのです。
何となくアイスコーヒーになった訳です。
因みに、私は基本ホットコーヒーしか飲まないです。
「まあ、自分もホットと意思表示しなかったし、たまにはアイスコーヒーでも飲んでみようかな」と自分を納得させ、黙っていることにしました。
そして、席を見つけスコーンを食べてみると、カボチャのタネはあるけど、チョコチップは最後までありませんでした。
イケメン定員さんはあの時、0秒でウソをついたということが分かりました。
でもスコーン自体は美味しかったです。
パンやスープも美味しかったです。
アイスコーヒーは普通でした。
頭の中でこれを全部コンビニで買ったらいくらくらいになるか概算を出したら、差額が600円くらいになりました。
場所代が600円ならマックとかで良かったなぁと思っていたら、
隣のサラリーマンはホットコーヒー単品でした。
この店の正解を見ました。
反対側を見ると台湾人らしきカップルの男の方が脚を組んでいるのですが、彼の靴の先が私の太ももから5cmくらいのところにずっとあるのです。
100%そんなことなど気にしていない様子です。
私は、わざとらしくイスとテーブルを動かして避けてみました。
全然気にもしていない。
「こんなに日本人と感覚が違うのか。面白いなあ。」と思いました。
むしろ何も起こっていないのに「すいませんすいません」とか言っている日本人の卑屈さの方が嫌になります。勉強になりました。
食べ終わって、それなりに休んだので店を出ました。
実は、ここまで書いて言うのも何ですが、私はイケメン定員さんの接客はいかがなものかと言いたいわけではないのです。
「仕事なんて所詮「パンプキンチョコチップスコーン」みたいなもんでしょ。」という感じに、ある種の「気持ち良さ」を感じたのです。
「はっきり合図、しっかり確認、オーダー完璧に。お客様に少しでも気持ち良く過ごして頂きたい。」
こんなマインドセットが求人のハードルを上げているくらいならば、彼のように肩の力を抜いた接客で十分だと思いました。
ただし、店の格式にも依りますが。
併せて、私も客として国際化していかないとなぁと感じた出来事でした。
でももうあの店に行くことはないと思います。