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【随想】治るってすごい

仕事柄なのか指先や手の平が気づいたら切れて血が出ていることが多い。
絆創膏を貼って1週間もすれば治って本人すら忘れてしまう。
当たり前過ぎて気にしていなかったが、改めて考えると、この「治る」というやつは凄い。
金属は切断したり加工したらそのままで、前の状態に「治る」ことはない。
木材はそれに比べたら気温や湿度によって反ったり、薄いキズなら蒸気を当て膨らませて目立たなくさせたりできるので、やや変化するともいえるが「治る」という能動的な現象は起こらない。
そう考えると、「生きている」ということは「治る」余地があるということなのかも知れない。

高校生のときに生物の授業で「恒常性」と習ったことを思い出した。それを体感したといえばそれまでだが、
「生きている」ということはそれ程特殊な状態で、ある意味自然に逆らっているともいえる。

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