見出し画像

『お嬢と執事』⑤優雅な午後

⬇️⬇️⬇️以下は、配信アプリREALITYでの企画、掛け合いセリフ枠『お嬢と執事』のためにラパスが書き下ろした台本です。

《台本の利用は、「使わせて頂きます!」と事前にご連絡頂ければ、問題ございません。(是非私も聞きに行かせてください♫) 商用利用に関しては、事前に御相談下さいませ。》

👉企画ページに戻る
台本① ミステリアスなひと
台本② 2人きりのお茶会
台本③ 忙しいお嬢様
台本④ 忠実な番犬
台本⑤ 優雅な午後(このページ)
台本⑥ 仮面舞踏会


場面: 天気の良い初夏の昼下がり、伯爵家の中庭。テーブルには午後のティータイムの準備がされている。

A: 伯爵家令嬢

B: 執事

(性別、語尾変更OK。内容の変更はお控え下さい)


–––BGM on
–––SE 茶器を置く音

B: 「お待たせ致しました、お嬢様。本日のお飲み物は、アイスティーをご用意致しました。ミントはご所望しょもうでしょうか?」

A: 「……ありがとう……」

B: 「……お茶のお供には、蜂蜜とオレンジを加えたマドレーヌをご用意致しております。お召し上がりになられますか?」

A: 「ええ……ありがとう……」

B: 「……(咳払い)」

A: 「(ハッとして)ええと、そうね、蜂蜜は小さじ二杯お願いするわ」

B: 「お嬢様」

A: 「……(咳払い)何かしら?」

B: 「何か、心配事がおりでしょうか?」

A: 「(ため息)ごめんなさいね、私ったら……」

B: 「謝る必要はございません。ただ、おひとりで悩まれるよりも、他の人間と意見を交わした方が、解決への糸口いとぐちは見つかりやすいことがほとんどです」

A: 「……B、私は間違っているのかしら?」

B: 「『間違っている』とは?」

A: 「……今回は私の不手際ふてぎわで、公爵令息様に私の事がばれてしまったわ……サファイアをお返ししたから、そう簡単に情報を漏らされることは無いと思うけど……」

B: 「ふむ」

A: 「……お母様は領地のまつりごとに手一杯だし、今は亡き、伯爵であったお父様の名代みょうだいとして社交の場に出れるのは私だけ……こんなことを続けていては危ないって、分かっては居るのよ?」

B: 「お嬢様……」

A: 「だけど、あと少し……!あと少しでお父様を死に追いやった者に手が届く……!もう少しで、お父様の日記を取り戻せるはずなのよ!……ごめんなさいね、忘れてちょうだい。私は多分、自分の失敗に、自分で思っているよりも落ち込んでいるんだわ」

B: 「……Aお嬢様」

–––SE 地面にひざまずく音

A: 「B ?」

B: 「……旦那様は、恐らくご自身の危険を察知しておられました。お亡くなりになる直前、私にこんな風におっしゃられたのです。ただ一言だけ、『Aを頼むぞ』と」

A: 「お父様が……?」

B: 「旦那様は、貴女が私から『仮面の怪盗』をぎたがっていることを嫌という程ご存知でしたね?」

A: 「ふふ……そうね、小さい頃から、私はそればかり言ってお父様を困らせていたわ」

B: 「にも関わらず、仰られたのはただその一言……旦那様はきっと、分かっておいででした。……お嬢様、どうかお心のままにお進み下さい。このB、足は動かずとも先代せんだいの『仮面の怪盗』を務めた身。お嬢様に何かあれば、華麗に救い出してご覧に入れましょう」

A: 「ウフフ……頼もしいわね。……ありがとう、B」


//END    Written by ラパス


👉企画ページに戻る
台本① ミステリアスなひと
台本② 2人きりのお茶会
台本③ 忙しいお嬢様
台本④ 忠実な番犬
台本⑤ 優雅な午後(このページ)
台本⑥ 仮面舞踏会

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?