『お嬢と執事』②2人きりのお茶会
⬇️⬇️⬇️以下は、配信アプリREALITYでの企画、掛け合いセリフ枠『お嬢と執事』のためにラパスが書き下ろした台本です。
《台本の利用は、「使わせて頂きます!」と事前にご連絡頂ければ、問題ございません。(是非私も聞きに行かせてください♫) 商用利用に関しては、事前に御相談下さいませ。》
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台本① ミステリアスなひと
台本② 2人きりのお茶会(このページ)
台本③ 忙しいお嬢様
台本④ 忠実な番犬
台本⑤ 優雅な午後
『2人きりのお茶会』–––伯爵令嬢宅を訪れた侯爵令息……どうやら何か問題を抱えているようで–––
場面: 遅い午後、伯爵家の王都別邸にある東屋、テーブルにはティータイムの準備がされている。
A: 伯爵家令嬢
B: 公爵家令息
(性別、語尾変更OK。内容の変更はお控え下さい)
–––BGM on、茶器を置く音、ヒールが石畳を打つ音
A: 「(淑女の礼をしながら)ごきげんよう、B様。お待たせして申し訳ありません。我がブルーテイル伯爵家の別邸にようこそ」
B: 「(立ち上がって、礼を返しながら)ごきげんよう、A殿……急に訪れた非礼を詫びよう」
A: 「とんでも御座いませんわ。B様をお迎えするとあれば、いつだって光栄の極み……と、言いたいところですけれども……そうね、レディの支度には時間がかかるものですの。どうか、またお越しになる際には、事前に便りをお送りになって?」
B: 「そうしよう……今日は貴女に聞きたいことがあってやってきた。その前に……」
A: 「(執事に補助され、席に着きながら)あら、B様はせっかちでいらっしゃいますのね?我が家の自慢の紅茶とお菓子も味わわずに、本題に入られるの?」
B: (Aの横に歩み寄り、ポケットからあるものを取り出す)
–––SE 足音、注射器をテーブルに置く音
B: 「昨晩こちらをお忘れになったようだ。お返ししよう」
A: 「まぁ……これはなんですの?なんて物騒な……私は医者ではありませんわ。このようなもの、手に取ったこともありません。それに……昨晩は私は気分が優れず、自室で休んでおりましたの。せっかく招待されたパーティーに行けなかったのは、とても残念ですわ……」
B: 「……近頃王都を騒がせている仮面の怪盗……あれは貴女だな?」
A: 「怪盗?一体なんの事を仰っているの?……まさか、新聞で読んだ、闇夜に舞うという身軽な黒い影……あの盗人のことを?私があの怪盗だなんて……うふふ、おかしなことをおっしゃるのね」
B: 「……仮面の怪盗、貴女に頼みたいことがある……。我が母の形見である、幻のサファイアを取り返して欲しい。今まで捉えられることもなく、狙ったものは必ず盗み出している貴女なら可能なはずだ」
A: 「……公爵夫人のサファイア……『奇跡の泉』を?」
B: 「……サファイアは、母の葬儀の後には既に無かった。恐らく誰かが混乱に乗じて盗んだのだろう……。あれは、私の妻になるひとが受け取るはずのものだ!母は病床で、あれを義理の娘に受け渡すことをまだ出来ていないことを嘆いていた……あれは代々、我が家に伝わる幸福の象徴だ!他の者が手にしていい代物では無い!」
A: 「B様……心中お察ししますわ。そんなことがあったのですね……けれども、私はただの伯爵令嬢。荒事には縁のない、か弱い存在ですわ」
B: 「A殿……!いや、仮面の怪盗、貴女が我が屋敷で何を企んでいたのかは知らないが、予告状は受け取っていない。昨晩、きっと貴女は何かの情報を探っていたのだろう。貴女なら知っているはずだ!財宝を盗み出すことで、悪党共の悪巧みをも暴いている貴女なら!」
A: 「(立ち上がって礼をしながら)B様、どうぞ、今日はお引取り下さいませ。どんなに心が傷もうとも、私に貴方の望みを叶える力はありませんの……どうか、ただの令嬢でしかない私を、お許し下さい……」
B: 「(納得がいかない様子で)……失礼する」
A: 「B様!……(振り返ったAに向けて)お母様の形見が、いつか貴方の手に戻ってくる事を願っておりますわ」
//END Written by ラパス
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台本① ミステリアスなひと
台本② 2人きりのお茶会(このページ)
台本③ 忙しいお嬢様
台本④ 忠実な番犬
台本⑤ 優雅な午後
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