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昇進がすべてではないが心がモヤるとき

これから海外転籍を狙う人にはつくづく言っておきたい、職位/キャリアレベルは日本法人で可能な限り上げてから来るべし、ということを。
そして名ばかりではなく、職位が求める職責を全うし、自他ともに認められる実績を従えて臨むべしと。

かくいう私は、中間管理職として扱われる職位で、少ないながらも複数人のラインマネジメントを日本で数年経験してから海外転籍したので、それは自信と、上からも下からも意見できる目線をもたらした。転籍する後押しになった実績も、社内で認められる程度にはあったと言っていいだろう。

しかしグローバルサイドに来て痛感するのは、職位は同じでも自チーム内での職責はローカルでのそれから一段階下がる感じということ。Individual Contributorだから余計にそう思うのかもしれないが、オペレーショナルなタスクに追われ、そこそこの裁量は与えられるものの、「こんな細かい点まで決裁が必要だったのか」と思わぬところでディレクターのウォッチが入る。(一方で彼らの手が回らず、放置プレイされていることも多々あるのだが)

その分、グローバルとしての一挙手一投足が及ぼす影響範囲が全マーケットにまで波及するので、必ずしも職責が軽くなった、ということではないが。どうにも言葉にし得ない、職位に制限される(と思っている)動きづらさがある。

かといって、昇進して裁量権が大きくなることは、これまた必ずしもハッピーということでもない。むしろ、考慮すべき事象やポリティクス、ビジネス課題が桁違いに増え、常に火消しに追われて苦しそう。あれをやる立場になりたいかと問われたら、「NO」と即答するわ。少なくとも今は。

そんな中チームメンバーの複数人が、自チーム内での昇格、他チームへ異動ながら昇進をすることになったニュースを聞き、事実として心から喜ばしいことだが、いつか私にもこんなチャンスが舞い込むことがあるのだろうかと複雑な気持ちになった。「日本だったらもっとできるのに」という、決して口にはしない歯がゆさを抱えながら、将来のキャリア展望を考えている。

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