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2024年5月の記事一覧
LTRP2-12「Collapse On Schedule」
後輩で恋人の真がセーラー服調のブレザーに袖を通すと、詩応はスポーツドリンクを渡す。陸上大会の中距離部門で優勝したポニーテールの少女と、事実上の専属マネージャーは、軽くハイタッチした。
来週は揃って東京に行く。土産を手に入れようと、2人は帰りに名古屋駅に寄った。三大都市圏の一角、その中心地は全体的に混んでいる。
先日話していた土産を手に取り、レジで会計を済ませた人は、不意に店の入口に目を向ける
LTRP2-11「Secret Weapon」
臨海署を後にした3人は、近くに建つ商業施設ダイバープラザに足を運んだ。流雫と悠陽に挟まれる澪は、自分が父と話している間に、2人の間で言葉が交わされなかったと察した。
かつて、相容れない流雫と詩応が接近したのは、詩応が流雫に問い質したいことが有ったのと、不仲の本質に気付いていた澪の策略によるものだった。
しかし、そもそも悠陽は自分から話す必要が無いと思っている。何から切り出せばいいのか迷う流雫
LTRP2-10「Master Or Slave」
あの事故は、車の挙動も含めて最初から仕組まれていたこと。流雫の見解はそれだった。
「あの車の自動運転システムは、車体のセンサーが周囲の障害物や車線との位置関係を常時計測し、高度な位置情報と合わせて、AIが最適な走行ラインを決めるものだ。あくまでも自動車専用道や高速道路での巡航支援と云う形だな」
と弥陀ヶ原は言う。手元のタブレットには、サイトからダウンロードしたカタログが表示されている。
「センサ
LTRP2-9「Taste Of Bullet」
澪のことは誰より知っている。ドアが閉まる直前に飛び込み、自分に向かってきているハズだ。何を言っても
「流雫を置いて逃げる、あたしにできると思うの?」
と言い返されるのは判っている。ならば、2人で仕留めるしかない。
「……流雫……」
澪の声がイヤフォン越しに聞こえる。無意識にブレスレットに唇を重ねる流雫。
「澪……」
彼女のためにも、屈するワケにはいかない。
その間にも、視界の運転室の扉が大きく
LTRP2-8「Eyes Of Devil」
池袋駅前に戻った3人は、ドーナッツ屋に入った。話したいことは終わったが、或る意味では今日の目的だ。
最初の話題は翌週のイベントだった。悠陽はEXC以外にも回ってみたいブースが有る。一方の流雫と澪は、EXC以外何が有るのか把握していない。そもそも、椎葉からの無料チケットでイベントの存在を知ったほどだ。
スマートフォンで会場マップを開く2人は、その時初めてEXCが右端のホールを半分使っていること