寛容社会

「規則」よりも「許す」ことが大切じゃないですか?

 ほんの5年前くらいの話ですが、製造業の営業職をしていたことがあります。提案営業スタイルの部署だったので、社内で資料作成などもしつつ、外出もしていました。なので、一般的な営業職よりは外出は少なかったとは思うのですが、今思うと、『あの頃はよく歩いていたよなぁ』と思い出したりします。

 正直、「歩く」というだけなら、そんなに大した距離でも歩数でもないと思うのですが、3~7cmくらいのヒールで歩いていたのが、今から考えるともう地獄だったな、という印象です(笑)帰宅時の、足のボロボロな感じ、思い出すだけでもグッタリしてしまいます…。ほんとうに毎日のように『もう歩けない(泣)』と思っていた気がする。恐ろしや。

 何でそんなことを思い出したかというと、先日、ホテルの営業職をしている知り合いの女性と話していたところ、「足が疲れた」と言っていたんです。彼女は3㎝くらいのヒールのパンプスを履いていて、たしかに足が辛そうでした。

 そこで、経験者からのアドバイスとして「何日かに1回、ペタンコ靴履いたりするだけでも違うよ」と言ってみたところ、ホテルだとフロントに立つ人たちへの服装規定が厳しく、営業職もそれに倣っていて、3㎝以上のヒールが規則になっているとのこと。『え~!』と思いながらも「ストラップ付のパンプスにすると少し歩くの楽だよ」と言うと、ストラップも規則違反とのこと…。営業職とあれどあまり規則から外れるのは人の目が気になる、と言っていました。

 彼女の会社のフロント業務がどれくらいの就業時間だったり、立ちっぱなしの仕事なのかは分かりませんし、服装をどれほど気にかける必要があるかなんて、うかがい知れない世界ですし、営業職とフロントの比較なんぞ、私にできるはずもないのですが。でも、もやもやしますよね。なんといいますか、簡単に言うならば、

・・・寛容じゃないな。

と思ってしまったのが素直な感想です!!!

 嫌なこと、辛いこと、大変なこと、困っていること…。こういうことって、改善していこうとするのが人間の営みとして普通なはずで。それをさせない「規則」ってやつは厄介だなぁ、と。人間関係や慣習などでどうしてもそこを突破しづらくなってしまうんだろうな、と心から同情してしまいました…。

 逆にいうと、些細なことだけれど、こういうところから寛容化を始めれば良いのですよね。大きな組織の構造改革とかだと難しいけれど、小さいことから少しずつ改善していけるので、未来がアル!!

 思うのは、もしかして必要なのは「規則」ではなくて従業員が共通でもつ「コンセプト」や「方向性」で、それがあれば自然と、3㎝ヒールのパンプスに見合う何かを自分流にインストールできるようになるのではないか??と。

 自分のベストを自ら考え、実行できるようになることで、ようやくクライアントに対してのベストを考えて実行できるようになるんじゃないかな、と思ったりします。こうやって、自分自身含め、いろいろな人や立場を許していくことで、多様性のある社会になるんじゃないかな、と。

 偉そうにいろいろ言いましたが、これは自分への戒めでもあります。自らを省みていい方向に動くの、意外と難しいですよね。ちょっとずつ前に、進んでいこうと思います。


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