【感想/考察】OMORI
OMORIの感想です。ネタバレしかないので注意してください。
OMORIを知ったきっかけは、たまたま聴いた「My Time」に一目惚れならぬ一聴惚れしたのがはじまりです。ありがとうボーエン。ありがとう私のゲー音好き。
Switchでも発売されるようになり、いつかやりたいいつかやりたいと思い続けて数ヶ月、推しの実況者がOMORIをはじめることとなり、これは先に初見プレイをしなきゃ!!と思い立ちクリアまで駆け抜けました。
本当に、なんでもっと早くプレイをしなかったんだ!ってくらい良いゲームでした、OMORI。情緒をかき乱してくれ、funnyではなくinterestingの意味での面白いという言葉が合うステキなゲームです。特に終盤は、ジェットコースターみたいにコトコトのぼって最後ガッと下るアレみたいな味わいがあって最高でした。
余談ですが、3周年記念コンサートも知ってコレは行かねば!と思ったものの、タイミング悪くコロナにかかってしまっていて行けませんでした…。悲しい。配信ぜひとも待ってます。
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ホワイトスペースとブラックスペース
私は初見プレイ時、サニールートのグッドエンディング+シークレットにたどり着き、そこからバッド→ノーマル→オモリルート(2週目)と進めました。
オモリルートを進めて思ったんですが、これ最初にオモリルート通ってたらまた違った体験を味わえたんだろうなぁ~と。願わくば記憶を消してもう一度遊びたいゲームです…。
そしてこのオモリルートで多分じっくり見ておきたい1つが「ブラックスペース2」じゃないでしょうか。ブラックスペースのピンポンダッシュ粛清演出も相当にビビりましたけど、あの赤い迷路はもう二度と入りたくないレベルに怖かったです。ずっとパンでいてくれ…。
ホワイトスペースは生
ところで、"あしながおじさん"の話では、最初はホワイトスペースだけがあり、のちに様々な世界に繋がる扉が生まれ、ブラックスペースにたどり着いてしまったとありました。
"枝サンゴ"の話では、ホワイトスペースにいるということは無になることで、生存こそはできるものの真の意味で生きることは出来ないとありました。
これらの話より、マリが亡くなる前よりも前の昔から、何かストレスがあってホワイトスペースに駆け込むことがあったのかもしれません。
推測にしか過ぎませんが、サニー家は夫婦喧嘩が度々起きている家庭だったのかもしれません。夜に親2人が(子供たちは寝静まっていると思って)口論をしていて、それでマリとサニーはなかなか寝付けない状態になってしまい、マリは寝る前の読書という形でストレスからの逃げ先を作り、サニーはホワイトスペースで無になることでストレスを緩和していた…と考えると、サニーに前々からホワイトスペースが生まれていてもおかしくありません。
ブラックスペースは死
そして、ホワイトスペースが生に近づく場所であれば、もう一方のブラックスペースは言わば死に近づく場所なんじゃないかと感じました。
ふと希死念慮がきたとき、過去の嫌な記憶や自分の過ちなどのネガティブが次々とやってきて、いわゆる反芻思考に陥ってしまうことがあると思うんですが、まさにブラックスペースはそれを表現した場所のようで、オモリルートでいけるブラックスペース2ではより顕著に表されているように見えます。
こうしてサニーは
井戸が表すこと
ブラックスペース2で井戸を下りて進んだ終点では、「I'm Sorry」とブラックキーが並んでいました。離れていると文字がぼやけているものの、近づくと明瞭になります。
英語には「Truth lies at the bottom of a well.(真実は井戸の底にあり=真実を見つけるのは難しい)」ということわざがあり、オクブカ井戸のNPCやブラックスペース2の井戸のコレも真実に触れた内容となっていて、それは比喩的だったりぼやけていたりでまさに"真実を見つけるのは難しい"を表していそうです。
特にこの局面では、サニーは消滅してしまいオモリとなってしまっているため、心の奥底にある「I'm Sorry」はぼやけてしまったのかもしれない…そんな風に感じました。
「残り3日」の意味
ブラックスペースにいる"知らない人"の「また来ましたか。今度はなぜ?もう、時間が無くなってきているのでしょうか?」というのも、引越しまでの時間が迫る中で何度も反芻思考をしてしまっている…のかなと。少なくとも「残り3日」よりも前にも幾度かブラックスペースに訪れているのが分かります。
この「残り3日」というのも、引越しまで残り3日という意味とは別に、死ぬまで残り3日という意味合いもあったんじゃないかと感じました。"20歳になるまでに死にたい"と同じように、引越しを生きるゴールにして逃げ続けていたように思えます。
残り日数が少なくなるにつれ、迷いや悩みが深くなっていったために、ブラックスペースに訪れる回数(≒反芻思考に陥る回数)が増えたのも納得がいきます。
また、希死念慮を湧かせる問題に立ち向かう力が自分だけでは出てこなくて、底に沈みゆく自分を引っ張りあげてくれる何かがあったらな……という気持ちがニャーゴなどの「何かを待っているの?」に繋がるようにも見えます。
引きこもりを選んだオモリルートでは暗闇に飲まれそうなサニーをオモリが救いあげることとなり、サニールートではケルが外へと引っ張り出してくれたことを考えると、ケルの功績はとても大きいですね。でも明るく変わらないケルだからこそ、サニーも勇気をだして引きこもりに終止符を打つことができたのかもしれません。いい子いい子。
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ということで、まだまだ感想を吐き溜めたいシーンはありますが、ひとまずこの辺で。
最後に、冒頭のフレーズはキタニタツヤの「夢遊病者は此岸にて」からの引用です。次の歌詞も抉ってくれるのでぜひ聴いてみてください。
▼OMORI公式サイトはこちら
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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