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作詩-言葉たち-

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言葉を紡ぎ 詩を編む。 電子の海に浮かぶ一遍の詩集をどうぞご賞味くださいませ。
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2014年4月の記事一覧

少女人形は翼を希求する、貴方に幸せを授けたくて

少女人形は翼を希求する、貴方に幸せを授けたくて

とある試験の準備を進めている自分がいる。

けれどそれに手を伸ばすほどに自分の中から叫びが聞こえる

迷子になると知りながら、道に迷い続けるのに

手の中には違和感しか残っていないのに

まるで地を這う蛇にでもなったかのよう

わたしは翼が欲しいのに

感じるのは地に這いつけられる閉塞感――呼吸も碌にできないでいる

泣いてしまいそうなくらいの熱量で求めるのは翼、頬にあたる風

ネットの海にこんな

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光が闇に還るのなら、果たして闇は何処へ還れるのだろうか

嘘という名の衣を

纏うことできぬ光に

いざ与え給う

嘘という粧いを!

欺瞞という熱を!

醜さが故に鈍く輝く闇色の光を!

光が偽るのならば

闇は真とならん

光が偽りを抱いて輝くなら

闇は冷徹なる真の腕で抱きしめよう

光が目くらましの夢を魅せるなら

闇は鏡――眼を塞ぐ代わりに真のみを見せる

偽善など差し伸べず

何も映さぬ視界に真を注ぎ込む

故に人は闇を忌避するのか

見たく

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自明の理かもしれない闇語り

白、光。

これらは陽の象徴とされることが多いですよね。

陽や光という言葉、あるいはこれらがキーワードになるものは、どこかよいもののように捉えられることが多いように思います。

そしてその対となる黒、闇、そして陰。

あるいはそれに属するもの、それが連想されるものは悪いイメージを持たれがちですし、作品などでも然り。

ところで白い光、と聞いてふっと思いつくのが身近な白い光を放つもの。

わたしに

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緋い月の燈火

緋い月の燈

緋い月は時に禍々しく、時にあたたかく闇に浮かぶ

それはまるで燈火のように

燈火は人を導く伝手となる

それは行きたい場所までの道を照らす光

そして辿り着きたい場所を探す者のよすが

旅人はゆく

智を 道を求めて

湧き上がる熱を その身に受ける風にて煽るが如く

その頭上 浮かぶ 緋き月

月が燈す 緋き燈火を

智として 道として 書へと形を変え

繋ぎ 紡ぐは 世の人々

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