光が闇に還るのなら、果たして闇は何処へ還れるのだろうか

嘘という名の衣を

纏うことできぬ光に

いざ与え給う

嘘という粧いを!

欺瞞という熱を!

醜さが故に鈍く輝く闇色の光を!


光が偽るのならば

闇は真とならん

光が偽りを抱いて輝くなら

闇は冷徹なる真の腕で抱きしめよう

光が目くらましの夢を魅せるなら

闇は鏡――眼を塞ぐ代わりに真のみを見せる


偽善など差し伸べず

何も映さぬ視界に真を注ぎ込む


故に人は闇を忌避するのか

見たくないものを見るほかは赦されぬ、ゆえに。


闇は根源

すべての還元が行き着く先


光のなかでしか生きられぬ苦しみより

闇のなか光を見出す苦しみのなんと甘く切ないことだろう


闇は光を包み込めるけれど

光は闇に交われない

光とは、闇を請い、焦がれるあまり

闇と袂を分けてしまったの?


ならばせめて眠りの底では

光よ、闇にまみえればいい

眠りと夢はあなたのもの

誰にも邪魔はされないから

誰もあなたを見ていないから

すべて閉ざした眠りの底で

すべて曝してお眠りなさい

さあさすべて闇に謳え

闇は全て受け止める

真の姿も受け止める

終には光も闇に還る


闇は根源

すべての還元が行き着く先だから

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?