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コロナ禍と、京都の二つのお祭り/2021年7月

毎日、暑い日が続いております。昨日も暑かったので、陽もすっかり傾いた頃に緩々とお散歩がてら買い物に。

少し風が吹いていて、(これぐらいなら過ごし易くて助かる〜)と思って帰途についていたら、警官が道を守るように立っていました。そして遠くからは、太鼓の音が聴こえてきました。

昨日は、祇園祭の還幸祭の日。


コロナ禍の為、今年の祇園祭も山鉾巡行や神輿渡御みこしとぎょなど諸々中止に。

技術継承の為、一部の山鉾で2年ぶりに山鉾建てがあったものの、
「感染防止のため、観覧を控えてほしい」との呼びかけもあり、山鉾町界隈には近づく事もなく

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バスで移動時に、窓から見えた函谷鉾が今年の精一杯。チラッとでも見られて嬉しかった。



そんな中でも規模は大幅に縮小されても、神事は粛々と執り行われていまして、

「祇園祭の列が通過しますので…」との声の後に、

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背に榊を乗せた白馬の列が通っていかれました(大変分かりにくい写真で、申し訳ありません。列の皆様のお顔を写すのを憚ったら、こうなった。いや、やはり畏れ多かった)

白馬が乗せているのは、八坂神社の御神霊が移された榊なのです。


還幸祭の神輿渡御みこしとぎょは、四条御旅所に留まられていた御神霊を遷された3基の神輿が、広い広い氏子区域をぐるっと巡って八坂神社へ還られるのですが、それはもう勇壮なものです。

山も鉾も巡行も美しくて大好きですが、「神輿渡御こそ、見て欲しい!!」と思います。

そんな神輿渡御もコロナ禍では難しく、神輿渡御の代わりとして、去年初めて行なわれた「御神霊渡御ごしんれいとぎょ」が今年も行われ、その列に遭遇したのでした。

この列は、祇園祭発祥の地とされる神泉苑に向かって進んで行きました。


※「御神霊渡御ごしんれいとぎょ」に関して、去年の産経新聞の記事に詳しく。神事に対する敬意に溢れていて、神泉苑の善女龍王様にも触れられていて、このような記事を書かれる記者さんがいる事に感激↓



夏の土用の頃と言えば、伏見稲荷大社の宵宮祭・本宮祭(今年は既に終了)ですが、こちらも諸々中止・縮小に。

致し方ありません。せめてと思い、提灯だけは奉納してお祭りは我慢。

境内中に奉納された赤い提灯が吊り下げられて、いつもの伏見稲荷とは異なる姿になります。

7/15の午前。着々と準備が進められていました。

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陽の高い時には、「赤い提灯がいっぱい」の認識で済むのですが。

陽もすっかり落ち、全ての提灯が点灯されると、まるで異世界に入り込んだような妖しくも美しい幻想的な様子に。

提灯のほかに、行灯画もたくさん奉納されて、とても優しい灯りで、一つ一つ見るのも楽しみなのですが、こちらも中止。奉納提灯の点灯も20時迄で終了されたとの事。

人が多く集まるお祭りなので致し方ありません。

また安心してゆっくりと伺えるのを楽しみにしています。


以下、2019年の宵宮祭の写真です。

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コロナ禍にあっても、信仰心が薄れる事はなく、返ってもっと大切にしたいと思う気持ちが強くなりました。何か自分に出来る事はないだろうかと考えたり。

諸々中止されてもどんなに縮小されても、信仰する人と信仰を守る人がいる限り、決して失われたりはしない。そうして続いてきたもの。

特に京都には、生活にも根付いて無くてはならないもの。これからも大切にしていきたいと思います。


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